表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/698

見鳥川緑

17話 見鳥川緑


 東部邸。


「遠慮なく入って、パーティー会場は別なの。ココは兄の自宅。ココで着替えをしてから行くから、お茶でも飲んで待ってて。お志麻さん! この子にお茶を。あ、若いからコーヒーがいいかしら。暑いからアイスがいいわよね」

「アイスコーヒーでいいです」


「お志麻さん、アイスコーヒーね。すぐもってくるから。あ、私は正治の妹で東部夏美(ひがしべなつみ)。大学生よ。あなたは?」

「名前言ってませんでしたね。見鳥川緑(みどりかわみどり)です。姓のみどりは、見る鳥で名前は色の緑です」

「そうミドリちゃんね。あらためてよろしく。着替えてくるわ」


 パーティーだ、Tシャツにジーンズでは、行くないのか。

 ドレスでも着てくるのかなぁ。

 あたしのようなギャル系ファッションでも大丈夫なのかしら?


「どうぞお客様」

「ありがとう」

「ミルクと砂糖はコレを」


 砂糖は液体シロップ、ミルクはポットに。


「いただきま〜す。冷たくて美味しい」


「お客様、コレを乗せてください」

「アイスクリーム! 嬉しい」


 シロップいらなかったわね。コーヒーフロートだわ。


「美味しい……アレ……」




「ダバ、準備はいいかしら?」


「いつでも、大丈夫だ。あの小娘か。いくつだ」

「高校生で、選挙権がないそうだから、十六、七でしょ」


「夏美、やっぱり未成年は気がすすまない」

「弱気ね兄さんは。わたしがうまく、あの子になりすますわ心配しないで」




 ライブ会場前。


「ミドリ来ないわよ、ナニやってんのかしらあの子。栞、連絡は?」

「あたしたちの『次の電車に乗る。』が、最後のLINEよ」

「始まっちゃうわよ、入ろう! ミドリ、チケット持ってるから、後から来ても入れるから」



 

 東部邸の屏の下。


「おかしいわね。あの黒のっぺの男女は、なんであの女のコを中に」

「そうね。あの様子だと、女のコは、拉致されたようには、見えなかったわね」


 しばらくすると。


「あ、ガレージが開くわ」

「女のコと男の黒のっぺが、出てきた」


 黒のっぺと言うが。薫には普通の顔が見えないのか? 

 あの男、資料に載ってる、あの家の持ち主衆議院議員の東部正治だ。出たのは二人。入る時に一緒にいた若い女は、居ない。


 東部が、送っていくのか。来た時の運転手付きの高級車と違う常用車で出た。


「行っちゃたね。どうします愛さん」


 さて、どうするか。


「なんか、変なのよねぇ」

「どうしたの薫さん」

「薫で、いいですよ。あの、帰った女のコ。来た時とオーラ、背光ね。色が違うのよね」


「オーラ、はいこうって?」

「人の体から波しってる光よ」

「その、オーラ。背の光で、はいこうね。て、コトは、今の女のコは別人かしら?」




 ライブ会場近くのカフェ。


 窓際の席に座ると土門栞たち。


「ミドリ、来なかったわね」

「来ても見つけられなかったのかなぁ」


 外をライブ終わりの人たちが帰るのを見ながら。


「あのコ、気まぐれなトコあるから気が変わって来るのやめたんじゃない」

「ないと、思うけどなぁ。チケット買ったんだし。ミドリ、楽しみにしてたよ今日のライブ……。あ!」


「どうしたの栞?!」


「今、外にミドリが」


「え、ドコドコ」


「ないわよね……。だってココ二階だよ。ミドリか見えたのはその窓ガラスの上の方だったの」


「へえ〜栞、それ、まぼろしぃ」



 見鳥川邸。


「緑、あなた今日ライブへ行かなかったの? わたしのスマホに栞ちゃんからLINE入ってたよ。緑が来ないって」

「ただいま。アオ姉。気分が悪くなったから行くのやめたの。わたし寝るわ」


「待ってよ緑、栞ちゃん心配してたからLINEしときな!」



「ホント、あの子帰ってきてから、ちょっと変なのよね。ホントに気分悪いのかしら。あおい、後で部屋覗いてみてね」

「そうね、なんかいつもと違ってたわよね、あのコ」



 翌朝、土門健(どもんたける)のアパートの前。


「おそいなぁ」


 どうしたのかしらミドリ。

 いつもはもう来る頃なのに。

 遅刻しちゃうわ。行くか。

 

 駅への交差点。逆へ行くとミドリんチだ。


 姿は見えない。


「おはよう栞ちゃん!」

「え、あ。おはようございます」


 お父さんの助手の江戸山さんだ。


「どうしたの?」

「あ、いえ、いつも一緒に学校行ってるコが来なくて」

「ああ、あの元気がいい子ね。アパートの前でいつも一緒の」

「はい、彼女です。学校に行く時は大丈夫なんだけど、遊びの時はよく遅れるコで。なのに今日はまだ」

「そうか……アレ、向こうの歩道を行くのあの子じゃない」


「あ、そうだ。ミドリぃ!」


 ミドリは振り向くと笑って手を振り。

 また、駅の方に。


「あれ?」

「あの子、日焼けしたの? やけに色が黒かったわ」

「いえ、一昨日は、いつもと変わらずで色白でしたけど。まさか、昨日日焼けサロンとかで? あの子は日焼けすると赤くなって皮がむけて、そう色黒にはならないタイプよ。黒いだなんて。見間違いじゃ。いつもと変わらなかったわ」

「そうかなぁ、確かに前見た時は色白だったわね」

「あ、ゴメンネ。電車、乗り遅れちゃう。おーいミドリってば待って!」


「あ、なんか前とオーラも違うわね……ナニかあったのかしらミドリ」


            つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ