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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 3 (2023.1~12)  作者: 四季


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良き人と出会えた途端元婚約者になぜか追い掛け回されましたが最終的には消えてもらうことができました。~付きまといは怖いのでやめてください~

 一年前、私は婚約破棄された。

 当時の婚約者であったローラインが一方的に破棄を告げてきて、それで婚約破棄となったのだ。


 そして今、私は、もうすぐ結婚する人がいる。


 その人の名はプロテス。

 彼はとても面白い人で、彼と出会った人生が変わったと思っているくらい私に影響を与えた人だ。


 だが最近悩みがある――それは、ローラインがやたらと接近してきていることだ。


 事の始まりは、プロテスと婚約して間もない頃彼がたびたび私の前に現れるようになったことだった。


 とはいえ初期は「他の男にもう手を出してるんだってね」とか「緩すぎ、あり得ないなぁ」とか言ってくるだけだった。突然私の前に現れては声をかけてくる、というだけのことだった。


 しかし徐々に行動はエスカレート。


 私とプロテスの行きつけの店に泥が撒いたり、歩いていた私に謎の液体をかけたり、二人それぞれの自宅前のポストに傷をつけたり――被害は増えていった。


 そこでプロテスは反撃に出ることにした。


 彼は魔法兵を一人雇ってくれて。

 その力で次に機会があれば反撃することにしたのだ。


「本当にやるつもり? プロテス」

「ああ、やる」

「そんなことをして、復讐されないかしら……」

「大丈夫。こちらには権力があるから」


 明日、私は餌になる。


 私が彼を引き寄せる。

 そしてプロテスのもとへと連れてゆく。


 それさえできれば、私の役割は終わる。


 そこからはもうプロテス任せ。そして、彼が協力を依頼している魔法兵任せとも言えよう。とにかく私にそれ以上の役目はない。


「プロテスの実家に権力があることは知っているけれど……もしかしてそれのこと?」

「そうそう」

「そう……」

「嫌?」

「いいえ! ただ少し心配なの、仕返しされないかって……」


 不安がないわけではない。いつだってそういうものは胸の内にまとわりついているものだ。ただ、それを無理矢理引き剥がすのは簡単なことではない。そもそも、そういうことは、力づくでできることではないのだ。


 ただひたすらに、流れに沿うしかない。


「それなら大丈夫!」

「本当に?」

「ああ、終わればきっと君も納得してくれるはず」

「そう。分かったわ。じゃあ信じる」

「ありがとう! じゃ、頑張ろう」


 翌日、予定通り一人で外出する。


 一応見張りの者はいる。でも隠れて見張ってくれている形。よってほぼ一人。ローラインからすれば私が一人で歩いているように見えることだろう。


「なぁ、あの男ともう別れたか?」


 ほら来た。

 声をかけてきた。


「ええ……ちょっといい?」

「何だ」

「一緒に来てほしいの」

「……何だよいきなり、珍しいな」

「いいから。ちょっとだけ。いいかしら」

「分かったよ」


 こうしてローラインをプロテスのもとへ誘導し――。


「お、お前! まだいたのか!」

「よく来たね、つきまとい男」

「何の用だ! こんなことをして!」

「そう、用だよ。重要な……ね」


 プロテスはふっと笑みを浮かべる。

 どうやらそれが合図だったようで。

 草むらの陰に潜んでいた魔法兵が上級魔法を放った。


「ぎゃ!!」


 雷属性の魔法を生身で食らい悲鳴のような声をあげるローライン。


「ローラインくんだっけ? ここで消えてもらうよ」

「お……おま、え……」

「彼女を怯えさせたこと、絶対に許さないから」


 その後も数発魔法を受けてしまい、ローラインは死亡した。


 彼はもう動かない。

 今や屍。

 地面に横たわるその身体はまるで人形のようだった。


 こうしてローラインに付け回される日々は終わったのであった。


 ――その後、私はプロテスと結ばれ、穏やかな幸福を手に入れた。


 結婚から数年が経ってもなお、私は愛するプロテスと共にゆったりと歩めている。



◆終わり◆

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