婚約者が他の女と過剰に親しくなっていたので、消えていただくことにしました。
「はろぉ? あなたがフィッティ様の婚約者ね」
ある日突然私の前に現れたのは、金髪縦ロールの女性。
高飛車そうな顔をしている。
「え。あ、はい、そうですけど」
「おーけい、いいわ。話が早いわ。じゃ、言わせてもらうケド」
「はい」
「フィッティ様から離れてちょうだい!」
告げられて、思わず固まってしまう。
だってそうだろう? 意味が分からないのだ、そんなことを言われても。離れて、って、どういうこと? 婚約破棄しろということか? しかし、彼女と彼の関係も分からないのにそんなことを言われても、困ってしまうばかり。すぐに答える? そんなのは不可能! どうしようもない。
「わたし、彼の子を宿しているのよ」
「えっ……」
「そ! わたし愛されているから。彼との間に新しい命を得たの」
なんてことだ……。
キモすぎる……。
フィッティの行動が……。
「フィッティ様に相応しいのはわたし、だからきっと神様が子を与えてくださったのでしょうね」
「そうでしょうか」
「ええ! そうですとも! その証拠に、貴女には子がいないでしょう」
「いや、まだ結婚前ですから変なことはしませんので」
「まーた! またまたまた! くっだらないことを言いますわね」
この時、私は本格的に苛立った。
――そして。
「ふぅんッ!!」
手首と手首を合わせ、手のひらが向こうに向くようにして、魔法砲を放つ!!
すると彼女は肉塊も残らないくらい飛び散った。
彼女はもう死んだ。
いや、もう、消滅した。
消え去ってしまった。
肉の欠片さえ残っていない――もちろん、腹の子も。
その後私はフィッティのところへ行き、あの女性との件について聞いてみた。するとその話が本当であったことが発覚。また、フィッティとの間の子が発生していたことも事実のようだ。
「知ってしまったなら仕方ない……もう別れよう。俺は彼女を選ぶ、彼女と生きてゆくことにする。だから……婚約は破棄とする」
「え? もうあの女性はいませんよ?」
「な」
「もう消え去ってしまいましたよ?」
「な、何だと!? 一体何が――」
「魔法で吹き飛ばして消滅させましたから」
愕然とするフィッティ。
「次は貴方ですよ、裏切り者さん」
そう、私は彼も消し去ってしまおうとしている。
「――っ、ふううううううんッ!!」
今度はフィッティを消し飛ばした。
しーん、とした空気だけが残る。
「さよなら、フィッティ」
◆
その後私は条件の良い人と結ばれた。
おかげで幸せになれた。
もはや何にも縛られはしない、暗い過去は捨てる。
◆終わり◆




