M5K0 アフロディア16
「おーおーおまえらうるさいぞ!なんの騒ぎだい?」
「あ!姉御!実はですねえ、この冒険者の持っている船が珍しくてですねえ、是非売ってくれと交渉してたところでさあ」
「ああん?それで全員で囲んで無遠慮に詰め寄ったってわけか。んで?冒険者の兄ちゃんはどう考えてんだ?」
「そ、それはまだ交渉中で、、、」
「あの!さっきから言っているように俺は海を渡るのに自分の船で行きたくて登録しに来ただけですって、売るつもりはあ・り・ま・せ・ん!これ以上言うなら全員ぶっ飛ばしますよ」
と俺は青筋を立てて怒りを表面に滲み出す。
俺の声を聞いて俺に群がっていた職員や漁師、船大工はたたらを踏んで、俺のボートから離れました。それを少し離れた場所で見ていた女海賊っぽい人が
「なるほどそういうことか。ギルド長のあたしからの命令だ!その船から離れな!っそれと受付!その船を無料で登録してやりな!今すぐに!」
とはっきりと聞こえる声で周囲に命令すると、俺のボートから職人たちが蜘蛛の子を散らすように離れて、工具で分解しようとしていた人は他の人たちに引きずられていきました。
ふと気づくと歌君は外に出ていました。
船の登録方法は渡航ギルドのマークのハンコのようなものを船首や帆などのよく見える位置に押して張り付けます。俺はそれを船首に押してもらうと帆船のマークがつきました。見た目はガレオン船といえばいいのかなそんな柄です。登録が終わったのを確認した女海賊っぽいギルド長が俺のほうを見て
「おい兄ちゃん!その船の登録が終わったのならさっきの事件の詫びがしたいから、あたしの執務室に来てくれるかい?」
と言い、踵を返して自分の執務室に戻っていきました。
俺は無視すると面倒なことになると容易に想像できましたので、俺は自分のボートに何かされないように収納すると受付の人に案内してもらってギルド長の執務室に連れて行ってもらいました。
ギルド長の執務室の扉は他の部屋を少し豪華にしたような両開きの扉です。
俺は二回ノックすると中から「入れ!」というはっきりとした声が響き、俺は扉の中に入る。執務室の印象は学校の校長室といった感じの家具の配置で、扉の目の前にはソファが二つに低いテーブル。奥には机があり、書類の山が出来上がっていました。
「あの、何の用でしょうか俺急ぐんですけど」
「ああ、あんたか、さっきはすまなかったな。あたしはイザベラこの渡航ギルドの長さ。よろしくな」
「ギルド長?ギルドマスターではなくて?」
「ああ、そのあたりはどちらで呼んでもいいよ。あたしは長のほうが性に合ってるからここではギルド長と呼んでいる」
「ああ、確かに長って感じですね。納得。もしかしたら昔頭とか呼ばれてませんでした?」
「な?!なんでそれを知っているんだい?あたしの黒歴史なんだから言わないでおくれよ」
「なんでってそれは見た目から。それで、なんで呼ばれたのでしょうか?」
「ああ、それだね。まずは座りなよ。茶でも出そうか」
と俺はソファに座ると目の前にお茶とお茶請けが出てきた。
お茶は紅茶でいい茶葉を使っているのか上品な香りと渋みの少ない味で、ほっとします。お茶うけに歯キーがありました。クッキーは色んなジャムが乗っているクッキーで、フレーバーティーに近い感じでした。
「落ち着いたことで、改めて、この度はうちの職員が済まなかった。詫びと言っては何だがこれを受け取ってくれ」
とイザベラさんは袋を取り出して机に置きました。
俺は袋を受け取った時にジャラッという音とズシッとした重さから結構な量のお金が入っていることがわかる。俺はありがたく懐に入れ、
「わかりました。謝罪を受け取りましょう。この袋は謝罪のあかしということであれば戴きます」
と俺は席を離れて部屋を出ようとしましたが、
「待ってほしい!少しあの船について聞かせてはくれないかい?」
「俺にはメリットがないし、めんどくさいから却下で」
「そ、そうかそれはすまなかった。もう行ってくれてもいい」
と俺はギルド長の執務室を出て渡航ギルドを後にする。外に出てすぐそこの喫茶店のテラス席を見ると歌君が紅茶を飲みながらケーキスタンドに乗ってあるケーキを食べてくつろいでいました。
歌君は俺を見つけて
「よう正義!大変だったなあ( ´艸`)」
とまるで他人事のように言ってきました。
「全く俺の苦労を無視して外でこんなにくつろいで」
と俺が言っていると歌君はからからと笑いながら会計を済ませて喫茶店を出てきました。合流してから海辺にある宿屋に二人部屋を取り、俺達は鍛冶屋に行きました。門番に聞いたところこの町の鍛冶屋は皮の加工もできるそうです。
俺達は鍛冶屋に着き中の人を呼ぶと、中からドワーフの男女が出てきました。
「何の用じゃ!今忙しいのに」
と不機嫌そうに言ってきましたので、臆することなく、俺達はブラックドラゴンの皮と骨とアダマンタイトを取り出して、
「この皮はこいつのブーツとレギンス、それに上着にウェストポーチに加工で、アダマンタイトはナイフに加工で、骨は何かに使えそうかなと思ったためだ。素材のあまりはやる」
というとドワーフのおそらく夫婦は、俺の出した素材を見て目を輝かせて、
「良いのかお主らこれを売ればもっと良い装備が揃えられるはずだがいいのか?」
と確認するように聞いてきました。
「ああ、たのむ。それでどのくらいでできる?」
「一週間で作ってやる。金は今回は素材の分引いてやるから、少し安くなると思うぞ」
という声を聞いて、依頼を完了させて、鍛冶屋を出ました。
街を歩いていると歌君がある店ので急に立ち止まりました。
「歌君どうしたの?」
「あ、ああ、少しこの店に気になるものがあってさあ。ちょっと寄ってっていいか?」
「そうか、時間があるからいいよ」
と俺達はその店に入りました。その店の看板は釣具屋と書いてあります。
俺はいつもの誘水龍のルアーと隠水龍の糸の釣り竿がありますので、買う必要がないので見て回る。
歌君は店に入ってから迷うことなくある場所にまっすぐに歩いていき、一本の釣り竿を手に取りました。その釣り竿は全体的に樹のような色をしている釣竿で、他の釣り竿より一見するとぼろい見た目をしていました。しかし、歌君はムフーと満足げに釣竿を眺めていました。値段は普通より安いです。
俺達はそのまま宿屋に戻り、晩御飯の時間になりました。晩御飯はマグロの刺身に貝の網焼き、タイのムニエルなど海の幸が豊富にありました。
俺達はその晩御飯を堪能して、お腹いっぱいになりましたので、階段を上がっていると、食堂の一番端で焼き魚定食を食べている四人組を発見しました。
「なあ歌君、あいつらって木島君?」
「え?あ、本当だ木島だ。まああいつらも元気っぽいな。あんまり心配はしてないが。あれ?」
「ん?どうしたの?」
「いやさあ、あの中で一人、多分取り巻きBかな?がすっごくムキムキで歴戦の猛者の貫禄があってさあ」
「え?うわ!本当だ。(やべー、あいつ元の世界に戻るとき絶対に大変なことになるぞ?)」
と言う感想しか出てきませんでした。
〈勇者サイド〉
俺は勇者取り巻きB!前回爺さんに襟首を掴まれて引きずられているところだ。だけど今回はいつもと違う!今回は生贄も一緒だ。そのまま俺達は領主の家っぽい屋敷に着き、私兵の訓練場のようなところがあり爺さんはそこに俺達を放り投げました。俺は頭をさすりながら起き上がり、周りを見ると兵士の兄ちゃんたちがいっぱいいました。俺達はその光景に戦慄して、恐怖しました。すると、爺さんが
「今から少しの間訓練する子供だ!精々しごいてやってくれ」
というと爺さんはその場を去りました。俺は訓練場を見渡すと遠くのほうで金髪でドリルサイドヘアーの女の子と短髪のおっちゃんがうつぶせで倒れてぴくぴくと痙攣していました。
その視線に気づいた兵士が、
「安心しろ、お前らはああはならないから。ただし倒れるくらいはなるけどな!」
と笑って言ってきました。
俺達は怖くてガタガタと震えていました。
短くてすみません。




