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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 3 (2023.1~12)  作者: 四季


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北の国の王女と南の国の王子は婚約者同士でしたが……? ~穏やかに幸せに生きてゆく未来を手に入れました~

 北の国の王女と南の国の王子は婚約者同士であった。


 しかし、清らかな王女とは対照的に、王子はかなりの遊び人であった。


 彼はまだ若い頃から女をとっかえひっかえしており、婚約者ができてもなおそのような行動を改めはせず。好き放題することに罪悪感を抱くことすらない様子であった。


 王女は彼を愛していた。

 だからこそ彼が身勝手に自由奔放に女漁りをする人間であることを悲しく思っていたのだ。


 しかし王子は王女の気持ちなど少しも考えはしていなかった。


 そんなある日のこと、王子は恋人のような関係となっている女性のうちの一人から「婚約者との関係、解消してよ」と言われて流され、王女に対し「婚約を破棄することにした」と告げた。


 大層悲しんだ王女。

 彼女は体調を崩ししばらく城から出られなくなったが、清く真っ直ぐだからこそその宣言を受け入れた。


 北の国には悲しみが広がる。


「どうして、あんな素晴らしい王女なのに」

「身勝手過ぎる」

「散々好き放題しておいて一方的に婚約破棄だなんて最低」


 北の国の民は王子に対して怒りを抱くようになっていった。


 それから数年が経ち、北の国と南の国は色々な問題により険悪になってゆき、やがて開戦に至った。


 もはや王子と王女を結婚させようとしていた二国ではない。


 ――戦争の果て、南の国は北の国の領土となった。


 南の国の王家は滅びる。

 王族は皆拘束され揃って処刑された。


 もちろん王子も、命を落とした。


 二つの国はこうして一つになったのだった。


 その後北の国の王女は近くにある大国の王子と結婚、可愛らしい女性だと多くの人たちから愛されることとなる――清らかな王女には穏やかな余生が待っていた。


「可愛いなぁ、彼女。よくこの国に来てくれたなぁ」

「素晴らしい女性よね」

「まさに王女様! って感じ! ああ、もっと近くで会って話してみたいわ」


 王女は大国でも人気が高い。

 民に写真が高く売れるほどの人気である。


 何があっても真っ直ぐに生きてきた彼女だからこその人気である。



◆終わり◆

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