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11 師匠になる

すみません。忙しくて更新が遅れてしまいました。これからは2日に1話は投稿できるようにがんばります。

「俺とチームを組まないか?」

 

 酔っぱらいに絡まれていた少年達を助けたので、ついでにチームに勧誘してみた。ここだけみると、どこかのライトノベルのタイトルみたいだな。

 

 さて、チームというのは、近いランクの冒険者同士が組める、ゲームでいえばパーティーのようなものだ。

 なぜこの子供たちとそのチームを組もうと思ったか。これにはちゃんとした理由がある。

 俺たちの旅の目的は単純明快、まだ知らないことを知るための旅である。その知ることには当然、国家のことや人族の文化、そして各国の美味しい食べ物等も入っている!

 なので、この子達とチームを組んで手伝う代わりに、情報を教えて貰おうと考えたのだ。

 自慢ではないが、俺はこの世界でもそこそこ強いようなので、駆け出し冒険者の手伝いくらいは出きるだろう。

 ついでに冒険者のランクも上げときたいし。


「え、でも兄ちゃん強いんだろ?俺たちなんかとより、もっとすげぇ人たちと組めるんじゃ…」


少年がいう。そりゃ、自分よりかなり強そうな人に急に誘われたら、なにかあるって思うよな。なので、こういうときは自分の目的を隠さずにいうことが有効だ。ただより高い物はないというし。


「いや~、俺、実は最近この街に来たばっかで、ここら辺のこと全然知らないんだわ。だからさ、俺にいろいろと情報を教えてくれないか?そうしてくれれば、俺がお前達の仕事を手伝おう。そういうのはどうだ?」


すると、


「え、えーと、その、仕事は手伝わなくてもいいので、その…」


少年が意を決したように頭を下げる。


「お願いします!弟子にしてください!!」

へ?


「俺たち強い冒険者になりたいんです。だから、お願いします!」

「お、お願いします。」

「……お願いします。」


 3人とも頭を下げる。

 おっと、さすがにこの展開は予想してなかったわ。弟子にしてほしいとか、言われたことなかったしな…。うーん、どうしようか。


『良いんじゃないかな。師匠と弟子と言う関係ならいろいろな時に便利だろうし、君がよほどのことをしなきゃ裏切られることもないと思うよ。』


 シェリアがそういってくる。ならいいかな…


「よし、俺がこの街を出るまででいいなら、俺がお前達に武術を教えよう。その代わり、俺のほしい情報を教えてくれよ。」

「「「はい!よろしくお願いします!」」」


◆◇◆◇◆


「俺の名前はヘルト。よろしくな。」


そういえば名前も聞いていなかったので、軽く自己紹介をする。


「おれは、ジュディ。よろしく師匠!」


いきなりの師匠呼び、ちょっと垂れ臭くなる。

 紅い髪の少年…ジュディが名乗る。なるほど、活発そうな子だな。この三人の中では一番強そうだ。まぁ、みんなそんなに力の差はないんだが。


「わ、私はシュナです。よ、よろしくお願いします、師匠…」


翠色の髪をした気弱そうな少女…シュナは弓を携えていた。

 俺はいろいろな修行をしてきたが、思えば弓はまだだったということに気づいた。今度少し習ってみようかな。

 問題は…

「……ルナ。よろしく。」


紫色の髪と大きな帽子を被った少女…ルナは明らかにこちらに不信感をもっている。目付きがめっちゃ悪い。さっきは帽子で目付きが隠れていたから分からなかったのか、もしくはいま俺にたいしてぶちギレてるのか…。

 前者であってほしいな。


「さ、さぁ!自己紹介は終わったから、早速依頼にいってみようぜ!実は俺いま無一文だから、今日停まるとこすら危ないんだよな。」

「え!マジかよ師匠。大丈夫か?」


やべぇ。さっそく弟子に心配されてる。このままじゃ失望されちゃう。早く依頼にいこ。


まずはGランクでも、簡単な方の[治癒草の採取]という依頼を受けてみた。

 治癒草とはその名の通り、様々な素材と調合することで治癒薬になる薬草だ。それが俺がきた森の浅いところに生えているらしい。浅いといっても魔物も出ることがあるので危険らしいが。

そんなこんなで、俺たちは森に向かっていた。道中3人の関係性などを聞くことができた。3人はこの街の孤児院出身の孤児らしい。なんでもその孤児院は貧しく、満足にご飯も食べられないほどで、そんな状況から孤児院を救おうと思い冒険者になったらしい。

 志は素晴らしいが、彼らはまだまだ弱い。まだGランクなのでこれからに期待しよう。ひょんなことで才能が開花することもあるしな。そんなことを話していると森の入り口についた。森はさっき出てきた時と変わらず鬱蒼とした雰囲気をしていた。嫌だな~。汗かきそう。


『初の依頼なんだから、もっと緊張感もとうよ。なんなら彼らの方がよっぽど冒険者ぽいよ…』


 しかたないじゃん、俺冒険者歴1時間だぞ。ジュディ達がいつ冒険者登録したかは知らないが俺より遅いというのはあり得ないだろう。だから、俺が冒険者ぽくないのはしかたない。ないったらない。


「ねぇ、いかないの?」


 ルナが睨みながら聞いてくる。あ、はい、行かせていただきます。



例の薬草は木の根本などに群生しているらしい。なので、まずはその群生している木を見つけなければならない。まぁ、そんなに危険な訳でもないから安心して探せるな。と思ったのだが、三人ともとても緊張していた。警戒してるのではなく、緊張である。


「もしかしてお前ら森に入るのは初めてなのか?」

「うん。いつもは街の中の雑用とかをしてた。先輩達に森は危険だからっていわれてたから、森に入るのは初めてなんだ。」


おいマジかよ。


「大丈夫なのか?」

「うん。魔物はめったにでないし。出たとしても俺たちにも対象できるっていわれてたから。それに…」


 ジュディがこっちを見る。


「今日は師匠もついてるしな。」

 こんな面と向かっていわれると少し恥ずかしいな。帰ったらいろいろ教えよう。そう思った。


「あった!あったよ!」


 シュナが治癒草を見つけた。治癒草は白いチューリップのような見た目だった。それが大きな木の根本にたくさん生えているので、大漁だった。見た感じで70本は取っただろう。依頼では10本で銀貨1枚だったので、合計銀貨7枚だろう。

 もっと取れたのだが、こういうのは根こそぎ取ってはもったいないので、定期的に来て採取したほうがいいらしい。いい勉強になった。


よし帰るか。となったとき、それは来た。


「し、師匠!」


シュナが俺を呼ぶ。どうしたと思ったら、怯えたような目をし、森の奥を指差していった。


「なにか、くる…。」


それを聞いた俺は森の奥に目を凝らす。すると、遠くからこちらを見ながら少しずつ近付いてくる紅い瞳に気づいた。


「確かに、いる。」

「「「!?」」」


3人の瞳が恐怖で染まる。だが、ジュディは戦意があるようで武器に力をこめていた。よし、これなら最悪の場合、俺があいつを押さえている間にジュディが2人を連れて逃げることも出来そうだ。

俺が戦意を高めていると、そいつは現れた。


黒い毛皮に紅い瞳。そして額に一本の角をもつ体長5メートルはあるだろう熊のようなもの。間違いない。


魔物だ。

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