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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 3 (2023.1~12)  作者: 四季


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休日、愛する夫と過ごす時間が何よりも愛おしいのです。~のんびりタイムは最高です~

 その日は休日だった。


 穏やかに晴れた心地よい日。

 私は夫であるフィンクスと共にのんびりと昼を過ごす。


「今日はいい天気だね~」


 木でできた椅子に座って、意味もなく窓の外を眺めていたフィンクス。彼は白色のカップに注がれたコーヒーを一口だけ飲んで、それからぼんやりとした表情で呟いた。


「そうね」

「天気がいいって素晴らしいな~」


 こんなどうでもいい会話が急に始まるのも、わが家ではよくあること――何も驚くようなことではない。


「砂糖取ってもらっていい?」

「ええ。……はい、どうぞ」

「ありがとう~。助かった~。いつもありがと」

「どういたしまして」


 休日とは少々退屈なものだ。

 でも私は彼と過ごす休日は嫌いではない。


 だって、穏やかで幸せ。


 刺激はなくても幸福は感じられる。私はそう考えている。もちろん人によって意見は違うかもしれないけれど。でも私は平穏こそが愛おしいと思うのだ。


「そういえばさ、東の角の家の娘さん婚約破棄されたんだってね~」

「そうなの?」

「うん、なんか浮気されてて問い詰めたら破棄されたって~」

「何それこわ」

「でしょー、びっくりするよねー」


 彼は砂糖を小さなスプーンですくってカップの中へ入れた。


「でもその婚約者の相手だった女の人、結婚詐欺師だったらしくってさ」

「まさかの展開!?」

「婚約者だった人、結果的に、金を搾り取られて一人になってしまったんだって~」

「ええっ……わざわざ婚約破棄までしたのに……」


 私は紅茶を飲む。

 これは日常だ。

 というのも、私、コーヒーはあまり飲めないのだ。


 だから私とフィンクスはいつも違ったものを飲んでいる。


 でもそのことが揉め事の種になったことは一度もない。


「彼だけが本気だったんだろうね」

「何それ……怖すぎ……」

「井戸端会議のテーマになってたよ~」

「奥様方は確かにそういう話は好きそうね」

「すっごく盛り上がってたなぁ」

「さすがね」


 フィンクスは寛容な人だ。

 小さなことでは怒らないし、些細な違いに苛立つこともない。


「今日のコーヒー美味しいね」

「そう?」

「え、そんなつもりじゃなかった感じ?」

「いえ……。ただ、私、いつも味見していないから」

「いつも美味しいよ。でも今日は特に美味しい気がするな~」

「話題が良かったのかしら」

「いやいや! それはちょっと!」

「ふふ、冗談よ」


 私はこれからもずっとフィンクスと共に生きていきたい。


 美味しいものを飲んで、美味しいものを食べて、そうやって生きてゆけたなら――きっといつまでも幸せでいられるはずだ。



◆終わり◆

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