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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 3 (2023.1~12)  作者: 四季


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男の子を抱いているところを目撃されたために婚約破棄されてしまいました。~この子は本当に私の子ではないのですよ?~

 私は二十歳になったばかりの女。

 最近の悩みは婚約者オルレンが厄介な人なこと。


 そんな私は、ある朝、気分転換に家の近くを散歩していた――すると川から大きな魚が昇ってきて、やがてその口から小さな男の子か吐き出された。


 三歳くらいの大きさの男の子で、透明な羽根が生えている。


 何だかんだで私はその子を拾ってしまって。


 しかも。


「お前、何してるんだ? エリーサ?」


 そこをたままたオルレンに目撃されてしまった。


 彼は男の子を抱く私を見て激怒した。どうやら、私に子がいたと思ったようで。勘違いから彼の怒りの炎は燃え上ってしまったのだ。


「お前! 騙していたのだな!」

「違いますっ」


 とにかく強く否定する。

 そういう勘違いはされたくない。


 私はそこまで股の緩い女ではない。


「ならその子はなんだ! 川から流れてきたとでも言いたいのか!?」

「そうです!」

「はぁ? 馬鹿言うな、いい加減調子に乗るなよ? そんなわけないだろうが!」

「本当です! 川を泳いでいた大きな魚が吐き出したんです!」

「馬鹿! どうかしているぞお前!」


 まぁ、確かに、魚が吐き出したなんて言われても信じられはしないだろう――非現実的な話だから。


 それは理解はできる。

 私だって、多分、自分の目で見ていなければ理解できなかったと思う。


「怒ったぞ! 婚約は破棄だ!」

「待ってください、勘違いです。本当にそうなのです」

「騙しやがって!」

「騙していません! この子は私の子ではありません!」

「うるさいッ!! 何を言っても無駄だ! 今日をもって縁を切ってやる!! 調子に乗った裏切り者女は消えろッ!!」


 こうして私とオルレンの縁は切れた。


 厄介なオルレンとの関わりがこれで終わるなら、それはそれで良いのかもしれない。ただ、重要なところを勘違いされているのが不愉快だ。私はそんなみっともないことをする女ではない。子がいるのにそのことを隠す、なんて。


 その後オルレンに慰謝料請求を起こされかけたが、男の子の遺伝子を検査してもらったところ私のそれを受け継いではいないということが明確になり、それによってオルレンの主張は認められなかった。また、男の子には人間にはない羽根というパーツがあることからも、多くの人たちから子ではないと理解してもらうことができた。


 ただ、私は、何となくその子を育てることになっていった。


 本当に子が生まれたみたいだなぁ、と思いつつ、彼の世話をしていった。


 どのみちあんなことがあった後では恋も結婚もする気にはなれない。

 だから今は育てておくくらいがちょうど良い。



 ◆



 あれから数年、私は、男の子を成人サイズにまで育てきった。


 すると彼は精霊となり「キミを傷つけた者に復讐してくるよ!」と言って旅立っていった。


 それから数日が経ち、オルレンが酷い目に遭ったという話を聞いた。


 何でも、彼は、散歩中に精霊の群れに襲われて激しい魔法攻撃を数十分以上受け続けたそうだ――で、その果てに死亡したそうだ。


 ……あの子の行動だったのだろうか? 謎だ。


 それから少しして、精霊は戻ってきた。

 彼は笑顔だった。

 楽しそうに「これからもずっと一緒に暮らしたいな!」と言ってきた。


 なので私は彼と生きてゆくことにした。



◆終わり◆

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