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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 3 (2023.1~12)  作者: 四季


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自分を過剰に可愛いと思い込んでいるかえる顔の妹はその性格の悪さゆえに婚約破棄されてしまいました。

 私の妹ドゥエラは自分を過剰に可愛いと思い込んでいる。


 かえるのような顔の形をしていて、口が過剰に大きく、目玉もぎょろりとしている――いやまさにかえるそのもの、かえるの精のようなのだが――彼女は自分が絶世の美女だと頑なに思い込んでいるのだ。


 ……いや、もちろん、かえるのような顔が悪いというわけではない。


 それは生まれつきのものだ。

 そう生まれてしまったらその顔で生きてゆくしかない。


 ならば前向きでいられる方が良い。


 暗く、己を嫌い、生きてゆくよりかは。


 ただ! 彼女の場合、自信が過剰にありすぎる! ……そして姉である私をやたらと見下げてくるのだ。鬱陶しい絡みをやたらと繰り返してくることもある。そこは嫌いだ! そして不愉快の極み!


「ねーねー、ぶすあね? 聞いてぇ!」

「……何かしら」

「婚約者がねぇ、決まったのよ!」

「え、そうなの」

「あのフィグレ様よ! 乙女たちの憧れの、よ!」


 そういえば、フィグレという名は聞いたことがある。

 あれは誰から聞いたのだったか――確か、同年代同性の友人からだったような気がする。


「凄いでしょぉ?」

「ええ、凄いわ」

「でもぉ、ま、当たり前よねぇ! だってあたし美人さんなんだもの! ねっ? ぶすあねは可哀想ねぇ、素晴らしい殿方に愛されなくって」


 いちいち煽ってくるドゥエラ。

 でも乗ってゆく気はない。

 そんなことをしても気力の無駄だと分かっているから。


「そうね。幸せになってね」


 煽られても相手はしない。


 それは私の誓い。


 ずっと前から、強く固くそう決めている。



 ◆



 ――数年後。


 あれからドゥエラがどうなったか?


 まぁ想像できた結果だ。

 結局フィグレとは途中で話が壊れてしまって結婚できなかった。


 フィグレは、ドゥエラの性格に期待して、婚約したようだった。しかしいざ関わるようになるとドゥエラがプライドの高い自信過剰女だと分かって。それによってドゥエラへの興味を完全になくしてしまったフィグレ、彼は婚約から半年も経たないうちにドゥエラとの婚約を破棄した。


 でも、その後、ドゥエラは壊れてしまった。


 婚約破棄された。

 捨てられた。


 彼女の心は、その事実を受け入れられなかったようで。


 婚約破棄されてからというもの、ドゥエラはずっと理解不能な言葉を叫び続けていた。


 で、やがて、彼女は死を選んだ。


 ある朝彼女が出てこないので部屋へ行ってみると――首をくくっていたのだ。


 ……ああ、もう、あれは思い出すだけでも恐ろしい。


 ただ、鬱陶しいドゥエラがいなくなったことで少し心が軽くなり、私は日々を快適に過ごせるようになっていった。


 そして私はやがて大規模農家を営む家の子息と結ばれた。


 農家の息子と結婚した、といっても、この場合に限っては農業を手伝わされるわけではない。


 なぜなら、彼の家の業務は主に農地や農民などの管理だからだ。


 なにも自らの手で野菜を育てるわけではないのである。



◆終わり◆

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