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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 3 (2023.1~12)  作者: 四季


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彼は私と別れた後も婚約と婚約破棄を繰り返していたようで……? ~絶望を乗り越えて、私は幸せになります~

 その日、婚約者から婚約破棄を告げられた。


 私は絶望に堕ちた。

 なぜなら彼のことを想っていたから。


 彼との始まりは恋愛ではなかった。親戚の紹介で巡り会った私たち。けれども私は彼を愛していた。共に過ごしてゆく中で、彼へと愛は確かに芽生えつつあったのだ。


 けれども彼は同じではなかった。


 彼は私のことなど想っていなかった。


 その真実を突きつけられて――私は涙をこぼすことしかできなかった。


 どうして捨てたの? どうしてそんなに簡単に捨てることができるの? しばらく婚約者同士として一緒にいたのに。私のことなんて本当に本当にどうでもよかったの? 離れたいくらいだった? 相手を愛していたのは、これから協力してやっていこうと思っていたのは、私一人だけ?


 思考はぐるぐると巡る。


 でもそれは何も生み出さない。

 良いことは特に。


 夕暮れ時、雨が降り始めていた――。



 ◆



 あの絶望の日から数年。

 私は良い人と巡り会えて良い結婚をすることができた。


 今日も夕方から雨が降り始めた。


 思えば、あの頃はよく泣いていたな――そう思って、それから、今ここに在る幸せを噛み締める。


「ただいまー」

「おかえりなさい!」

「急に雨降ってきてさー、濡れちゃったよ」

「大変!」

「大丈夫だけどね。でも、さ。急な雨って、あの日を思い出すなぁ」


 思えば、私たちが出会った日も雨だった。


 対面し緊張しながら街を散策していた夕暮れ時、急に雨が降り出して、店の軒先であまやどりして――そんな中でお互い未来を意識するようになっていって。


 ああ、とても懐かしい。


「そうね。あ、タオル持ってくるから。それで拭いて」

「ありがとー」

「じっとしててね?」

「はーい」


 ちなみに、かつて私を捨てた婚約者の男性は、その後も複数の女性と婚約し婚約破棄しを繰り返していたそうだ。で、ある時それが問題になり、やがて彼には婚約禁止が適応されるようになったそうだ。つまり、同じようなことを繰り返すというふざけた行いをしていたために、誰かと結婚するという未来を完全に失ったのである。



◆終わり◆

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