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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 3 (2023.1~12)  作者: 四季


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惚れた、とか言われ、追い掛け回されて――逃げきれず婚約したのですが、ややこしいことに巻き込まれました。~復讐は祝福の日に~

「君に惚れたんだ! 婚約して、僕のものになってほしい!」


 学園一のイケメンと呼ばれ多くの女子生徒や女性教師から憧れの人とされている青年オーガネットからそんな風に言われたのは、学園を卒業する数ヶ月前だった。


 私は一度辞退した。

 私は貴方に相応しくない、と言って。


 厄介事に巻き込まれたくなかったからだ。


 しかし彼は引いてはくれず。逆により一層アプローチを強められた。手に入らないものほど欲しくなる、というやつだろうか。そうだろう、恐らくは。アプローチは日に日に激しくなっていった。


 で、ついにこちらが折れて。


 仕方がないのでオーガネットからの求婚を受け入れることにしたのだ。


 それからの周囲からの悪口は凄まじいものがあった。

 生徒はもちろん、先生からも。

 ありもしないことを言われたり色々虐められた。


 が、そのうちに卒業が来て、私はその黒い場所から逃れることに成功した。



 ◆



 そんな苦労も知らなかったオーガネットは。


「悪いな、婚約は破棄させてもらう」


 卒業から三ヶ月ほどが経ったある日、急にそんなことを言ってきた。


「いきなりですね……」

「いやもっと好きな人ができてしまってさ」

「私のこれまでの苦労は無視ですか?」

「いやいやそんなの知らないよ、どうでもいい。君のことなんてもうどうでもいいことなんだ」


 オーガネットは柔らかな表情のままだ。


 ……散々巻き込んでおいてそれか。


「じゃ、そういうことだから。さよなら」


 彼はさらりと言って私の前から去った。


 たくさん傷ついてきた。

 彼との婚約のせいで。


 なのにこんな終わり方だなんて……正直どうしても許せそうにない。


 悪いが、復讐させてもらうことにしよう。


 その後私はそういった人とも関係を持っている父に相談し、オーガネットへの復讐を行いたい意思を伝えながら作戦を練った。


「お前のためなら力になるぞ!」

「ありがとう父さん」

「任せてくれ! 幸い、そっち系の知人はたくさんいる!」

「お願いね」


 オーガネットの結婚式には、驚いたことに、私も呼ばれた。


 まさかの展開だった。

 でも好都合で。

 そこで私が動けるなら悪いことではなかった。


 祝いの日を、恥の日にしてやろう――。



 ◆



 結婚式、当日。


「オーガネット様の結婚式だなんてぇ、寂しいわねぇ」

「うちらの潤いだものね~」

「ほんとそうよぉ。悲しいわぁ」


 結婚式の最中、私は、こっそり集めていたオーガネットが新婦ではない女性と深い関わりを持っている動画を投影魔法を使ってモニターに映し出す。


「ええっ、何これ」

「うえ……」

「何じゃこれは、どうなっているんじゃ!?」

「これって……不倫みたいなもの?」

「きっつぅ」

「何よこれっ、酷いっ……!」


 オーガネットは恥をかいた。祝福の場にて罪をばらされて。このうえなく恥をかいただろう。新婦の目の前で、お互いの知人の目の前で、すべてを暴かれて。


「貴方とは結婚しません!」


 新婦はそう言って泣きながら走り去った。


 可哀想な新婦。

 でもまぁそれで良いだろう。


 彼女だってその方が幸せになれるはず。


 捕まっては駄目だ、こんなみっともない男に。


 結婚式は新婦がいなくなったことで中止となった。



 ◆



 あれからオーガネットは塞ぎこんでしまっているらしい。


 だが自業自得だ。


 だってすべて彼の行動のせいだから。


 何もかも、彼の行いが招いたことだ。


 彼自身がきちんとした生活をしていればこんなことにはならなかったのだ――何も嘘で陥れられたわけではない。


 ちなみに、オーガネットの家には、あれからずっと批判の手紙が大量に届いているらしい。

 便箋にあれこれ書かれたようなものはもちろん、封筒の中にごみやら虫やらが入っているものもあったようだ。



◆終わり◆

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