休日、愛する夫と過ごす時間が何よりも愛おしいのです。~のんびりタイムは最高です~
その日は休日だった。
穏やかに晴れた心地よい日。
私は夫であるフィンクスと共にのんびりと昼を過ごす。
「今日はいい天気だね~」
木でできた椅子に座って、意味もなく窓の外を眺めていたフィンクス。彼は白色のカップに注がれたコーヒーを一口だけ飲んで、それからぼんやりとした表情で呟いた。
「そうね」
「天気がいいって素晴らしいな~」
こんなどうでもいい会話が急に始まるのも、わが家ではよくあること――何も驚くようなことではない。
「砂糖取ってもらっていい?」
「ええ。……はい、どうぞ」
「ありがとう~。助かった~。いつもありがと」
「どういたしまして」
休日とは少々退屈なものだ。
でも私は彼と過ごす休日は嫌いではない。
だって、穏やかで幸せ。
刺激はなくても幸福は感じられる。私はそう考えている。もちろん人によって意見は違うかもしれないけれど。でも私は平穏こそが愛おしいと思うのだ。
「そういえばさ、東の角の家の娘さん婚約破棄されたんだってね~」
「そうなの?」
「うん、なんか浮気されてて問い詰めたら破棄されたって~」
「何それこわ」
「でしょー、びっくりするよねー」
彼は砂糖を小さなスプーンですくってカップの中へ入れた。
「でもその婚約者の相手だった女の人、結婚詐欺師だったらしくってさ」
「まさかの展開!?」
「婚約者だった人、結果的に、金を搾り取られて一人になってしまったんだって~」
「ええっ……わざわざ婚約破棄までしたのに……」
私は紅茶を飲む。
これは日常だ。
というのも、私、コーヒーはあまり飲めないのだ。
だから私とフィンクスはいつも違ったものを飲んでいる。
でもそのことが揉め事の種になったことは一度もない。
「彼だけが本気だったんだろうね」
「何それ……怖すぎ……」
「井戸端会議のテーマになってたよ~」
「奥様方は確かにそういう話は好きそうね」
「すっごく盛り上がってたなぁ」
「さすがね」
フィンクスは寛容な人だ。
小さなことでは怒らないし、些細な違いに苛立つこともない。
「今日のコーヒー美味しいね」
「そう?」
「え、そんなつもりじゃなかった感じ?」
「いえ……。ただ、私、いつも味見していないから」
「いつも美味しいよ。でも今日は特に美味しい気がするな~」
「話題が良かったのかしら」
「いやいや! それはちょっと!」
「ふふ、冗談よ」
私はこれからもずっとフィンクスと共に生きていきたい。
美味しいものを飲んで、美味しいものを食べて、そうやって生きてゆけたなら――きっといつまでも幸せでいられるはずだ。
◆終わり◆




