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国語入試問題批判

作者: ぽごちん

 私は塾の経営をしております。

 仕事でたまたま見た、ヒドイ国語の入試問題を具体的に挙げて、批判していきたいと思っています。

 私は受験生の時、文系に行きたかったのですが、英語と国語が悲惨だったため、仕方がなく、理系になりました。

 私の国語力がないのは、文章を読んでいただければ、ご理解頂けると思っております。

 古文と漢文も、理系なのにも関わらず、二次試験にあったため、一応勉強していたのですが、イマイチです。

 結局、医学部に行ったのですが、実験と実習が嫌いなため、破綻してしまいました。

 せめて国語力だけでもあったなら、

 そうすれば、文系に行けたのに、

 今でも、

 そう思っております。

 そのため、文章を書いて努力しております。

 大学入試の現代文の問題といえば、私が受験生の頃は、小林秀雄がよく出題されるので、有名でした。

 落とすための試験に出題されるということは、

 文章がわかり辛い

 と、大学の先生にお墨付きを頂いたことですので、

 恥

 なハズなのですが、小林秀雄がよっぽど

 低脳

 なのか、あまり気にしていなかったようです。

 もっとも、入試の問題文がわかり辛いのは、多くは、出題者の責任です。

 大学入試用に書かれたわけではない長い文章を、短く切って出題するため、理解不能になります。

 登場人物が多い小説を短く切られると、誰が誰だか、全くわかりません。

 これを英語でやられると悲惨です。

 名前からキャラを想像するのも、難しくなるし、heとか、herが、やたら出てくるため、壊滅状態になります。

 さて、本物の大学入試の問題に移りましょう。

 2013年の京都大学文系の二番です。

 幸田露伴の娘、幸田文の「旅がへり」(昭和三十二年)からの出題です。

 もう、これだけで大学入試に相応しいとは、言えません。 

 昭和三十二年というと、高度経済成長よりも前の日本と日本人が書いてあります。

 本文を読んでみると、父、幸田露伴との思い出が書いてあるので、かなり前です。

 日本人の生活を変えたのは、戦争でもGHQでもなくて、

 高度経済成長

 なのです。

 題名の「旅がへり」ですが、当然中身は、

 旅から家に帰った人と、

 その人を出迎える家族

 の話になります。

 「旅」そのものに対する感覚が、今と違うため、

 家族の出迎え方や重要性も、今とは、全く別のものになります。

 こんなの、高度経済成長を知らなければ、理解出来ません。

 高校生には、無理です。

 さらに、最大の難所は、

 作者が女だ

 ということです。

 女の気持ちや考えを当てなければならないのです。

 そんなの出来るか!

 怒りが込み上げて来ます。

 女の気持ちや考えが当てられるのなら、

 女にモテモテだワ!

 妻に離婚される夫はいないワ!

 もう、何故この問題を選んだかおわかりでしょう。

 女の攻略法のエッセイを読んだからです。

 その攻略法に真実が書いてありました。


 女は男より頭がいい

 

 男より頭のいい女の気持ちや考えを当てるのは、男子高校生には無理です。

 特に、日本の進学校は、男女別学が多いので、不利です。

 大学入試に出題するのには、甚だ不公平です。

 では、作者が男だったら、女子生徒が不利なのでは?

 ご存知のように、女の方が頭がいいため、男の考えを理解出来るのです。

 主人公が男である物語に感情移入が出来るほどに。

 女の方が頭がいいのだから、有利でもいいのでは?

 はい。

 でも、勉強しないで、女遊びばかりしている人も有利になれます。

 さて、具体的にどんな問題なのか、書いて行きましょう。


 問五

 「私」は、「父」の発言をどのように受け止めているか、

 「私は父が承知しているなと思った」を踏まえて説明せよ。


 問題から入ったのは、「私」が作者の幸田文、女であるため、

 女の気持ちや考えを当てなければならない

 を確定するためです。

 さて次は問題集に載っていた模範解答です。


 旅帰りの父に対する心遣いを無言ながら認めてくれたと思っていたので、そのような心遣いは家人なら当たり前のことで、それを考えてやったと言うのは思い上がりだという父の叱責は意外であり、道理とは思うものの、ねぎらいの言葉くらいかけてほしいと受け止めている。


 何故模範解答に行ったのか、わかりますよね。

 この解答では、「私」が、男が女がわかりません。

 女の気持ちや考えを考慮しているとは、言えません。 

 女の方が頭がいい

 という真理からすると、これでは、「私」は、男になってしまいます。

 まあ、模範解答を作った人が、男だったのでしょう。

 こんな間違いをしているようでは、結婚したら苦労するだろうなあ。

 離婚届けをたたき付けられてしまいます。

 しかも、本文を読まなくても、この模範解答が不正解であることが、一発でわかります。

 天下の幸田露伴の娘の幸田文が、こんなくだらないことのために、文章なんか書かないからです。

 文章を書く練習をしている私とは、違うのです。

 当たり前ですが、女の気持ちや考えを当てるのは難しいのです。。

 さて、本文ですが、


 その次の旅のとき、私はもちろん留守を守って待っていた。父はなんとも伝わず座布団へあぐらになった。私はていねいに番茶を焙じてしゅっといわせた。黙って飲んでからにした。それでも私は父が承知しているなと思った。

 褒めてくれないから、まだこれでは足りないのだろうと思ったが、ずっとのちに、座布団と番茶を捜すにはちょっと考えたと伝ったら、

 「そんなのバカだあな。しょっちゅう住んでるうちのなかのことだもの、よくするのはあたりまえだ。考えたなんて口幅ったいこと伝えるもんぢゃないぞ」

 とけなされた。


 もちろん、本文はこの何倍もあるのですが、これだけで問題に答えられるでしょう。 

 なぜなら、模範解答があるからです。

 模範解答は、本文をうまく要約してあるからです。

 女の気持ちや考えを無視しているだけなのです。

 だから、全くとんちんかんな答になっているのです。

 男なんてこんなものです。

 この問題に一発で答えられる

 そりゃ、女にモテますよ。

 勉強しないで、女の修業をしていれば、答えられるでしょう。

 でも、そんな人が京都大学に相応しいんですかね?

 もちろん、女の攻略法は、人生には重要です。

 ハイスペックがあれば、結婚までは押し切れますが、

 結婚した後は、女の気持ちや考えが当てられないと、

 離婚の危機に陥ってしまうからです。


 No.2を狙う

 この攻略法は、四十年以上前に、週刊プレイボーイで読んだことがあります。

 なろうのエッセイで見て、思い出しました。

 このエッセイには、誤解を招く表現があります。 

 

 No.1の女はプライドが高い


 これです。これは、こういう意味です。


 女は全てプライドが高い

 


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― 新着の感想 ―
[一言] またThere is構文の英作文したとき ある生徒は There is my house in the park. と書いてて笑いました。テントか!ホームレスか! in the skyだと俺…
2017/08/19 23:23 退会済み
管理
[良い点] ドスケベが受験を制するという発想がおもしろい! 確かに、文学にはそうゆうところあります。 経験と発想。 例えば星新一や筒井康隆は発想が斬新ゆえに若者向きです。というより、オッサンは頭がかた…
2017/08/19 23:17 退会済み
管理
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