第34話 組織化と規律
いつの世でもそうだ。高度に組織化されて団結した軍隊は強い。康太は影の立場からTBRを効率的に組織化し団結させ、そして社会からつま弾きにされた奴らに目標・名誉欲を与えた。
鳥巣市内に10支部、佐賀市内に1支部、久留米地区に3支部、二日市に1支部、しめて総勢400人以上。久留米の3分の2は平らげてしまったがまだ狂走連合の残党がしぶとく抵抗している。
組織を運営していくにはやはり金は必要だ。TBRの資金源は構成員一人一人の組織への上納金だ。物好きが寄せ集まってただの力関係で適当に役が決まり、憂さ晴らしに暴走する族なんてまるで恐くない。簡単に叩き潰せると康太は踏む。
効率的な上納金の稼ぎ方はカツアゲだ。親からの小遣いでもバイトで稼いでも別に構わない。今、TBRのステイタスはこの筑後地区では絶大な威力を発揮するだろうから。
弱いものから巻き上げるのは簡単だが康太は規律を作った。絶対に守らねばならないTBRの不文律だ。自分より弱い相手からは巻き上げない。もし破ろうものなら破門だ。破門されれば今度は自分がカツアゲの対象になって刈られることになる。
自然、学校や街を練り歩くツッパリやヤンキーがTBRの標的になる。簡単にいえばTBRがカツアゲで懐が温かいツッパリやヤンキーのウワマエを跳ねる訳だ。
TBRは歳に関係なく街で目立つ格好をした者は全て刈り捲る。車でもそうだ。ヤンキー仕様にした車は目立って注目される代償として、TBRに刈られる不安に脅えながら街を流すことになる。
一般社会でも出世して上にいけば色んな良いことがある。収入が多くなってステイタスがつくのと同時に自分にも自信がつく。必然、社内の女にモテる。一般社会では仕事が出来るか出来ないかが評価の基準だが、TBRでの上下関係は喧嘩が強いか弱いかで決まる。構成員は日々、身体を鍛え喧嘩に明け暮れ喧嘩殺法を磨いて上を目指す。でなければ、カツアゲの相手に返り討ちにあって自分の評価を下げ万年一兵卒を逃れられない定めとなる。支部長たるもの公平な評価に努めねば他の幹部に見透かされる。
喧嘩が強ければ支部長に昇格し、憧れの特攻隊・親衛隊への道が開ける。特攻隊・親衛隊はTBRにおけるエリート集団だ。みな虎視眈々と入隊を狙っている。坪口と浩紀が居る間は隊長は無理だとしても。
TBRレディースはヤンキーだから化粧はケバい。だが落とすと案外かわいい子がいる。彼女らの眼は特攻隊員と親衛隊員にしか向けられてない。カスは相手にしない。
第二土曜日の集会後の暴走には特攻隊員と親衛隊員だけレディースとのタンデム走行が許される。深夜の街中暴走は族にとっての華だ。レディースを乗せての暴走に憧れない構成員は居ない。
親衛隊の事務所は鳥巣工業に設けられ、特攻隊の事務所は鳥巣商業に設けられている。上納金はこの2つの事務所の金庫に保管され、功があったものに総長賞として支給される。他に各支部には活動費として一定額を支給する。
いつ対抗する勢力にカチコミ掛けようが各支部長の自由だ。それで一定の成果を上げれば昇格するし報償金も出る。




