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もう一人の社員

100話 もう一人の社員


「偶然など、ないんだよ」


 等々力さんの声が頭に。

 いや、ちゃんと耳で。


 等々力さんが、田守くんとナニか話してる声が聞こえたのか。



 昨日たまたま会場の前を通った。

 合気道の文字が懐かしかった。


 べつに入場料が取られるわけでもなかったので。入ってしまった。


 なんと、会場で知った名前が流れた。


 獄門島宮。


 久しぶりに聴いた名だった。

 合気道部に入ったのは知っていたが。


 じっくり彼女の演武を見終えた頃に、朝ごはん代わりに食べたスムージーが

 スムージー買って外に出たら残暑きびしい朝が、曇って涼しく。ちょっと寒くなったのをこらえて飲んだ。


 そのせいかな、お腹が。


 ミヤの演武が終わった頃、トイレに駆け込んだ。


 まさか、隣の個室にミヤが、入って来るとは、なんという偶然。


 トイレから出ればアヤと出くわしすなんて。



 昨日、偶然久しぶりに双子の妹たちと会った。 


 またすぐに会うのかも?  

 偶然は、ないのよねぇ等々力さん。


「おはようございます。獄門島さん」


 と、わたしのデスクにコーヒーを置いた金田一。


「おはよう」

「あの、獄門島さんに妹さんいます?」

「いるけど」

「朝のネットニュースで見たんですけど。合気道全国大会で1位になった中学生の子の名前が獄門島宮という名だったんで、もしやと」


 あ、そうなんだ。結果見ないで出たから知らなかった。

 ミヤは、2年で全国制覇したのか。わたしより早い。


「そう、わたしの妹だね。その子」

「やっぱりそうだったんですね! お祝いとかするんですか」

「するんじゃない」


「知らないんですか?」


「実家には帰ってないから、そのへんわからないの」

「そうなんですか……。でも、妹さんスゴいじゃないですか。ああ、獄門島さんもたしか合気道を。それにテコンドーも。オリンピック選手だったっんですよね」


「誰に聞いたの。わたしは選手候補に選ばれたけど辞退したのよ」


「え、そうだったんですか。ごめんなさい。聞き間違いですかね……。社長がぁ」


「社長ね……」


「オハー。お二人さん!」


 八ツ墓村さん。しばらく早かったのに今日は、わたしよりあと。


「獄門島ちゃんて、この世にふたり居たのね」

「なんですか、それ?」

「朝、来るとき見てた新聞に。合気道全国制覇の最年少記録やぶられるって、よく見たらやぶったのが獄門島宮という中学生。同じ苗字じゃない。他にも居たのね獄門島ちゃん」


「あたりまえじゃないですか、わたしにも家族や親戚がいますから」

「あの、八ツ墓村さん。その新聞の子は獄門島さんの妹さんです」

「え、そうなの。おめでとう獄門島ちゃん。妹ちゃんによろしくね」


 と、八ツ墓村さんは手をふって社長室へ。


「相変わらずよねあの人は……」


   プルルル


「ハイ、寿探偵社でございます」


 あ、蔵中さん。


 蔵中暦くらなかこよみ。事務担当の社員で、わたし以上に存在感のない女性だ。

 いつも一番目立つ受け付けに居るのに。


 たまに、ああやって電話をとると存在が確認される。あまり物静かなのでいつ来ていつ帰ってるのかわからない。

 とりあえず金田一の上司なんだが。


「わたし、蔵中さんと会話したの入社初日に社長が紹介してくれたときだけです」


 と、金田一。


「実は、わたしは入社3日目だった。見知らぬ人だと思って挨拶したら、コクリと……会話は、してない。社長は入社した時に、わたしは紹介もされず、自分でコミニケーションとってと……」


 仕事は完璧で蔵中さんが居るから秘書の八ツ墓村さんは、何も出来なくても秘書してる。

 らしい。


「じゃ獄門島さん」


 メイド服の金田一は、戻っていった。今日は忙しいのかしら。


「あの……獄門島さん」

 

 え、蔵中さんがわたしに。

 はじめて?!


               つづく

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