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交差点に現れた男

3話 交差点に現れた男


 憑いてる。って、見えないのわかってても肩のあたりを見てしまう。


「今はいません。あたしが声をかけた時に。消えちゃいました。悪い者ではないと思うけど……浮遊霊かしら」


「そうなの。キレイな人って?」


「ええ、歳は三十代くらいかしら」


「他にわかるコトはない? 名前とか」


「居れば、聞けますけど……」


 一時間弱。時々意味不明な会話もありつつ。

 フルーツタルトを食べ、ミックスジュースを飲んで店から出た。


 ロリータフアッションの娘に奢ってもらった。


 あの店、高いから気にしてたんだ。

 彼女はどう見ても、わたしより若い。

 が、わたしもまだ、若い。二十代だ。

 29才じゃないよ。

 って、わたしは誰に言ってるんだ。


「また、何処かでねバーイ。愛さん」


 病院坂薫(びょういんざかかおる)。不思議ちゃんだ。


 一人になった。


 わたしが東口の駅前の大きな交差点を渡っていると。


「彼女は見つかりそーかな」


 えつ。

 振り返ると、男が居た。


「あなたは……。仕事を依頼された方ですか?」


「いいや……。だが、そいつに限りなく近い存在だと思ってくれていい」


 と、言ってタバコのヤニで黄ばんだ歯を見せて笑った。


 男は、そして人混みに消えた。


 何者?

 それにしても……汚い感じの男だった。

 ボサボサの髪。瞳が見えない黒いサングラス。

 無精ヒゲ。

 まだ寒いのにTシャツの上にちょい汚れた白いチャイナコートを前も開けたまま。

 ビンテージぽいっボロボロのジーンズで素足にサンダル。

 チャイナコートって、中国の人かしら。

 たしか捜索人は中国帰り。


 東海林奈波の関係者? 


 依頼人に近いって。

 なにしに現れた?


 この街に居るのだろうか彼女は、あのひらめきは何だったのか。


 夕方まで、歌舞伎町やら見てまわったが。

 その間ずーっと、なんだか誰かに見られてる感じがした。


 あの男かしら。


 わたしは近くに人が、あまり来ない公園があるのを思い出し、ソコへ走った。


 ハァハァハァハァ


 久しぶりの全力疾走だ。


 日向にあるベンチに腰をおろしバッグから水筒を出し緑茶を口にした。

 朝入れた冷蔵庫の緑茶。冷たくなくなったけど、走ったから美味しい。


 もし、この公園に人が現れたら、わたしが感じた視線の持ち主だ。


「なにか手がかりは見つかったかい?」

「うっあ!」


 ベンチの後から声が。

 現れたのは交差点のあの男だ。

 やっぱりこいつか。


「な、なにも……。貴方は何者ですか?」

「俺のコトなどいい……。あんたの捜し者に興味があると、だけ言っとこーか」


 よく聞くと、やはり日本語になまりがある。

 日本人では、ないのかしらこの男。


「あいつを知ってるか、あいつは、あんたのなんだ? 同僚? ストーカーか? 昼からあんたをつけてるぞ」


 昼から。って、あんたもだよね。


 後のヤツが言った男は。

 公園の反対側のベンチでノラネコとじゃれてるロングコートの男。


 その男が、わたしを。

 わたしが感じた視線の犯人はあの男?


 オールバックで、黒縁のメガネだ。


「知らない男よ」


 男は、こちらに目を向けた時、脇から拳銃を出し撃った!


 うそ、ココは日本だよ。そんなもの撃つな!

 

 撃った相手は、わたしではなかった。

 後の男の肩に。


「うがっ!」


 なんだか、わからないが、わたしは走ってそこから逃げた!


               つづく

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