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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 3 (2023.1~12)  作者: 四季


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お茶会でおばさまたちの話を聞き、気になってその人に話しかけてみたところ――パートナーになれました!?

「ねぇ聞いたぁ? 近所のお嬢さん、婚約破棄されたんですって~」


 今日は週に一度の婦人たちのお茶会。

 この会は、大抵週末に開催されている。


 参加人数は三人から五人程度といったところだろうか。


「そうなの?」

「エリスさんって人よ、確か~」


 今日の参加者の中では私は一番若い。


 だからあまり言葉を発することはできない。


 基本、年下は目立ってはならないのだ。

 ここにはそういう暗黙の了解がある。


「へぇ」

「可愛らしいお嬢さんよね、彼女。前にたまたま出会った時、荷物を持つの手伝ってくれたの」

「嘘でしょ! 凄っ!」

「驚いたわ、女性なのに素晴らしいわね~」

「でも、そんな素晴らしい人がどうして婚約破棄されちゃったのかしらね」


 何でも、エリスというその娘さんはとても美しい人だそうだ。


 そういえば私も前に一瞬だけ遭遇したことがある。

 確かとても美しいかったような気がする。

 それに、長い睫毛と凛とした立ち居振る舞いが印象的だった。


 ……ぼんやりとした記憶だけれど。


「相手の男が浮気してて責められて、それで婚約破棄されたみたいよ~」

「ええ!?」

「嘘でしょ!?」

「何それぇ、最悪」

「そうよね」


 今度少し声をかけてみようかな、なんて思ったり。


 でも勇気はない。

 だって私は地味な女だから。


 私とエリスとは年は近いはずだれど、雰囲気や立ち位置は大きく違っている。


 ……友達になるのは無理だろうなぁ。


 でも、いつかは喋ってみたい。

 できる限りでいいから。

 本当に一瞬だけでもいいから。


 今度会ったら声をかけてみようと思う。



 ◆



 ――あれから五年が経った。


 驚かれるだろうけど、私は今、エリスとパートナーとなり二人で生活を営んでいる。


 あのお茶会の翌日、すれ違いざまに声をかけてみた。

 かなり勇気がいることだったけれど必死で心臓が破れそうなくらい緊張しながら声をかけたのだ。

 そうして私はエリスと知り合いになった。

 彼女は意外と良い人で、私に対してでも優し気に接してくれたのだった。


 そこから日に日に親しくなっていって、やがて結ばれた。


 ……同性だけれどね。



◆終わり◆

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