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ターゲットの休日

177話 ターゲットの休日


 ターゲットの男は安立区役所に勤める25才の男。

 名を佐藤幸光(さとうゆきみつ)


 区内のマンションで一人暮らし。 

 平日は真面目に勤務。

 仕事が終わると、そのまま帰宅。酒タバコはやらない。

 と、ファイルに。


 調べるのは休日の男の行動ね。

 とりあえず数枚の顔写真があるので。



 正月三日、まだ休日。

 朝からマンション前で張り込んでると男が出てきた。

 仕事着の紺のジャケットではなく。黒のブルゾンに同色のキャップ。濃紺のパンツ。

 人混みに入ると、わからなくなる目立たない服装。犯罪者に多いよね。

 最寄りの駅まで歩き。電車に乗る。


 さて、ドコに行くのやら。


 なんで、また一人で夢の国ワールド。


 年間パスポートを買い。一人で年に何度も行くというマニアな客も居るそうだ。

 

 この佐藤という男もそういう趣味なのか?


 いや、男はパスみたいな物を見せ中に。

 やはり、そういうマニアなの?


 男は何かのアトラクションに乗るとか、入るわけでもなく。ただ、ぶらぶらと歩きまわっている。


 こいつは、何しにココへ来たんだ?


 おもしろいというか、男は時々出会う「ワールド」キャラクターの着ぐるみと会うたびに握手やハイタッチしている。

 写真は撮ったりしないので、ただキャラクターと会いに来てるのだろうか。

 写真はまえに来たときに撮ってあるとか。


 妙な行動では、ある。


「ウソ、お姉ちゃんだ!」


 え、そういえば今日はミヤとアヤが、この夢の国ワールドに。


 ミヤの声を聞くまで忘れていたわ。


「お姉ちゃん。やっぱり来てくれたの。嬉しい」


 ナニ、抱きついてるのアヤ。


「ごめんね。実はお姉ちゃんは仕事中なの……」

 

 ヤバい見失ってしまう。


「え、お姉ちゃん。仕事ってMIBの」


「だから、はなして。お姉ちゃんは、ある男を尾行してるの実はその男は、みずがめ座のある星から密入星してきた男なの。アレ、どこかに行っちゃった」


「え、ごめんなさい。お姉ちゃん。そうとは知らず……」


「お姉ちゃん、そいつどんなヤツ? あたしも捜すわ」


「あ、いいわよ。あんたたちを巻き込むわけにはいかないから。今のは聞かなかったことにして」


「あ、お姉ちゃん!」

「はやっ。行っちゃった」


「お姉ちゃんは、仕事着の黒いスーツじゃなかったね」

「昨夜配信で観た映画だろう。アレは映画だからじゃないのかなぁ。あんなカッコしてたら、かえって目立つじゃない」

「そうだね、さすがミヤちゃん。『リアル』は、普段着なのね……」


「でも、せっかくココで会ったんだから。お姉ちゃんに協力したいなアヤ」


「そうだね。どこもアトラクション混んでて並ぶの退屈だしね。お姉ちゃん捜そうか」



 まいったな、マジ見失ったわ。

 そうだ着ぐるみキャラクターを捜せばそばに居るかも。


 あの目立たない男を捜すより見つけやすい。

 見まわしてみると、前方に長い首の恐竜キャラが。

 近くまで行って見まわすが、それらしい男は居ない。が、前方の人だかりはナニ? 


「ねえ、アレアイドルグループの……。なんだっけ?」

「フィリアよ。上原ミナミと市川綾乃じゃない」


 フィリア。あの犬上明菜の。

 見てみると、二人ともキャブをかぶりメガネって、変装のつもり。


 まあ彼女たちが居るから犬上明菜が、居るわけでもなし。居たとしても、今は関係ない。


「こんどは……ナニか。と」


「あっちにチーバーマウスが居るよ。ミヤちゃん!」


「それより、お姉ちゃんだろ!」


 ヤバ、またミヤたちだ。


「ねえ、向こうに犬上明菜が居たよ!」


「え、居るの犬上明菜も」


                つづく

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