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冬夜の巫  作者: 真鴨子規
第二章 応援挽歌
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応援挽歌 プロローグ

 その出会いは、ふとした弾みから生まれたものだった。

 その背中に目を奪われた。その両碗に救われた。

 心底俺は、その人のようになりたいと思った。

 生まれて初めて、他人というものを尊敬し、誰かの力になりたいと願ったのだ。


 一足早く終わった、最後の夏。

 俺が見失いかけた俺自身を、あの人は見つけてくれた。

 些細なことだ。

 ただの偶然だ。

 どちらかと言えば悪運の部類で、間違いなく俺はそこで道を踏み外した。


 それでも、俺は生きていた。

 俺はそのとき間違いなく、この世界に生きていたのだ。


 果たせなかった灼熱の夢も。

 そのために費やしてきたこれまでの人生も。

 どうでもいい。あの過去は、もはや別の世界の話だった。

 俺は、新しい世界に足を踏み入れたのだから。


 戦うと決めた。

 あの人のために。

 あの人が鍛え上げてくれた拳を振るい、あの人の万難を排す刃になる。


 俺は決めた。

 あの人のために。

 あの人を傷付けた連中に、必ずや報復してみせる。


 あれを倒す。

 あの『刀』の持ち主を倒す。

 俺は、あいつを――


 八剣 一星を、必ず殺すと心に決めた。

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