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*閑話* シルヴァン

本日、2話目。

時系列的には、卒業式の少し前になります。


 私がグランジェ家に引き取られたのは、五歳の時。

 生家の侯爵家で次男として誕生した私には、年の離れた兄が一人いた。

 この兄が、勉強だけは出来る人だった。

 当時、学園に通っていた兄は、常に成績は上位をキープ。ただ、魔力が少なかったのと運動神経は平均以下だったので総合評価になると上の下といった位置にいた。

 まあ、それでも両親からしたら優秀な出来の良い息子だったようだ。


「お前はこんなこともわからないのか!」


 その兄と比べられ、こんな罵声を浴びせられるのは日常茶飯事だった。

 今だったら、十七歳の兄と五歳の自分を同列に見るその異常さを疑問に思っただろうが、当時の幼かった私にはそんな事を考える余裕すらなかった。ただ、どうすれば叱られずに済むのだろうかと考える日々だった。


 褒められたことなどない。

 可愛がってもらった記憶もない。

 ただ、いるだけの存在。


 それが当時の自分だった。

 誰に望まれることもない、疎まれるだけの存在。

 次第に、どうして自分はここにいるのだろう、どうして生まれてきたのだろうと言う考えが自分を支配していった。いらないなら捨ててくれればいいのに、と。


 そんな考えに押しつぶされそうになっていた時、自分を引き取ってくれたのがグランジェ家だった。


 あの日、迎えに来てくれた父上……グランジェ伯爵の姿は今でも鮮明に覚えている。

 その日は訳も分からないままに朝早くから起こされ、今まで一度も着たことが無い上等な服を着せられて。

 連れていかれた部屋に、その人はいた。


 ルシアン・グランジェ伯爵。


 由緒あるグランジェ家当主にして近衛騎士団長の補佐官としても有名な人物だった。屋敷から出ることを許されず、碌に外に出たことが無かった当時の自分でさえ、知っていたほどの有名人。

 漆黒の髪にブルーグレーの涼し気な瞳が印象的な美丈夫。国内どころか大陸でも屈指の実力者として名高い騎士だ。

 伯爵は私を見るとそれは綺麗に微笑んだ。ゆったりとした足取りで近づいて来て、屈んで私と目線を合わせてくれた。

「こんにちは。私はルシアン・グランジェ。君の名前を教えてくれるかな」

 優しい声で促されて、自然と答えていた。

「シルヴァン」

「そう。シルヴァンと言うんだね。よろしく、シルヴァン」

 そう言って優しく頭を撫でてくれた手が、とても暖かかった。



 それからしばらく、両親と伯爵で話をしていた。

 話し合いの最中、なぜか伯爵は私を自分の隣に座らせて、時折こちらを見ていた。まるで、大丈夫だよと言っているかのように、頭を撫でてくれていたので、ずいぶんと気にかけてくれているのだなという事は伝わって来た。ただ、こんな扱いをされることが初めてだった私は、言葉に出来ないむず痒さのような物を感じていたが。

「では、条件としてはこの辺りで構いませんね」

「……仕方、あるまい」

 話が終盤に差し掛かった頃、伯爵からの確認に父が苦虫をかみつぶしたような顔をしていたのが不思議だった。話の内容から、なんとなくこの家の経済状態がよくないらしいことは察せられたが。

「ご不満なら別を当たりますか? 私は一向にかまいませんが」

「いや、大丈夫だ。問題ない」

「そうですか。では、こちらの書類に署名をお願いします」

 テーブルに並べた書類に署名するよう促す様子は、穏やかなのに有無を言わさない迫力があった。

 爵位的には、こちらが侯爵家で立場は上だ。しかし、どう見ても力関係は伯爵に傾いているように思えた。終始、穏やかな言動なのに、逆らえないような何かを子供ながらに感じていた。

 伯爵は父が署名した書類を一枚一枚確認し、一緒に来ていた部下らしき人に渡していた。

 それからも少し話をしていたが、最後に私を連れ出す時、両親に向けてきっぱりとこう言った。

「本日より、この子に関する全ての責任と養育権は私に移行されました。今後一切、この子に関わらないようにお願いしておきますね。ああ、そうそう。後で人を遣りますので、この子の持ち物はすべてこちらにお送りください」

 笑顔ながらもかなりの圧に、両親はどこか悔しそうにしながらも、やや顔を青くして頷くだけだった。


 あの高圧的で威張り散らしていた両親が、伯爵を前に顔色を変えて小さくなっている。


 その姿に驚いている間に、抱き上げられて部屋を後にして。

 外に出ると、そのまま馬車に乗せられて。

 そこで初めて、この人が自分を引き取ってくれたことを知った。

「すまないね、強引に話を進めてしまって。君の意見も聞かずに悪かった」

 そう謝罪してくれた姿が、今でも印象に残っている。

 そんな事を言われるなど、思ってもいなかったから。

 もっと驚いたのは、その後に続いた言葉だったけれど。

「今日から君は、私達と一緒に暮らすことになる。何れ君には私の後を継いでほしいと考えているんだ」

 正直、この人はなにを言っているんだろうと思った。

 だって自分は、あの家ではいらない存在だったから。


 誰にも何も期待されていない、ただのお荷物。


 自分は、そういう存在だと思っていたから。

「どうして、ですか?」

「うん?」

 尋ねた私に、伯爵が首を傾げた。

「どうして、ぼく、なんか」

「ぼくなんか、というのは良い言葉ではないね」

 そう言うと、優しく微笑んで。

「でも、そうだね。いきなりこんなことになって、戸惑っているよね」

 私は素直に頷いた。

「実はね、私の奥さんが以前から君の事を気に掛けていたんだ」

「おくさん?」

「そう。私の奥さん。君のお母さまの従姉妹なんだ。まあ、私自身も君のお父さまとは遠い親戚になるんだけれどね。だから以前から親戚としての付き合いがあったんだけれど、その中で君の事を色々と聞いたそうだよ」

 そう言って優しく頭を撫でてくれるのが心地良かった。

「私たち夫婦には娘が一人いるんだけど、息子はいないんだ。だから君の話を聞いた時、是非とも我が家に来てもらいたいって思ったんだよ」

「……どうして?」

「なにが、どうして?」

「だって……いつも、おこられるから。にーさまはできるのに、なんでおまえはできないんだって」

 そう言って俯いた私に、伯爵は首を傾げた。

「? ねえ、シルヴァン」

「はい」

「君のお兄さんは、いま十七歳だよね?」

「そうです」

「君と、お兄さんの小さい頃とを比べて言われたのかな?」

「ちがいます。いまのにーさまです」

 正直に答えたら、伯爵がきょとんとした。

 それから微妙に顔を顰めると小さな声で、『十七と五歳を同列に見て比較って、バカなのか』と呟く声が聞こえた。

 それからコホンとひとつ咳ばらいをすると。伯爵は私を見据えた。

「いいかい、シルヴァン。君はまだ子供なんだから、出来ないことがあるのは当たり前だ。でも、それが悔しいと思う気持ちが少しでもあるのなら、これからいろいろな事を学びなさい」

 びっくりした。だって、あの家で自分にそんなことを言ってくれる人はいなかったから。

「たくさん勉強して色々なことを覚えれば、きっと出来ることが増えてくる。君にはたくさんの可能性があるんだよ」

 そう言って、また優しく頭を撫でてくれる手が嬉しくて。

「でもね、今はまだ疲れているだろう? 少し休んで、まずは元気にならないと。元気になったら、一緒に頑張ろう」

 優しく諭すように言われて。

 こんな自分を、この人は本当に必要としてくれているんだとわかって。

 込み上げてくるものを我慢できずに俯いたら、伯爵は膝の上に抱き上げて抱きしめてくれた。

「我慢しなくていいんだよ。泣きたい時は泣きなさい」

 背中を優しく叩かれて。

 もう、堪えられなかった。

 記憶にある限り、あんなに声をあげて泣いたのはあの時だけだ。

「今までよく頑張ったね。もう大丈夫だよ、これからは私が守るから。だから、ゆっくりでいい。家族になっていこう」



 あの時、父上から言われたことは今でも一言一句、忘れずに覚えている。

 そして、引き取られて初めて自分の置かれていた環境が異常だったのだという事に気づかされた。それくらい、私の感覚は麻痺していたらしい。

 私を迎え入れてくれたグランジェ家で、優しい両親と可愛い妹分が出来た。

 生まれて初めて家族というものを知った私が、私を受け入れてくれた家族を好きになるのに時間はかからなかった。

 だから父上から正式に養子となるか男爵位を得て自分の後見を得るかどちらがいいかと聞かれた時、迷わずに男爵位を継ぐことを選んだ。当時まだ幼かった自分ではあったが、養子になってしまうと何れはレティと離れなくてはならなくなる時が来るとわかっていたから。その時すでに、私にとってレティはかけがえのない存在となっていたから、どうしてもそれは嫌だった。

 父上は、私がそう言いだすことを予想していたようだ。男爵位を継ぐ、レティをお嫁さんにしたいと言った私に、しっかりと勉学に励むことを条件に認めてくれた。手続きもすぐに進めてくれ、私が正式に男爵位を継ぐと同時にレティとの婚約も正式に結ばれることになった。


 本当に、父上には感謝しかない。


 子供の言う事だ、適当に言いくるめて誤魔化す事だって出来ただろうに、父上は私を子ども扱いせず、色々と起こりうるだろう事をきちんと説明してくれた上で私に選ばせてくれた。

 グランジェ家に引き取られていなかったら、私は人間らしさなど欠片もない冷血漢に育っていただろう。誰も信じず、誰も受け入れず、人の温もりなど知らずに一人でいる事を選んでいたと思う。


 そんな自分が、こうして無事に学園を卒業することが出来たのもすべては支えてくれたグランジェ家のおかげだ。

 これからは自分が父を、母を支えていけるようになりたいと思う。グランジェの両親から受けた恩を、少しでも返していきたい。愛しんで育ててくれた、大切な両親の為にも。レティシアという最愛を、私に託してくれた信頼に応える為にも。


 今度は、私が守れるように。



 **********



 本日、王宮へ来ているシルヴァン。

 実はこの春から、近衛騎士の見習いとして王宮通いすることが決定している。

「そういえば、ルシアンに話したのか?」

 尋ねてきたのは、王太子リオネル。

「いや、まだだ。今夜話すつもりでいる」

「なるほど」

 返事をしながら、ちらっとシルヴァンの様子を見る。

 ルシアンにとって、シルヴァンは可愛い可愛い息子だ。養子縁組しているわけではないし、厳密には父親ではなく後見人だが、当たり前のように父と呼ばせている。シルヴァンもそう言った事情を理解しているが生家の事は完全に捨て去り、グランジェ伯爵夫婦だけが自分の両親だと言って憚らない。親として慕っているのは自分を育ててくれたルシアン達だけなのだ。

「うん、お前がルシアン大好きなのはわかってるから。頼むから落ち着け」

 今日はリオネルに呼ばれて王宮へ来ていたシルヴァン、そこで嫌なモノと遭遇して機嫌は急降下中。やっとの思いで口説き落として自分の側近となる事を約束してくれたシルヴァンの機嫌を損ねたくないリオネル、速攻で原因を排除した。ついでに言えば、シルヴァンの機嫌を急降下させた連中に対して、密かに怒り心頭だったりする。

「なぜ、奴らがここにいたんだ」

 不機嫌を隠さないシルヴァン。今日はリオネルの友人として招かれている上に、ここはリオネルの私室。言い方に遠慮がない。

「侯爵の甥が王宮の下級文官として勤めている。そいつを訪ねるという名目で来たらしい。きっちり処分するよ」

「下級文官がこんなところにいるはずがないだろう」

「全くだ」

 完全に侮蔑を込めた目で侯爵たちが連れて行かれた方を見ているシルヴァン。そこに、肉親の情など欠片も存在しない。

 シルヴァンの事情は、社交界では有名だ。名門グランジェ家の跡取りとして引き取られたこともそうだが、シルヴァンが社交界デビューを果たすと、侯爵夫妻がシルヴァンに近づいた。このころには既にシルヴァンの優秀さは広く知られていたので、取り戻して侯爵家の跡取りにしたかったらしい。だが当のシルヴァンはそれを完全に拒否、その上で生家での扱いを暴露したのだ。ついでに、グランジェ夫妻には本当に大切に育ててもらった、自分にとって両親と呼べるのはあの二人だけだと言い切ったものだから、大変。

 カンタール夫妻はそんなのは嘘だ、シルヴァンは無理矢理連れて行かれたんだと周囲に訴えたものの、カンタール家が年の離れた次男を人前に出さなかったのは当時から有名な話だったので誰も信じず、逆にシルヴァンの生々しい証言から虐待されていたのだと察した周囲が、カンタール家から距離を置き始めるのに時間はかからなかった。


 それが、三年前の話である。


「しかし、まだ諦めてないのか」

 呆れ気味にリオネルが呟く。

「諦めるどころか、勝手に縁談を組んで私を跡取りとして侯爵家を継がせると、貴族院に届けが出された事もあったらしいぞ」

「は?」

「父上から聞かされた時は、本気で意味が分からなかった」

「聞いている私も意味が分からない」

 疾うの昔に手放した息子を、自分たちの思い通りにできると考えているのだろうか。そもそも、シルヴァンをカンタール家の跡取りとするには、障害がいくつもある事を理解しているのだろうかとリオネルは疑問を思わざるをえなかった。

 まず、シルヴァンは正式にグランジェ家の後継として届け出が出されており、それは貴族院に受理されている。

 次に、カンタール家の跡取りとなるのであれば、当然の事ながらカンタールを名乗らなければならない。だが、シルヴァンはすでに男爵位を持っていて、その男爵位は元はルシアンが個人的に得たもの。故に、継承した時に家名をグランジェに変更済みとなっている。つまり、シルヴァンはどこぞの令息という立場ではなく、名だけとはいえ男爵家当主なのだ。カンタール姓に戻すことは簡単ではない。

 そして、何よりも本人の意思。断固拒否の姿勢を崩さないシルヴァンは話し合いの席に着く事すら拒否しているのだから、いくらカンタール家側が望んだとしても、どうしようもない。

「まあ、あの家も嫡男が廃嫡となったから焦っているんだろうが」

「だからといって、今更私に期待を寄せられても迷惑だ」

「本当に。グランジェの跡取りを横取りしようとは」

 ぽつりと呟かれたリオネルの言葉に、聞こえていたらしいリオネルの従者や護衛たちが一斉に頷いた。

 名門グランジェ家の跡取りというのは、何かと注目を集める。ましてやシルヴァンは直系ではない事から、当初は反対も多かったのだ。だが、引き取ってくれたルシアンの期待に応えたいと努力に努力を重ねてそんな反対意見を吹き飛ばし、グランジェ家跡取りの座を周囲に認めさせた。そして、ひたむきに頑張るシルヴァンを優しく見守り、時に厳しく、甘やかす所はとことん甘やかして育て上げたのがルシアンだ。ルシアンあってこその今のシルヴァンである。


 2人は私室でしばらく雑談を楽しんでからリオネルの執務室へ移動し、今後の流れをざっと決めることに。

 近衛騎士団への入団は決定事項として、一定期間を見習いとして努めなければならないので、その調整だ。

「私としては、学園の臨時講師と並行してこちらに来てもらい、見習い期間を二年で終了させてもらうのが理想だな」

「出来なくはないが……レティの送迎は譲れないぞ」

「わかってる。そもそも、あんなおかしなのに目を付けられているんだ、そこは最優先でいい」

「父上の手伝いがない時であれば、レティの授業中はこちらへ来れる」

「わかった。レティの授業スケジュールを出せ、内容次第では側にいた方がいいだろう。それを考慮した上で予定を組む」

 二人で確認しながらあーでもないこーでもないと意見を交わしつつ、取り敢えず一学期分の予定を組み終わったところで休憩に。

 従者にお茶の用意をさせ、他愛のない会話を楽しむ。学園に入ってからの付き合いな二人ではあるが、基本的に馬が合うようで今や親友と呼べる仲になっていた。

「しかし、あの令嬢にも困ったものだな」

 会話がひと段落したところで、リオネルがぽつりと呟く。

 あの令嬢とは、ヒロインことペリーヌ・バローの事。昨年、彼女が入学してからも色々とあったが、卒業しても巻き込まれることになろうとは思ってもいなかったリオネル。レティから、婚約者であるオレリアも巻き込まれているかもしれないと聞かされた時は生きた心地がしなかった。

「あれ程に言葉が通じない相手は初めてだ。未知の生物を相手にしている気分だよ」

「未知の生物って」

 シルヴァンのあまりの言い様にリオネルが苦笑する。

 ただ、そう言いたくなる気持ちはわからなくもない。言動があまりにも一方的で、基本的にこちらの言葉は届かない。いや、届かないというよりは、あちらの望んでいることを口にしない限りは聞き入れないと言った方が正しいのかもしれない。

「なんと言うか……特に目の敵にされているレティが一番の被害者ではあるんだが……あまり被害を受けていないよな?」

「クラスメイトが協力的で助かっている」

「……まあ、庇護欲を刺激されるか。あの子は」

 何かを思い出したらしいリオネルがぽつりと呟いたが、シルヴァンはすまし顔でお茶を飲んでいる。

 基本的には誰に何を言われてもあまり反論することが無いレティシアだが、別に気後れしているとか気が弱くて反論できないというわけではない。面倒だから相手にしていない事が大半だ。要は、相手にしない=どうでもいい相手、という事でもある。ただ、そのやり過ごしている時の様子がきょとんとしていて、気圧されて反論できずにいるように見える為、見ている人間が見かねて割って入ることが多い。

 レティシアのこういった性格は、家族や親しい者はわかっているので基本的には放置だ。シルヴァンでさえ、手助けが必要な時以外は様子を見るに留めている。それは、反論しなければならないような事に対してはきっちり意見を言える子なのを知っているからだ。

「別に気が弱いわけではない」

「まあ……弱くはないな」

 リオネルもシルヴァンと親しく付き合うようになり、レティシアの性格は今や熟知していた。

「そもそも、グランジェの直系が大人しいはずなかろう」

「そうなんだが」

 きっぱりと言い切るシルヴァンに、リオネルが微妙な顔をする。

 幼い頃から一緒に育ったシルヴァンにしてみれば、レティシアのそんな一面は今更だし、そういったところも含めての溺愛だ。レティシアの母であるエレーヌも、おっとりふわふわした見た目とは裏腹に、内面はかなり苛烈な部分を持ち合わせていると聞いたことがある。稀にルシアンが本気でビビるくらいなので、相当だろう。


 色々な意味でグランジェ家凄いなと、改めて思うリオネルだった。




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