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30 娘とお買い物・・・だったハズなのに


 本日、俺は珍しくレティと二人でお出かけです。シルヴァンの誕生日プレゼントを買いに行きたいんだけど、本人には内緒にしたいから一緒に行ってくれっておねだりされたんだ。もちろん、速攻でOKだよ!

 そんなわけで、ただいま職人街に来ております。なんでも腕のいいペン職人がいるらしい。知らなかった。

 この世界、まだ一般的には羽ペンが主流だけど、万年筆もじわじわと広がりつつある。まあ、職人の手作りだから量産は出来ないしかなり値が張るんで、基本的には貴族向けだけどね。俺は速攻で買ったさ! 羽ペンとか無理メンドイ。

「うふふ。お父さまとお出かけするの、久しぶりだわ」

 隣で楽しそうにニコニコしているレティの可愛い事!

「そうだねぇ。小さい頃はよく連れて歩いたけれど」

 小さいレティを抱っこして、シルヴァンと手を繋いでよく子供たちの物を買いに来たよ。いや、ウチも伯爵家だし、本来なら家に商人呼ぶなりして、自分で出かけることはしないんだけどね? 前世の記憶が蘇ったことも影響しているんだるけど、なんか子供連れてお買い物に出るのが当たり前みたいになったんだよ、俺の中では。で、帰りにケーキ置いてる店によってから帰るの。店で食べていくこともあったし、買って帰って家で食べることもあったし。

 おかげで俺は、変わり者の貴族としてこの辺りの連中からは見られていた。当然だよな、名門伯爵家の当主がとる行動じゃねーもん。

 でもね、そんなことを繰り返していた所為もあって、この辺りは仕事上の付き合い以外にも顔馴染みが多いんだ。それに、二人ともめちゃ可愛かったから行く先行く先で歓迎されて楽しそうにしてた。なんで、この辺りの職人さん達はウチの家族と顔見知りが多い。

「あ、お父さま、ここですわ!」

 レティが指さしたのは、一軒の小さな店。ああ、俺も知らないわこの店は。いつできたんだろ?

 そんな事を考えている間にも、レティが扉に手を掛け……いやいや待ちなさい、お父さんが先に入るから。初めてのお店なんだからもう少し警戒しなさい。

 物怖じしないのは良いんだが、お願いだからもうちょっと警戒心を……! そんなところも可愛いけれど、お父さんは心配だよ!

「あ、いらっしゃいま……」

 カウンターにいた店主らしき髭面の男性がこちらを見て固まったな。なんだ?

「あの?」

 レティが首を傾げて声を掛けている。

 すると、店主らしき男がハッとなった。

「あ、ああ、グランジェ伯爵さま! レティシアお嬢さま! お久しぶりです!」

「へ?」


 え、俺たちの事知ってる? 誰?


 向こうは満面の笑顔なんだが、誰だっけ?

 どうしていい分からずに固まっていると、男がああそうかと呟いて。

「ちょ、ちょっと! 待っててくださいっ!」

 そう言うが早いか、さっと奥へ引っ込んだ。

 俺とレティはどうしていいかわからずに顔を見合わせていたんだが、すぐに戻って来た男が…………ああっ!?

「ジムか!」

「はいっ。お久しぶりです!」

 髭を剃って髪もきちんと整えて出て来た店主、知り合いだった。

「ああ、大きくなったなぁ! 元気そうで何より。いつこっちへ戻ってきたんだ?」

「半年ほど前です。親方に一人前と認めてもらえて、すぐに戻って来てこの店を始めました」

「そうか、頑張ったんだな。知らせてくれればもっと早く来れたのに」

「ありがとうございます。店が落ち着いてからご挨拶に伺おうと思っていたんです」

 がっちり握手して、お互いに再会を喜ぶ。

 このジム、我が家が支援している孤児院出身なんだ。手先が器用で本人も職人になりたいって言ってて、当時はまだ珍しかった俺が持ち歩いていた万年筆に興味津々だったから、俺の信頼する職人に会わせてみたんだよね。そうしたらまあ、トントン拍子に話が進んで、見習いとして雇うと言う建前の元に引き取られていった。オッサンがジムを気に入って、自分の後継者として育てると言い出した時はマジかと思ったよ。腕はいいんだが弟子を取らない事で有名な偏屈おやじだったからさ。

「ジム? ジムって……私とシルヴァンにお揃いのペン立てを作ってくれたジムお兄さま?」

「そうです!」

 嬉しそうに破顔するジムに、レティもようやく思い出したようでぱあっと笑顔になった。

「まあ、お兄さま! お久しゅうございます、頂いたペン立て、私もシルヴァンもちゃんと使ってますわ」

「ああ、あんな拙いモノをまだ使ってくださっているんですか」

 目を細めて嬉しそうに笑うジムに、レティも嬉しそうだ。

 ジムが孤児院を出たのが、七年くらい前。その後もたまに会う機会はあったんだが、一年くらいたった時にオッサンが隣の大陸に行くといきなり言い出してジム共々旅立ってしまい、以来連絡が途絶えていた。まあ、噂で元気にやってる事はわかってたから、心配はしてなかったけどね。あのオッサン、手紙書くとかそんなことしないから。

「いや、それにしても自分で店を出せるようになったのか」

 最後に見たのが十三歳くらいだったから……いま二十過ぎくらいか。すっかりいい感じの青年に成長したな。さっきのむさい姿の時は年齢不詳すぎてホントにわかんなかったけど。

「それにしても、ジム。客商売なのだかもう少し身だしなみには気を付けなさい」

 マジで軽く不審者だったからね。店の中に居なかったら通報レベルだよ。

「すみません。実は締め切りのキツイ仕事を受けてしまって、やっと今朝方終わったところだったんです。本当に、ちょっと前まで寝てたもんで……」

 頭をポリポリかきながらも、その急ぎの仕事ってのを教えてくれたんだけど……ちょっと、とんでもねーな? なんでそんなことになったんだ?

 俺もキレそうだったが、先にレティが切れた。……あれ。レティが切れたよ……ヤバいな。

「なんですの、それ! ジムお兄さまの都合も考えずに、一方的に押し付けるなんて!」

 ぷんすかしているのも可愛いんだけどね、ちょっと落ち着こうか。

 頭をポンポンして宥めつつ、ジムに再度確認する。

「つまり、某貴族からこの最高級品と同レベルのものを指定の色で六本作れと依頼が入ったと。二週間前に」

「はい」

「で、ついでに一本ごとに違う模様を入れろとの指示があった」

「そうです」

「更には締切厳守、万が一にも間に合わなければ代金は支払わないし店も潰す、自分の力をもってすればこんな小さな店を潰すくらいは訳ないと言われたと」

「……はい」


 脅迫だな? 立派に脅迫だよね、それ。

 あ、ヤバイ。顔引きつりそう。どこのバカだよ、そんな依頼しやがったの。


「……聞いてもいいかな」

「なんなりと」

「一本を完成させるのにかかる時間は?」

「平均すれば十日くらいかと。こちらの商品は特殊な加工を必要としますので、どうしても時間が掛かるんです。こっちの安い方ならこの部分は外部委託で在庫もありますから六本くらいなら何とでもなりますけど、こっちは全てを一から自分で作ってるので……加えて指定された個々に違う模様を入れるとなると、さらに時間が掛かります」

「それ、先方には?」

「説明しました。同時並行で作成に入るとしても、さすがに六本は無理なので」

「向こうは何と?」

「店を潰されたいのか、と言われました……」

「…………」


 頭痛い。

 何をどう考えても脅迫でしかないだろ、それはっ! 身分差を武器に無理を通そうなんざ一番やってはいけない事じゃねーか! つーか普通に犯罪だってわかってんのか!?


 マジか無理だ放置できんぞこれは。


 取り敢えず一緒に来ていた護衛の一人に馬車を呼んでレティを連れ帰るように言い、別の一人にはちょっとお使いを頼んだ。

 馬車が来るまでの間にレティは本来の目的である万年筆を購入。理想の一本が見つかったようで、綺麗にラッピングしてもらってほっくほくな顔をしてたよ可愛いなっ。

 その後も割と時間あったので、迎えが来るまでそのままジムと懐かしそうにお喋りしてた。そうそう、レティが結婚したことは知ってたらしく、おめでとうと言ってもらってテレテレしてたウチの子。ホント可愛いマジ可愛い!

 しばらくしてお迎えが到着したのでレティには先に戻ってもらったんだが……いや、自分も残るとか言い出してどうしようかと思ったんんだけどね。ジムがいい感じに誘導して帰るように促してくれたよ。一方の俺は、詳しく聞けば聞くほどにだんだんとイライラが募って来てましたが。


 せっかく久しぶりにレティと買い物に出たのに何してくれんだよマジで。人の楽しみ奪いやがって。


 マジ許さん。つーか、職人が丹精込めて作り上げた物に対して敬意も対価も払わないとかあり得ないから。職人の端くれとしてもその辺り含めて許せんな、その依頼者。

 俺? 俺はこのまま待機。件のおバカさん、今日取りに来るって聞いたからこのまま立ち会うよもちろん。何処のどいつかしっかり顔拝んでやる。お使いに出した護衛が戻って来て、知り合い数人が来てくれると伝言を預かって来たので、どうなる事やら。

 そのままジムと懐かしい話をしていると、俺の知り合いが先に到着。一応ね、万が一に何か起こった場合に俺に非がないという事を証言して貰う為の証人として呼んだんだけどさ。ウチの護衛だと身内だから、それ以外って事で来てもらったんだけど。


 うん、声かけてないお方まで来ているのはなぜかな。


 思わずお使いに出した護衛を見るも、激しく首を横にぶんぶん振ってる。まあ、そうだよね。どう考えても勝手に来た感じだし。

 ただ、ね?

「あの……団長、仕事は大丈夫なんですか?」

「終わらせてあるから気にするな。いまの私はただの野次馬だ」

 野次馬って言った。野次馬って言ったよこの人。

 しれっと商品見て回ってるけど、本当に相変わらずだな!

 まあ、予想外に人数増えたけど、みんな私服で来てるのでただの客にしか見えないだろう。……多分。

 そして、それから間もなく例の依頼人とやらが来たんですが。

 俺含めて数人、顔が引きつったのは仕方ないと思うんだ。いや、だってなぁ? コイツの娘がやらかした昨年のアレコレはここにいるほぼ全員、知ってるし。

「来てやったぞ! 品物は出来てるんだろうな!」


 うっわ、偉そう。


 思わず声に出しそうになったけど、我慢。何とか堪えた。

 しかし、なんでバロー男爵? 依頼者ってバロー男爵だったわけ?

 ジムがびくびくしながら品物をカウンターに並べると、男爵がペリーヌ嬢を呼んだ。いたのかよ! レティ、帰らせて正解だったなコレ。

「どうだ?」

 聞かれてバロー嬢は手に取り……頷いた。

「うん。素敵。これならうまくいくと思うわ」

「そうかそうか。おい店主」

「は、はいっ」


 マジで偉そうだな、このジジイ。


 口を挟みたいのを我慢しつつ、まだ様子見。決定打を口にするまでは我慢我慢。

 どうやらバロー嬢が依頼人らしいな。あの様子だし、恐らく攻略対象に関わる事かな。丁度六本だし。何をしようとしているのかは知らねーけど。

 しっかしまあ、周りに本人以上の爵位を持つ連中がこれだけいるってのに、気づいてねーな? 社交してないのか? 団長なんか本当に色んな意味で有名人だし、かなり顔も知られてんだけどなぁ。

「娘が気に入ったようだから、代金は払ってやる。受け取るがいい」

 そう言って、男爵がカウンターに置いた金額。


 ……おい。一本分の値段にも届かねーじゃねーか!


 マジで何考えてんだコイツと思いつつも、まだもうちょっと様子を見ることに。

「あ、あの……これでは一本分のお値段にもなりませんが……」

「なんだと!」

「こちらも、商売です。正当な報酬をお支払いいただけないのであれば、品物は、お渡しできません」

「貴様、わしを誰だと!」

 激昂する男爵に怒鳴られて、ジムがビクッと身を竦めて……そろそろかな。

「誰であろうと品物の代金を支払うのは常識ですよ。あまり恥かしい真似はなさいませんよう」

 俺がそう声を掛けると、男爵がこちらを見てバカにしたように笑った。

「若造が偉そうに。いいか、わしはな」

「存じておりますよ。ピエール・バロー男爵」


 本当に、嫌と言うほどな。


 多少の嫌みも込めてそう言うと、男爵はいかにも気に食わないと言った顔をしていたが、隣にいたバロー嬢が小さくあっと声をあげた。不本意だが君はさすがに俺の顔、覚えているよね。

「うん? なんだペリーヌ。知り合いか?」

「あ、あの、学園で臨時講師をなさっている……」

「講師? はん、講師風情がわしに楯突くと言うのか。まあ、いい。名前くらいは聞いてやる」

 大丈夫かな、この御仁。あの学園、講師であっても爵位持ちやその家族が大半なんだが。特に魔法科。中には家が侯爵家とかいるからね?

「これは失礼を。私はルシアン・グランジェと申します。こうして言葉を交わすのは初めてでしょうか。どうぞお見知りおきを」

 そう言いながらにっこり微笑んでやれば、さすがに俺が誰か分かったらしい。何度かガッツリ抗議させてもらってるからな、目に見えて顔色が悪くなったわ。

「ああ、ご令嬢とは学園で何度か顔を合わせたことがありますよ。随分と独創的な思考回路をお持ちなようですね。男爵の教育の賜物でしょうか」

 嫌味を含めて尋ねれば、まわりで数人吹き出している。

 今のは意訳すると、【お前の娘、常識の欠片もないんだけど、どんな教育してんだよ】ってな感じですな。

 さすがにここまで言えば通じたようで、先ほどまでの高圧的な態度はどこへやら、冷や汗をダラダラ流しながら必死に取り繕おうをしているのが見て取れる。まあ、そんな事を許す程、俺は甘くないよ。

「それにしても、こちらの店主に対して随分な物言いですね。品物を購入するのであれば正当な対価を支払うのは当然かと思いますが?」

「そ、それは、その、もちろんです」

「しかも聞いていた範囲で判断すれば、特注品でしょう。通常の品物より値が張るのは当たり前ですよね」

「そう、ですね」

「では、先程提示された金額は間違いであったという事でしょうか」

「は、はい」

「正当な報酬を支払う意思はあるということですね?」

「も、もちろん、です!」

「では、正当な報酬をお支払いください。先程の発言がある以上、私が見届けさせていただきます」

 さっさと支払えコノヤロウと促すも、男爵の顔色はどんどん悪くなるばかり。恐らく持ち合わせがないんだろう。予想はしてた。

 やはりコイツ、最初から踏み倒す気だったか。ジムから話を聞いた時点でそんな気はしてたんだが、マジでふざけてんな。よくこれからハロルドみたいな堅物が生まれたな、母親に似たのかねアイツは。

 でもまあ、こんな姿を見るとさっさとハロルド一家をバロー家から引き離しておいてよかったわ。このジジイにとってはこれからが地獄だろうがな。

「あ、あの」

 どんどん顔色の悪くなるバロー男爵に何か感じたらしいジムが声を掛けて来た。

 話していいか的な感じで視線を送ってきたので、頷く。

「ご注文の通りに作れたとは思いますが、特殊加工の過程で特殊な塗料を使ったので、お値段がこれよりもかなり跳ね上がっているのですが……」

 あら、それは。

「なんだと!? それでは約束が違うではないか!」

「は、はい。ですので、今回は無理にお買い上げいただかなくても……」

 あ、なるほど。穏便に帰らせようとしてるのか。

 でもまあ、あながち嘘でもないんだろうな。きちんと最初に提示した金額を払う姿勢を見せていれば、普通に売ってたんじゃないかと思う。

「ふ、ふん! そう言う事ならこちらとしても願い下げだ!」

「え? ちょ、ちょっと、お父さま!」

「いいから! 行くぞ!」

「ええっ!? だって、あれは、あれがないと攻略が」

「また代わりになりそうなものは捜してやる! いいから帰るぞ!」

 ごねるバロー嬢を強引に引きずっていくバロー男爵。一刻も早く逃げたいのはわかるんだが、さすがにその引きずり方はどうかと思うよ? バロー嬢、ケガしてなければいいけど。

 さて。静寂が戻った店内。

「前に、ルシアンがハロルドを除籍させてから絶縁を、なんて言い出した時は大げさだなと思ったけど……」

「大げさでもなんでもなかったな。アレはダメだわ」

 うんうん、そうだろうそうだろう。正解だったろう、さっさと縁切らせて。

 この先、バロー家は没落待ったなしだからな。さっさと縁を切らせておいて正解だったよ、さすがにアレにハロルドを巻き込みたくはない。気の毒すぎるわ。

 俺がそんな事を考えている間にも、団長がカウンターに並べられた万年筆を興味津々な顔で見ていた。

「……中々に見事な作りだな」

「ありがとうございます」

 褒められて、てれっとしながら礼を言ってるジム、その笑顔が小さい頃の笑顔と重なる。本当に笑顔の可愛い子だったけど、今も変わんないね。

 ……俺も年取ったってことだよなぁ、こんなこと思うなんてさ。

「うむ、実に素晴らしい。どうだろう、これらを私に売ってはもらえないだろうか」

「「え?」」

 多分、その場にいた団長以外の全員の声が重なったと思う。

 いや、別に団長が欲しいなら好きにすればいいけど……六本もどうする気だ?

 そんな事を思いつつ見ていると。

「ルシアン、これに付与魔法は使えるか?」

 付与魔法?

 何する気だ?

「ちょっと見せてください。……ああ、出来そうです。ジム、これ、塗料に魔石使ってるだろ」

「え? なぜわかったんですか?」

 びっくり顔で聞いてきたけど。

 そりゃ、俺は見慣れてるからね。

「それ、師匠の知り合いの魔道具職人さんに教えてもらったんです。女性なんですけど、とても腕のいい職人さんで」

「は?」

 ちょっとまって、その職人って。

「え? まさかミサキに教えてもらった?」

「あれ、ご存じなんですか? そうです、ミサキさんです」


 うわ、マジか! 別大陸だっつーのにこの偶然、世間は狭いな!


 俺とミサキの関係を話すとジムも驚いていたが、意外にも団長たちもミサキの名は知っていたらしい。最も魔道具職人としてではなく、神聖国の聖騎士としての名声だが。

 ミサキが最年少で聖騎士の資格を得た時はこちらでもずいぶんと話題になっていたらしいよ、俺は全然知らなかった。ついでに俺の友人だと言ったら偉い驚かれた。

 あ、ペンは団長が全部買い取ってくれたよ。何すんのかと思ったら、俺の後任を引き受けてくれた連中と、辞めるときに何かと協力してくれてた連中がまとめて出世したから、そのお祝に渡すんだってさ。

 まあ、何にせよヒロインの企みと言うかイベント的なモノは、取り敢えずは潰せたと思って間違いないだろう。


 本当に、もう……さっさと諦めてくんねーかなぁ……



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