モテ期は続くよ田守くん
154話 モテ期は続くよ田守くん
「ハイ、足上げて……大分上がるようになったわね。ねぇ田守くん、このケガって5階から落ちたのよね。何してたの?」
「それは、仕事上ちょっと……」
等々力さんの話では化け物化した不羅羽木静流に突き落とされたと聞かされたけど。
それはボクが覗き見をしてたからだ。
5階まで登り部屋の中を覗いていたなんて言えない。
「でも、このくらいの骨折ですんで良かったね。ヘタしたら死んでたって」
「ですね。運が良かった……」
「あのさ、さっきの話だけど……。ここじゃまずいか。わたし声大きいからエッフフフ」
さっきの話って、なんだっけ。
リハビリが、終わり部屋に戻ると。
「田守くん、わたしとお付き合いして」
「はあ……毎日リハビリで」
「じゃなくてぇ〜恋人になって」
「あ、そういう……。あのごめんなさい。ボクには好きな人が」
「ああ……。田守くんモテモテだっけ、誰?」
「モテモテって、そんなコトないです。片思いなんですボク……」
「じゃ告白は」
「してません」
「誰なの、あのメイド服のコ、それともロリータの美少女?」
「違います」
「じや、朝のスラッとした背の高い。ちょっと宝塚みたいなお母さん」
「お母さんはやめてください。あの人は、会うたびに違う印象で。ホント、プロフェッショナルです。尊敬してます……」
「ふーん。プロフェッショナルかぁ〜探偵さんよね。みんな。あと、さっきシュークリームくれたメガネのオバさん」
「怒られますよ、さっきもお母さんなんて」
「あの人怖い人なの?」
「いえ、実は怒ったのを見たことありません。さっきはちょっと不機嫌そうな顔で……。あ、それにあの人元テコンドーの選手で高校生の時に全国制覇したと聞いてます。怒らしたら怖いかも」
「人類最強の霊長類かしらエックククク」
「あの人、ほぼメイクしてませんから、あの帽子にメガネ、髪型でちょっと老けて見えますけど、多分大熊さんと歳……たいして違いませんよ」
「そうなんだ……田守くんって、年上好み?」
「どうしてそう思うんです?」
「だって、年下の子二人のことは、なにも言わなかったんだもんエッヒヒヒヒ。おねえさんは年上だよ付き合ってくれる?」
これからまだリハビリが続くのに。
ナニを言うんですか、せっし、しづらくなります。
大熊さんが帰って、夕食までヒマなんでマンガ読んでたら。
「田守さんご飯ですよ」
ヘルパーの美月さんだ。
「今日の夕飯はカレーだよ」
カレーなんて病院では食べれないと思ってた。
大熊さんが言ってたけど、ケガで内蔵とかは異常ないから、何でも食べられる。
そういえば昨日のお昼は焼きそばに半チャーハンと驚いたが。
今夜のカレーはご飯ではなくナンだ。
ん、なんだこのカードは。
『美月より愛をこめて♡』
つづく




