告られた
156話 告られた
「ごめんなさい」
お昼休み、仮眠室で寝ていたら田守くんに告白された。
「そうですか……」
「どうしたの。急に」
「5階から落ちて、死んでたかも。なんて言われて、考えてたんです。悔いは残したくないと……」
「びっくりして、目が覚めたたわ……。田守くんが好きなのは青沼さんじゃなかったの?」
「あの人は……ボクには大きすぎます」
「まあたしかに。わたしは……」
と、わたしが自分の胸に。
「あ、あの誤解しないで下さい。胸のコトでは……」
「背も大きいよ、田守くんより青木さん」
「背も違います……。なんというか器とか……あ、ごめんなさい。獄門島さんが、器が小さいとかじゃなく」
「まあ、わかるわよ。あの人は、わたしとは違うからねぇ探偵の大先輩だし。ねーなんで年上がいいの? カオルや金田一さんに、モテモテじゃない田守くん」
「べつにボクは年上好みなんて言ったことないと、思うんですけどね。たまたま、好きになった人が年上だっただけで……」
「そう。なら、カオルや金田一さんでも問題は、ないのよね」
「問題って、なんですか? 彼女たちをフッたのは獄門島さんが好きだからです」
「ああ、そう面と向かって言われても。わたしは、田守くんとは……。あのさぁ田守くんって、怖いのよね。付き合ったら……」
「怖い? ボクがですか……なにが?」
「もしかしたら無意識に言ってるのかもしれないけど、人の頭の中、見えるでしょ田守くん」
「うっ、わかりました。でも、たまにです。それも、うっすら……みんなじゃないです。なんでかなぁ獄門島さんは、よく見えるんです」
「そうなの、なんでかな?」
「もしかしたら、好きだから……かも」
「そーゆーの怖いよ。わたしじゃない好きな人が出来たら言わない方がいいよ田守くん」
「無意識に……出ちゃったもんで。獄門島さん。今まですみません!」
「気にしてないから……ハハッ。で、ちょっと部屋から出てもらえるかなぁ。服着たいから……」
「あ、すみません!」
あーびっくりした。告るにしても。
毎日ボクの朝ご飯食べてください。
って、プロポーズだったのかしら?
午後に何か仕事、来てるかしら。と、デスクに戻ると。
「あ、おきたんですね獄門島さん。コレ、仕事のファイルです」
「ありがとう」
「あの、お目覚めのコーヒーは?」
「もらうわ。あ、金田一さん。田守くんにせまるならチャンスよ。彼、フラれたと聞いたわ。カオルが言ってたけど、田守くんは、黒いロングスカートに白いエプロンの昔ながらのメイドさんが好みなんだって」
「え、なんであの人、敵に塩をおくるようなコトを……」
「それ、わたしに言ったの。カオルが」
「昔ながらのメイド服ですか……社長はどう言いますかね……」
「金田一さん、社長の趣味より『好きな人』よ」
「コスプレショップ行ってみます。むかしながらの……。あるかなぁ」
「ああいうの、本格的なナース服とかコックさんの服とか売ってる制服屋さんにあったわよ。銀座かどこかで見かけたわ」
「とりあえずアキバへ行って見てきます」
なるほどアキバか。古巣よね。
それに田守くんの聖地だ。
あれ、なんでわたしキューピットしてんだろう。
『田守くん玉砕の獄門島』の巻 おわり
つづく




