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婚約者が妹の嘘を信じて婚約破棄してきました。しかも私は北の国の王に差し出されることとなってしまい――けれどもそれは幸せへの道でした。(後編)

「何だそれは」


 ノーザはいかつい見た目のわりに健全な人物なのである。

 それゆえ手を出されることはない。


 だからだろうか、ありのままの姿で自然に接することができる。


「ええと、ですから……ハーブティーです」

「それは聞いたが」

「ではどういう意味です?」

「ハーブティーと言っても色々あるのであろう? 何となくの知識しかないが。詳しくは、何が入っているお茶なのだ?」

「そういうことでしたか。ええと、確か――」



 ◆



「おめでとうございます陛下!」


 私はめでたくノーザと正式に結婚。


 でもそれは私にとって罰などではなかった。

 むしろ嬉しい展開である。


 あの国にいてもきっと幸せはなかっただろう。アシュットは意外と心ないし、ネールにはあれこれ嘘を言われただろうし。そんな辛い目に遭い続けることを思えば、ノーザと歩む道の方がずっと良い。たとえ悪魔のような冷酷な王と言われている彼が相手でも。


「これからは夫婦として共に……よろしく頼む」

「はい……!」


 ちなみにアシュットらはというと、あの後隣国を挑発したために攻め込まれ敵国に拘束され拷問された果てに処刑されたそうだ。

 また、女性であるネールは、敵国のお偉いさんたちに玩具として差し出されたとも聞いている。


 あの国は滅んだ。


 いや、厳密には、隣国のものとなった。


 つまりアシュットら王族には何の権限もなくなったのである。


 王族の多くが苦しまされた果てに処刑され、生かされた者も心身を弄ばれ壊されてしまったよう――それゆえ、今は、アシュットと結婚していなくて良かったと心の底から思う。


 あのまま彼と続いていたら、多分、私も同じような目に遭わされていたことだろう。


 そんな地獄に歩んでゆくこととならなくて良かった。



◆終わり◆

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