052 vsレスティ:後編
私が振り下ろした宇宙剣は……レスティの体を両断する前に青い蒸気によって止められていた。
「……!」
「まさか……こんなところで本気を出すことになるとはな」
レスティは青い蒸気を身にまとい、蛇のような形を作り上げた。あの蒸気は私の剣すら止めてしまう。それを全身にまとい、さらに蛇の形にしたということは攻撃性能もあるということでしょう。
脅威度を測るとついに350という数字が叩き出された。もう本気の私ですら死んでもおかしくない数値だ。藤原さんの前で使うつもりはありませんでしたが……魔法主体で戦うしかなさそうですね。
「お前は強い。ここで始末しなければ後々厄介なこととなろう。だから……サファイアエクスプロージョン」
蒼い爆撃が全方位から降り注いでくる。ひとつひとつが致死レベルの犯罪的魔法だ。
「ぐっ……デイジーギア起動:防壁」
もちろんこの防壁で守れるほど甘くはない。島津さんと平賀さんが作ったデイジーギアも、基本的には脅威度100までのことしか想定されていないからだ。想定外に対応するには、私の力を……………………
「どうした! 戦闘中に考え事か!」
ここにはいない、太陽のような笑顔を思い出した。
そうか……もしかしたら!
私は地面を蹴り、宇宙剣を再度握りしめた。
「血迷ったか。ここで特攻とは愚かなりサトウ!」
あの蒼い蒸気は宇宙剣だけでは切れない。しかし……
「これならどうです? マジック鉱石起動! やあっっ!」
「なにぃっ!?」
紫色のオーラをまとった宇宙剣は蒼い蒸気を切り裂き、蒸気でできた蛇を絶命させた。
一か八かの賭けに勝ったのは私のようですね。
私が起動したマジック鉱石は若山さんからお守りがわりに貰ったイプシスのマジック鉱石だ。蛇に与えるダメージを増加させるという微妙な性能ですが、まさかここで活躍するとは。まったく……若山さんには驚かされてばっかりですね。
「くそ、くそくそくそっ! おい、何か言えよ蛇!」
「どうやらあの蛇はあなたの力ではなく、契約したもののようですね」
「貴様……サトウ、覚えたぞ。貴様を殺すのはこの俺だ」
レスティは黒いゲートを開き、さっさと退散するようだった。
「お仲間はいいんですか?」
「どうでもいいさ。死ぬも生きるもあいつの勝手だ」
「最後にひとつ。あなた達のことはなんとお呼びすればいいでしょう」
「……オルトマキナ」
そう言い残し、レスティはオルトマキナへと帰還した。
一度だけため息を吐いて、いつのまにか気絶していた藤原さんの応急処置を行った。もちろん気を失っているので魔法で。
厄介な相手を見つけて、厄介な相手に見つかってしまいましたね。
明日の更新はお休みになります。




