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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 3 (2023.1~12)  作者: 四季


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勇者となった青年、好き放題しすぎたために婚約破棄される。

 魔王を打ち倒し勇者となった青年ブルリー・オズ・レフィットには婚約者がいた。

 しかし、勇者という名声を得てから、彼は変わってしまって。

 生まれ育った村で帰りを待ってくれている婚約者の女性アナのことを彼はすっかり忘れていた。


 そして、彼は複数の女性を食っていた。


 一人は王女。

 国王に直々に頼んで差し出してもらった、美しい姫だ。


 他にも、冒険の中で出会った魔法使いの女性と格闘家の女性、またある酒場で一夜だけ一緒に酒を飲み仲良くなった女性など――多くの女性を彼は愛した。


 しかも、その多くに、子まで宿らせて。


 一人だけを愛する、ということは、ブルリーにはできなかったのだ。


 ブルリーは勇者という名を利用して散々女性たちを弄んだ。そして捨てた。遊んでは捨てる、というようなことを繰り返して。女性の腹に宿った子への責任すらも果たさず、多くの女性を悲しませた。


 そんな彼は、やがて女遊びに飽きると、婚約者アナがいる村へと変えることを選択する。


 しかし彼女は彼を待っていなかった。


「アナ! 帰ってきたぞ!」

「……貴方、随分好き放題していたみたいね」


 アナはしっかりした芯のある女性だ。

 だからこそ、身勝手な男を許せなかったのだ。


 彼女は怒っていた。


「へ?」


 まさかの言葉をかけられ、きょとんとするブルリー。


「聞いたわよ。女性を弄び、子への責任も持たず、好き勝手して、多くの女性を悲しませてきたって。……サイテーね」


 アナの瞳には、ブルリーへの良い感情は少しも滲んでいない。


 むしろ、アナは敵を見るかのような目で彼を見ていた。


 かつては仲良しだった二人。

 けれどももう戻れはしない。

 変わってしまったから、そして、ブルリーがその身勝手な行動によって信頼を壊してしまったから。


「はぁっ!? 何だよそれ!? そんなことしてねぇ!」

「でも事実子を宿らせたりはしたのでしょう?」

「あ、ああ、まぁ……あれはたまたまだよ。女がちゃんと処理してなかったからさ。俺のせいじゃない」

「馬鹿!! 貴方にも責任はあるのよ。……でももういいわ。婚約は破棄します!!」

「なっ……何でだよ!?」

「そういう人は無理だから、それだけよ」

「本命はアナだけだ!」

「そんなことはどうでもいいの。私、やりたい放題して責任もとらないような人は大嫌いよ」


 言われたブルリーはカッとなってアナを殴ろうとして――逮捕された。


 こうしてブルリーは犯罪者となった。


 彼が築き上げてきたものは一気に音を立てて崩れてゆく。

 信頼、良い評価――そういうものは、一度壊れてしまえばもう戻ることはない。



◆終わり◆

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