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20 謎がなぞを呼ぶ

投稿が遅れてしまい、申し訳ありません。学校の新学期が始まり、忙しく投稿することが出来ませんでした。これからは、一週間に一本くらいを投稿するようにしたいと思います。

 森での調査を終えた俺たちは街まで帰還していた。今回の調査では、新種と思われる謎の魔物が確保出来たということで、生き残った人たちにはボーナスが入るらしい。

だが、当然被害も多数あった。およそ20人の冒険者が猿の魔物と謎の人物により惨殺されていた。

この数字は街にいる冒険者の十分の一にあたるらしく、なかなかの損害らしい。

さらに、猿の影響で森の奥をすみかとしている赤熊などの魔物が、街まで降りてきて衛兵にも被害がでたらしい。幸い、顔見知りの門番は無事だったらしいのでよかった。


「ふー。やっと帰ってこれたな。」

「今日はほんと疲れたぜ。」


街に入った俺達は大きく伸びをした。今日は久々に痛い思いをしたので、体より精神が疲弊していた。


「師匠とルナちゃんがはぐれちゃったときはすごく心配だったよ~。」


 シュナがそういい、ため息をつく。取り敢えず、組合に報告にいこうと思い、足を運ぼうとする。しかし、そこで気づいた。歩いている人数がさっきよりずっと少ないことに。


「!? ルナはどこだ!」

「バルカス達もいないぞ!」


イーグとその仲間が俺に言う。俺は全身から、汗が吹き出してきた。

先ほどの少女とのやり取りや猿の行動から、敵がルナを狙っているのは分かっていた。なのに、俺はルナを拐われた。猿や少女以外に敵がいる可能性を考えなかった。

俺がきちんと注意してれば…。いや、反省は後だ。今はルナと酔っぱらい達がどこにいったか特定しなければいけない。でも、どうすればいいのか分からない。どうすれば…。


『まったく君は、もう少し相棒を頼りにしてくれないかな。』


 シェリアが俺にそう話しかけてくる。え、お前ルナの場所分かるのか?


『ふふふ、こんなことをあろうかと、ルナには私の指示でフーリンを護衛につけていたのだ!!』

「マジで!!」


 驚いて大声が出てしまった。しかし、確かにこれはファインプレーだ。ナイスすぎる。


「師匠どうしたの?」

「いや、なんでもない。でもルナ達の居場所は分かったぞ!」

「何!!それは本当か!」


 俺の言葉にみんなが食いつく。シェリアによると、ルナ達は街門から見て東の街道をそこそこのスピードで走っているらしい。そこまで、距離は離れていないのでまだ間に合うかもとのこと。


「よし。なら、俺の馬で追おう。ヘルト、と言ったか、案内を頼む。イーグはこの事を組合に報告してこい。」

「はい。」


 バルトさんが馬を出してくれることになった。それからすぐ、俺とバルトさんは出発した。


 ◆◇◆◇◆


 私は馬車と思われる振動で目が覚めた。どうやら気絶してしまっていたらしい。手を後ろ手に縛られていて、目と口も布で塞がれている。それをなんとかほどこうとするが、きつくしめられていて、痛みがする。


「むんんん!!」

「お、起きたか。」


 頭上から、下卑た笑い声が聞こえてくる。


(バルカス!)

「いや~。ラッキーだったぜ。お前らにバカにされた挙げ句、あのクソガキにもて遊ばれてイラついてたところにあの人から依頼があってな。報酬もでるし、お前らに復讐も出きる。一石二鳥だぜ。なぁ、そうだろ!!」


 バルカスがそういいながら、横になる私のお腹を蹴る。大人で前衛のバルカスと、魔法職でおまけに歳は15でも体はまだまだ成熟とは程遠い私とでは筋力と耐久力が違いすぎる。

 案の定、バルカスの蹴りが私の腹を抉り、内臓を揺らす。いたい。私は冒険者としては最近登録したが、それまでシスターやイーグさん達と一緒に訓練をして、痛みにはそこそこ慣れていたつもりだった。しかし、それは所詮そこそこだった。本当の痛みというのは、体も同様、心を抉ってくる。相手の悪意が私の体と心を侵食してくる。いやだ。怖い。もういやだ。恐怖と痛みで意識が飛んでしまいそうになる。だが、それも良いかもしれない。少なくとも今は、この苦痛と恐怖から逃れる事が出来るのだから。


「へへ、後はてめぇをあの人に渡して、俺達は報酬で高跳び…!!」


 バルカスの余裕の声が、一瞬で崩れる。馬車を、急に衝撃がおそい、急停止した。意識を手放しかけた私の耳に声が響いた。


「お前ら、人の弟子に何してくれてんだよ!!」


 それは、ここ一週間で聞き慣れた青年の声だった。


 ◆◇◆◇◆


「見えた!あれか!」


 バルトさんの声が響く。その視線の先には、まるで急いで走らせているかのような一台の馬車があった。確かにあの馬車から、フーリンとの道が感じられる。つまり、あそこにルナがいると言うことだろう。


「俺が魔法で行きます。」


俺はバルトさんに伝え、シェリアに指示を出す。足に風の魔力を纏わせる、そして、それをジャンプと同時に解放する。

 これはシェリアのサポートがあってはじめて出来る芸当だ。魔法の制御ついてはまだまだ俺よりシェリアの方が得意で応用が出来る。

その制御はほとんど完璧で俺は馬車の少し前に降り立つ。

 御者をしていた男は驚いたようだが、そのまま突っ込んでくる。

 俺は剣に、先程より多い魔力を込める。そして、それを風の魔法として行使した。

 魔法は、そのまま馬車をくるくると回転させると、見事に止めて見せた。

 俺はすぐに馬車の荷台に乗り込む。そこには、さっきの酔っぱらい達と身体中傷だらけのルナが横たわっていた。

 頭に血が上る。俺は会ったことのない人たちがどうなろうが、正直どうでもいい人間だ。前の世界のCMでの募金活動も、そういう人たちがいるんだな~。くらいにしかおもっていなかった。しかし、身内…友人や家族にたいして、危害を加える奴らには容赦してこなかった。それはここでも同じだ。


「お前ら、人の弟子に何してくれてんだよ!!」


 俺は激昂し、酔っぱらい達に襲いかかる。

 酔っぱらい達も驚いて、近くにあった武器を手に取る。


「シャウト!」


 しかし、俺は既に闇の魔法を展開していた。

 闇の魔法というのは、魔法の属性でも特殊な部類に入るものらしい。まず、直接的な攻撃力がとても低いのが多い。攻撃力が高いのがないとは言わないが、他の属性に比べてあまり多くないらしい。そして、ほとんどの属性にある、有利不利という概念がない。例えば火の魔法は水の魔法に比較的弱いとかやつである。それは、ほとんどの属性にあるらしいのだが、闇と光にはそれがない。しかし、闇の魔法には特化している事があるのだ。


「うわ!なんだこれ!」


  俺の放った魔法が酔っぱらい達の顔を顔面を直撃する。すると、その魔法はすぐに顔全体を覆い、塞いでしまった。

  闇の魔法が特化していること。それは絡めてだ。相手の目や口を塞いだり、足を地面に縫い付けたり、熟練すれば影に潜ったりも出来るらしい。

  俺が今回使ったシャウトという魔法は、相手に当たると粘着性のある物質に変化して広がる魔法だ。なんか、思ってた闇の魔法と違うと思ったが、心の内に秘めておく。そのすきに俺は酔っぱらい達の頭を剣の鞘でぶん殴る。本当は、ぶったkillしたかったが、情報を吐かせるというバルトさんの指示でこうなった。

 まぁ、そんなことはどうでもいい。今はルナの治療だ。ルナは酔っぱらい達によって暴行されていたようで、至るところに青アザが見えた。俺は出来るだけ魔力をこめて回復魔法を使う。その間に、バルトさんが追い付いたようで、酔っぱらいを俺のもっていたロープで縛りあげた。もちろん俺の手作りロープだ。


「ふー。こんなもんか。さぁ、早くお前らの目的を話せ。」


 ルナをある程度治療したあと、バルトさんは酔っぱらい達を一列に並べ、尋問していた。最初は渋っていた酔っぱらい達だが、バルトさんが戦斧を持ち上げると観念して話し始めた。

 どうやら、俺たちがあいつらを追い返したあと、何者かにルナを誘拐するように依頼があったらしい。俺とルナに仕返しがしたかった酔っぱらい達はそれを二つ返事で了承。三人は森でルナを拐い、後の二人が馬車を用意して逃げる作戦だったようだ。

しかし、ルナを拐うとき、なぜ俺たちはまだしもベテランのバルトさんにもばれずに拐えたのだろう。そこを聞いてみると、なんとその依頼主から、使うと一定時間気配を限りなく薄くすることが出来る魔道具を借り受けたらしい。それは腕輪のような形状で、既に押収ずみだ。


「あとは、依頼主の特徴か。おい、お前らに依頼したやつの特徴を……!?避けろ!」


バルトさんが、急に俺の服を引っ張り、後ろに下がらせた。そして次の瞬間、俺たちのいた場所を炎の玉が襲った。


「ぎゃぁぁぉあ!!」


 しかし、それは俺たちを狙ったものではなかった。酔っぱらい達を炎が包み、灰に還す。貴重な情報源が失われてしまった。俺は攻撃のあった方を睨む。

 そこには、真っ黒なフードを被った根暗そうな人物とさっきの黒い少女がいた。


「ちっ。あわよくば仕留められると思ったが…、なかなかやるじゃないか。さすがは高位の冒険者といえる。」


 そいつは声からして男のようで、偉そうな態度でこちらに告げる。


「お前らは何者だ!なんでルナを狙う!」

「さあ?答えるとでも思ってるのかい?」


俺が叫ぶが、あいては人をなめ腐ったような態度でこちらを見下してくる。それにイライラしながらも、横の少女の警戒をとかない。あいつとは俺が真正面からやりあったとしても勝ち目は薄いだろう。バルトさんがいても勝負は分からない。


「まぁ、今回は戦闘は許可されてないから見逃してあげるよ。おい、いくぞ。」


男はとなりの少女をゴミでも見るかのように吐き捨てると、腕を掲げた。そこには、豪華な装飾がしてある腕輪を嵌めていた。そして、そこから光が溢れ出す。


「あ、待て!」

「バイバイお兄さん。生きてたら、また会おうね。」


俺が止めるが、男は話を聞かず、辺りを光が包む。最後に少女がそういい。俺に笑いかけたのが見えた。その目は死んでいるかのようだった。


  こうして、はじめの街での騒動は終わり、謎だけが残った。


もし、この作品が面白いと感じてくださったら、感想とレビュー、ブックマークをしていただけるとうれしく、投稿の励みになります。もしよかったらよろしくお願いします。

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