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12 初戦闘

魔物。それの情報はシェリアの知識にもほとんど残っていない。僅かに分かる情報は一つ。

その生物は人類に敵対的である。


熊のような魔物は目を紅く染め、よだれを滴しながら近付いてくる。その瞳には相手を貪り、自分の飢えを満たすという意思がひしひしと伝わってきた。

「師匠…。あいつはヤバイ。」

ジュディが震えながらいう。確かに、戦闘に慣れていない奴には荷が思いだろう。ここは俺がやるしかないか…

「ジュディ、剣を貸せ。お前らは一度街に戻って、人手を連れてこい。その間、俺がこいつの相手をする。」

「!?無茶だよ師匠!!一人で相手をするなんて無理に決まってる!」

「だからってお前らも戦うか?こいつはお前らなんか一息で殺せるぞ。俺も守りきれないかもしれない。」

ジュディが息を詰める。自分の無力さが憎ましいのだろう。

「安心しろ。俺は熊あいての戦いは何回かある。帰ったらいろいろ教えてやるよ。」

俺は熊を威嚇しながらも、ニヤリと笑って見せる。それに安心したのだろう。ジュディも笑みがこぼれた。

「俺が合図したら、みんなで街まで走れ。背中は俺が守る。」

「わかった。死ぬなよ、師匠。」

ジュディが俺に剣を渡ながら返事する。他の2人も頷いている。このようすなら街までたどり着けるだろう。

熊が飛び掛かるために足に力をいれる直前、俺は大声でいう。

「走れ!!!」

3人が街に向かって全力疾走し、俺は熊の横に付く。この位置ならば、もし熊が俺を無視してジュディ達を狙ったとしても、俺が熊の横腹に攻撃することができる。

だが、その心配は無用だったようだ。熊は俺を狙って一目散に追いかけてきた。ならばと、俺はジュディ達から少しでも離れるように誘導していく。その間、シェリアと作戦をたてるのも忘れない。

『あの熊行動力からは知性が全く感じられない、おそらくほとんど本能で動いているのだろう。なら、やりようはいくらでもある。』

シェリアがニヤリと笑ったきがした。まったく、頼もしすぎるぜ。

しばらく走ると、開けた場所に出た。ここで戦うとしよう。熊の武器はたくさんあるが、一番警戒しなければいけないのはやはりその重量だろう。前の世界のヒグマでも数百キロはあったのだ、それよりデカイコイツは数トンあってもおかしくはない。その巨体で突進されただけでも命の危機だろう。なので、こいつの正面にはあまり立たないように気を付けなくてはいけない。

「グガァァァァ」

熊がよだれを撒き散らしながら突進してくる。汚い。俺は熊が俺に体当たりする直前、あらかじめ足に込めていた力で横に飛んだ。当然、熊は視界から消えた俺を追うため急激に旋回する。それが自分の隙だというのに気づかずに。俺は振り向いた熊の片目にあらかじめもっていた武器…石器のナイフを突き刺した。

「グゴォォォォ!」

片目を抉られた熊は怒りで俺に体当たりしようとする。しかし、俺は跳び箱のように熊を乗り越えると、熊に向かって剣を構える。熊がまた俺を探し、旋回するタイミング、横っ腹に突撃する。息を大きく吸い、止める。筋肉を絞め、剣を突くことに全神経を捧げる。俺の剣は熊の左脇腹…心臓のある場所に吸い込まれるように入る。

「グギャぁぁぁぉぁぁ…」

熊は悲鳴をあげのたうち回るが俺は剣をさらに強く突き刺し、押さえる。熊の最後の抵抗は徐々に収まっていき、ついに動かなくなる。命の灯火が潰える。俺の勝ちだ。



SIDE ジュディ


俺たちは組合の扉をおもいっきり開けた。それに驚いたのか、何人かの冒険者がこちらを見る。

その冒険者達に向かって大声で叫ぶ。

「森に熊の魔物が出た!!」

冒険者達がざわめく、熊の魔物は森の中では最上位に立つほどの生物だ。それの希少性は森の中では一番だろう。だが、それ以上に熊の魔物は狂暴で危険度はDランクとされている…らしい。

「ジュディ。その情報は本当か?」

そう聞いてきたのは俺たちに冒険者の基本を教えてくれたランクD冒険者のイーグさんだ。

「はい!いま師匠…さっきの黒髪の人が一人で押さえています!早く助けにいかないと!」

「何!熊の魔物を一人で…。よし俺たちがいこう。お前達は道案内してくれ。」

「はい!」

師匠、待っててくれ。いま助けにいくから。


師匠は…ヘルトはあった時から不思議な人だった。Eランクの中でも上位の存在らしいバルカスたちをあっさり倒してしまって、さらに俺たちみたいな弱い冒険者とチームを組もうとしてくれる。そんな人めったにいない。だから、絶対死なせちゃいけない。まだ、あの人から何も教わっていないのだから。

「あ、あっちに気配がする!たぶん師匠!」

森を走っていると、急にシュナが言い出した。シュナは小さい頃から気配?というものを感じとることができて、かくれんぼではいつもすぐにみんなを見つけていた。そのお陰で人探しにはすごく便利だ。急いで気配がするという場所に走る。すると木々が開けた場所に出た。

「お、来たか。結構はやかったな。」

そこには、熊の魔物の死骸の上に腰掛け、果実を頬張っているヘルトの姿があった。

熊について、間違っているところがあったらすいません。

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