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13 渋いギルドマスター

  俺が熊の魔物を倒してしばらくした後、ジュディ達と冒険者らしき人たちが現れた。俺は近くの木にリンゴのような果実を見つけたので貪っていた。この果実、リンゴみたいな見た目なのに味が梨なのだ。やっぱり異世界なんだな~と呑気に考えていた。もちろん周囲の警戒もしてたよ。


「こ、これは…」

 

 冒険者らしき優男がいう。この人が応援かな?パッと見、あまり強そうには見えないが人は見た目によらないからな。姉が代表的だ。あの人なんでか知らないけど、普通に俺のことボコボコにできるんだよな~。裏で筋トレでもしてたのかな?


「よぉ、お前ら。無事だったか?」

 

 俺は口をポカンと開けているジュディに話しかける。その言葉で気がついたのかハッとして、しゃべりだす。


「無事って、こっちのセリフだぜ!師匠大丈夫かよ。」


「ああ、大丈夫だ。この魔物がバカで助かったよ。もし賢かったら危なかった。」

 

 これは本当のことだ。異世界にきて初めての戦闘だからってハッスルしてしまったが、よくよく考えると、とても危険な戦いだった。もし、熊が俺の誘いにのらずジュディたちを狙っていたら、あいつのタフさだったら、俺の攻撃なんてそこまで気にならなかっだろう。危なかった。


『そうだよ!やっと気づいたようだけど、本当に危なかったんだからね。次はちゃんと私の作戦も聞いてくれ。』

 

  わかった、わかった。悪かったよ。シェリアの説教を聞き流していると、応援の優男が話しかけてきた。


「君、この魔物は本当に君が?」


「?ああ、コイツは俺が倒したけど…」


「そうか。失礼だが、どうやって倒したのか聞いてもいいか?」


  優男は俺にどうやって倒したのか聞いてくる。だが、このままここで話し込んでもなんなので、魔物を解体しながら話すことになった。


「なるほど、目を潰してから心臓を一突きか。確かに、こいつがもし賢い個体だったら危なかっただろうね。熊は鼻がいいから、目を潰しても鼻で獲物を追う奴もたまにいるんだ。コイツがそういう奴じゃなくてよかったね。」


  そういうのは優男改めイーグさんだ。イーグさんはもう十年以上もの間、この街で冒険者をしているらしく、解体や保存はお手のものだった。獲物の目玉を瓶詰めしたり、肉の腐り易い部分を薬草で包んで保存したりと勉強になった。後で、いろいろと冒険者用具を買い揃え無いといけないな。



  解体が終わったので、全員で街に帰還している。ちなみにイーグさんの仲間は4人いて、みんな手練れのようだった。しかし、みんな優しい人たちで、さっきの酔っぱらい達よりよっぽど好感のもてる人物たちだ。そんなことを話しているうちに街の門についた。門番さんは、熊の毛皮をもっている俺にひどく驚いていた。悪いことをしたかな?



「ヘルト君。一度、ギルドマスターにあって貰えないか?」


  イーグさんがそんなことを言い出した。ここは、冒険者組合の素材買い取り場所で、熊の魔物の鑑定をして貰っていた。

  イーグさんによると、熊の魔物は普段あの森の深層にしかいないらしく、浅いところに出ているのは以上事態らしい。なので、一緒に報告してほしいとのことだった。小さな声でボソッと「来てくれたら報酬をつけるよって言ってたよ。」と囁いてきた。そんなことを言われたら、いかないという選択肢はないやろ。そんなことを思いながら、俺はイーグさんと一緒にギルドの奥に通された。



「イーグです。失礼します。」


 イーグさんはある豪華そうな部屋の前で止まり、丁寧にノックした。すると、内側から扉が開き中から、秘書のような女性が出てきた。その人に通されて部屋に入ると、部屋の中央にその人がいた。

  ボサボサの髪と、顎に無精髭を生やした人物。その眼光は鋭く、一睨みで一般人くらいなら気絶させられそうだ。間違いない、この人がギルドマスターだろう。


「ローさん、例の新人です。」


  イーグさんがギルドマスター…ローに報告する。しかし、ローの目はずっと俺を貫いている。居心地が悪い。すると、ローは急にフッと笑うた。


「お前、俺が睨んでも居心地が悪いくらいしか思わなかっただろう。まったく期待の新人が入ってきやがったな…」


  お、ばれてた。なかなかに観察眼に秀でているようだ。体つきから見ても文官ではないだろう。強そうだ。


「ローだ。一応ここのギルドマスターをしている。よろしくな」


「ヘルトだ。よろしく、ギルドマスター。」


「ローでいい。その肩書きは嫌いなんだ。」


  え、なにこの人めっちゃ渋い。かっこいい。俺、将来渋い男になろうと思ってるから。勉強になりそうだ。


「さて、詳しい報告を聞こうか。」



  俺たちは森で見た事をローに報告した。やはり、あのレベルの魔物が森の浅いところに出てくるのは以上らしく、近々調査隊が組まれることになった。

「よしヘルト、お前をランクFにあげるから、お前も調査隊に加われ。」


「は!?そんなこと急に言われたって「報酬は弾むぞ。」よし、俺は何をすればいいんだ。」


 ヤバイ。早くも俺が金欠だということに気づかれている!このままではローにいいように使われてしまう。でもやっぱりお金って大切だよね。なので、今はローの指示に従うとしよう。


「出発は一週間後だ。準備しておけ」


 そんなこんなで、ローとの話し会いは終わった。

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