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* 2 *


 ベランダ側の窓と廊下側の窓を全開にした7月の教室、窓側から3列目、一番後ろの席は実に快適だ。

 今は金曜日の2時限目。今週火曜日にスーパーファイブの一員となり、その日のうちに初の戦闘を経験し、それ以来まだ出動は無いが、初めての経験の緊張からきた疲れを引きずったまま、毎日の学校生活と通常のバイトの疲れまで確実に蓄積され、しかも、1時限目の体育は水泳だった。耳からは、古文担当の教師による心地の良い子守唄。……三室は、授業開始からこれまでの45分間、襲い来る睡魔と必死で戦い、気力で制してきた。残り、僅か5分。しかし、もう限界だ。力を失った指先からシャープペンが転がり落ち、重力に負けた瞼が視界を除々に狭めていく。

 と、その時、左手首のブレスが低く震動した。その震動により発生する音は、静かな教室の中では、かなり響き、

(! ! ! )

三室は驚いて、いっきに目が覚めた。咄嗟に右手でブレスを押さえて立ち上がり、

「先生! トイレに行っていいですか!? 」

「三室さんっ? 」

古文教師の驚いた声を背中で聞きつつ、教室を飛び出した。


 三室は最寄のトイレへと廊下を走り、女子トイレの個室に駆け込んで、内側から鍵をかけ、ドアにもたれる。

(あんな大きな音だったなんて、気づかなかった……)

いつ何時呼び出しがかかるか分からないため、ブレスを学校に持ってこないわけにはいかない。もう少し小さな音にならないか、今度、横山さんに相談してみよう、と思った。

 一度、深く息を吐いて落ち着いてから、震え続けるブレスに向かい、三室、

「通話」 

 震動がピタッと止まり、横山の声。

「出るまで、時間がかかり過ぎですね」

「すみません、授業中だったので、抜け出して、話を出来る場所まで移動してました」

そして、今度、と思ったが、話の流れ的に今がベストだと思えたため、

「あの、横山さん、ブレスが震動する時の音、もう少し、何とかなりませんか? あたし、今、すごく焦りました」

言ってみた。

「検討してみます」

三室の質問に短く答えてから、横山、

「それより、声明文が届き、超地球生物の出現場所も特定できました。声明文は、『現地球人類は、他生物の適正生息数を設定する権利など有するのか疑問である。設定するだけでなく、その数に合わせるべく命を奪うとは、言語道断である』。場所は、『カトーナノカ堂三島店』。他のメンバーは既に向かっていますので、直接、現場へ向かって下さい」

 ブレスのことは完全に流されたと感じたが、まあいっか、と、

「了解しました」

 三室は通信を切り、ポケットに自転車の鍵があることを確認すると、トイレを出、教師や他の生徒に見つからないよう注意を払いつつ、校舎脇の駐輪場まで行き、自転車でナノカ堂へ向かった。



                  *



 三室がナノカ堂に到着したのは、横山からの連絡を受けた約15分後だった。

 ナノカ堂は、市内にたった1つしか存在しない大型ショッピングセンターで、バイトが休みの日などは、三室も、よく遊びに行く場所だ。

 三室は自転車を店舗出入口前の駐輪場に置き、敷地内のファーストフード店の陰に、一旦、身を隠して、ブレスに向かい、

「戦闘装備」

それから、黄瀬川さんから来るのが遅いの何のと言われるだろうな、などと思いながら店舗出入口へ。

 出入口の外側には黄瀬川が立ち、店舗内から逃げてくる買物客と思われる人々や店員の一団を誘導していた。

 そこへ、赤木が買物客らしき別の一団を率いて出て来、黄瀬川に報告。

「この人たちで最後です」

「了解」

 三室が黄瀬川に駆け寄り、

「遅くなりました」

挨拶すると、

「ホント、遅いわ」

予想通りの返事が返ってきた。予想し、覚悟していた通りだったため、

(精一杯急いできた結果だから反省のしようが無いし……)

三室は、自分が落ち込まないための防御として、

「すみませんでしたー」

意識して軽く流し気味に返すことが出来た。

 自分の黄瀬川への返し方に満足しつつ出入口から中を覗いてみた三室は、

(………………)

思わず立ち尽くした。直後、肩にポンっと誰かの手が載り、ハッと我に返る。 

「ごくろうさま」

杉森だった。

 我に返った時、三室は、あんぐりと口を開いた状態だった。マスクがあって良かったと思った。そんな、絶対にマヌケに違いない顔を誰にも見られずに済んで……。

 三室に、そんなマヌケな顔をさせたのは、出入口を入ってすぐの所にいた超巨大なニホンジカ1頭。以前、三室を四愛医院で襲ったウシも大きかったが、その比ではない。3階建て店舗の、吹き抜けとなっている1・2階部分の天井にツノが支えて頭を真っ直ぐ上げられないほどの大きさ。ドシンドシンと、時々足を踏み鳴らし、その度に建物全体が激しく揺れて、三室の足下もおぼつかない。大きさゆえに、それ以上の身動きは取れないようだ。

「今、キンちゃんが麻酔銃を持ちに行ってるんだ。今のところ、あのニホンジカからの直接の被害は出てないけど、こう激しく揺らされたらね、いつ建物が崩れてもおかしくないから、早めに眠ってもらおうってわけ」

杉森が三室向けに説明し終えたところで、後ろから足音。 

 三室が振り返ると、ライフルのような形をした銃を4丁抱えた青島が、赤木と黄瀬川に、それぞれ1丁ずつ、その銃を渡そうとしているところだった。どうやら、それが麻酔銃らしい。杉森も1丁受け取り、麻酔銃を手にした4人は出入口をくぐって建物の中へ。三室も後に続く。

 赤木・青島・杉森・黄瀬川は、吹き抜けの2階部分、互いに適度な間隔を空けた位置へ跳び上がり、ニホンジカを囲むようにして、動きの一番鈍い首の付け根に狙いを定めた。

 三室は、黄瀬川の指示で、他の4人から見えやすいよう出入口の上の幅広の窓枠に立ち、発射のカウントダウン。右手を高く上げて、

「5、4、3、2、1」

カウントダウンに合わせ、指を1本ずつ折っていく。

「発射! 」

 4丁の麻酔銃から、針が同時に飛び出し、狙い通り、ニホンジカの首の付け根に刺さった。

 ニホンジカは馬の嘶きのように高く鳴き、首を無理に縮めてグリンと回す。瞬間、ツノが黄瀬川を引っ掛け、持ち上げた。 

 その直後、

「っ! 」

黄瀬川は宙に放り出される。

 三室、

「モトさんっ! 」

頭で考えるより先に、体が反応していた。窓枠を蹴って身を躍らせ、バランスを崩した状態のまま落下していく黄瀬川を、床に墜落する直前で掴まえてバランスを取り、着地。

「大丈夫ですかっ? 」

 黄瀬川は真っ直ぐ三室を見、

「ありがとう。助かったわ」

いつになく優しい口調で言いながら、三室の腕から身を起こす。

 赤木・青島・杉森が、三室・黄瀬川に駆け寄ってきた。

 青島は三室に向かって親指を立てて見せ、軽いノリで、

「カッコイー! 」

「オレも動こうとしたけど、モモちゃん早かった。良い動きだったね」

と、心から感心したように赤木。

 マスクの下で、三室は、そっと照れた。

 その時、これまでとは比べものにならない強い揺れが、スーパーファイブの5人を襲った。立っていられない一同。バランスを保てずに次々と床に崩れ、立ち上がれない。

 麻酔の効いたニホンジカが、くずおれた震動だ。

 揺れが治まった直後、

(……? )

三室は、上から何か小さくて軽い石のようなものがパラパラと降ってきたのを感じ、床にペタンコ座りしてしまっている体勢で頭上を仰ぐ。

 同じく感じるものがあったのか、三室につられたのか、やはり上を見る他の4人。

 落ちてきていたのは、天井の破片だった。

「崩れる! 」

赤木が叫ぶ。

 黄瀬川、

「皆、脱出よ! 」

 三室・赤木・青島・杉森は、頷きあう。

 赤木・青島・杉森・黄瀬川の4人は、次第に大きなものになっていく落下物を かいくぐりつつ、出入口を目指した。

 三室は立ち上がれない。遠ざかる4人の背中を追おうと懸命に立ち上がろうとするが、揺れのショックか、これから、このナノカ堂に起ころうとしている出来事への恐怖か、足がガクガクと、言うことを聞かないのだ。助けを求めようにも、声も出ない。

(どうしよう……! )

気ばかりが焦る。

 「モモ! 」

黄瀬川が気づき、引き返してきた。床に片膝をつき、三室の右腕を自分の肩に担いで、

「しっかりなさい! 」

立ち上がる。

 三室は、ほとんど黄瀬川に引きずられるような状態で出入口を出た。

 すぐ後ろで、ドドドドドッ。

 轟音と共に、ナノカ堂は崩壊。モウモウと土煙が立ち込める。

 三室は瓦礫で塞がった出入口を振り返り、冷や汗。

(…危なかった……)

視線を前方に戻すと、土煙の向こうに3つの人影が見えた。こちらに向かい、色が薄っすらと分かるようにまで、ゆっくりと近づいてきた赤・青・緑、3色の人影。赤木と青島と杉森だ。向こうも、こちらに気づいたらしく、

「モトさん! モモちゃんっ! 」

赤木の声。3人揃って、土煙を掻き分けるように、駆け足で三室と黄瀬川の目の前に現れた。

 杉森が気遣わしげに三室の顔を覗く。

「大丈夫? 」

「悪い。 2人がオレらと一緒に来てないの、全然気づかなかったよ」

青島が、ボソボソと申し訳なさそうに続いた。

 黄瀬川、

「気にすることないわ」

言って、杉森のほうへ向かって三室を突き放す。

 三室はバランスを失ってヨロけ、杉森に受け止められた。

 黄瀬川は、杉森の腕の中の三室を斜めに見下ろしながら、

「例によって、この子がボーっとしてたからいけないのよ」

そこで一旦、言葉を切り、

「でも、まあ」

黄瀬川の発する空気がフッと柔らかくなったのを、三室は感じた。

「さっき、私もモモに助けられたんだから、おアイコね」

(…モトさん……)

三室は、黄瀬川が自分を受け入れ始めてくれているような気がして、嬉しかった。

 黄瀬川は瓦礫の山を振り返り、軽く息を吐く。

「ニホンジカの生死は不明ね。この状況じゃ、私たちではどうすることも出来ないわ。後のことは、横山さんに任せましょう」

それからブレスに向かい、

「通信、司令室」

横山に、こちらの状況を説明した。

 横山との通信を終え、黄瀬川、

「モモは、この後、まだ学校よね? 」

 三室、頷く。

「そう、じゃあ、ミーティングはモモの学校が終わってからにしましょう」


 ガララ……。背後で物音。

(……? )

三室は不思議に思って振り返った。危険なため一般の人たちは1人残らず避難させてあるはずであり、三室以外のスーパーファイブのメンバーの姿は、全員、三室の目の前にある。

 三室の視線につられたらしく、他の4人もそちらを向いた。

 直後、

「……っ! 」

堆く積もった瓦礫が、バンッという音と共に宙に跳ね上がり、生きていたとしても麻酔で眠っていて動かないはずのニホンジカが姿を現した。

 驚く一同。

 ニホンジカは立ち上がり、ドシンドシンと足を踏み鳴らして、一同を見下ろす。ナノカ堂の中にいる時と全く同じ行動だが、自由に身動きがとれるかとれないかの状況の違いだけで、その迫力に随分差が出る。

 三室のノドがゴクリと鳴った。

 と、ニホンジカが今までになく大きく動いた。右前足を一旦高く上げて勢いをつけ、三室に向けて下ろしたのだった。

 飛び退いてかわす三室。

 空振りしたニホンジカの足は、コンクリートの地面にめり込んだ。

(こんな足で、まともに踏まれたら……)

想像しただけで、三室は、ゾッ。

 その間にも、今度は左前足が黄瀬川を襲う。

 バック転で避けつつ、黄瀬川、

「麻酔は、あまり効果が無かったみたいね」

そして、再び右前足を持ち上げたニホンジカを見据え、

「とにかく、動きを封じましょう」

軽く言ってのけた。

 それを聞き、

(どうやってっ? )

三室は驚いて黄瀬川を見る。

(麻酔は効かなかったのに! )

 そんな三室の視線など全く気に留めていない様子で、黄瀬川は青島・杉森に目配せ。

 青島・杉森は頷く。

 それから青島・杉森・黄瀬川は、それぞれのブレスに向かい、同時に、

「スーパーマシン・ゼロワン、召致! 」

「スーパーマシン・ゼロツー、召致! 」

「スーパーマシン・ゼロスリー、召致! 」

 ややして、専用扉方向の空中に、ゼロスリー・ゼロツー・ゼロワン、の順で、スーパーマシンが現れた。

 本当に宙に浮いているわけではない。建物等を避けながら一般道を戦闘の現場へ向かうため、大きな車体とタイヤを離し、間を細い金属製の脚でつないでいるのだ。

 スーパーマシンは脚を駆使して、ブレスで自分たちを呼んだ当人たちのいる崩れ去ったナノカ堂へ向かって来、出来る限りその近くに駐車スペースを探すと、脚を仕舞う。……ここまでは、三室も前回の戦闘時にゼロワン1台で同じことをするのを見た。

 しかし、3台が揃ったところで、青島・杉森・黄瀬川は、再度、それぞれのブレスに向かって声を揃え、

「DPL変形・合体、『スーパーファイブロボ』! 」 

(へ? 何っ? )

まだ聞いたことの無かった台詞に、一体何が起こるのかと、キョロキョロしてしまう三室。

 その目の前で、3台は変形・合体。ゼロワンは左腕と左脚、ゼロツーは右腕と右脚、ゼロスリーは胴体と頭になり、最後にゼロスリーの荷台だった部分から黒い大きな金属の塊が2つ飛び出し、左右の腕の先にそれぞれ1つずつ合体して両の手のひら……以前、青島がスーパーマシンについて説明してくれた時に勿体つけて、

「使う時が来るまでの、お楽しみっ」

と言っていた、ゼロスリーに積んである金属の塊の正体だ。

 そうして完成した巨大なロボット・スーパーファイブロボの上背は、ニホンジカのツノまで合わせた高さを遥かに凌ぐ。

(スゴイ、スゴイスゴイッ! )

完全にロボに気を取られていた三室は、

「モモちゃんっ! 」

赤木の叫び声で初めて、

「……っ! 」

自分の頭寸前まで迫っていたニホンジカの右前足に気づき、危なくかわした。

 ニホンジカの右前足は、まさに三室が立っていたその場所に、ドカッとめり込む。

(…危なかった……)

三室は冷や汗。

「またボヤッとして……」

黄瀬川の呆れ口調。

「ほら、乗るわよ」

(乗る? )

首を傾げる三室。

 黄瀬川の視線はロボの腹部に向けられている。と、ロボの腹部がウインと音をたてて開いた。

 黄瀬川は、その開いた腹部に向かってジャンプし、ロボの内部へと吸い込まれるように入って行く。

 赤木・青島・杉森も、同じようにして続いた。

 開いた腹部は、どうやら、ロボ内部への入口のようだ。

 三室も4人を追ってジャンプ。4人を見ていて、吸い込まれるように入って行ったように見えたのは、錯覚ではなかった。開いた腹部の高さまで跳ぶと、ブレスが小さくピピッと鳴り、自然と体がロボの内部へと引き寄せられていったのだ。引き寄せられる力に身を任せていると、ゼロツーの座席と同型の座席が前後2列に分かれて計5つ並んだ小さな部屋へと導かれ、最後の空席に座らされた。座ると同時、自動的にシートベルト。三室の席は赤木の隣、後列に2つ並んだ座席の右側。前列には3つの座席が並び、右から青島・黄瀬川・杉森。前列の3人は、それぞれの前にあるハンドルの中央部分にブレスをかざし、右手でハンドルを握っている。前面のガラスから、外の様子が見えた。と、言っても、三室の位置から見えるのは、空と、少し離れたところにあるはずの建物だけだが……。

 黄瀬川、

「ツノを掴んで引き倒すわよ。いい? 」

「了解」

青島・杉森が答える。

 そして、前列の3人揃ってハンドルを操作。ハンドルでロボを動かしているらしい。

「行くわよ! 」

黄瀬川の合図。

 ドドーンッという衝撃音と震動。前面のガラスから、ニホンジカの横顔と、そのすぐ向こうに地面が見えた。ニホンジカを地面に倒したようだ。

「スギさん、ロープ! 」

黄瀬川の指示に、杉森、

「了解」

右手をハンドルから放し、ハンドル下のボタンを押す。

 一瞬、前面のガラスを、幅20センチほどの黄色く長いものが横切った。

「さ、今度こそ終了ね」

言って、黄瀬川はブレスを自分の側に向け、

「通信、司令室」

横山に、先程の通信以降の状況を説明した。

 ロボの内部での三室の位置からは、よく見えなかったが、ロボを降りて見てみると、ニホンジカは、四肢を、さっき前面のガラスを横切った幅20センチほどのもので、まとめてグルグル巻きにされ、地面に横たわっていた。

(ああ、さっきのがロープだったんだ……)

 横たわるニホンジカを見ている三室の肩に、杉森がポンッと手を置く。

「これだけ大きいと僕たちじゃ運べないから、僕たちはここまでだよ。お疲れ様」

「お疲れ様でした」

三室、基地に戻るべく専用扉へ向かう赤木・青島・杉森・黄瀬川を見送ってから、周囲に人目が無いことを確認して戦闘装備を解除。ナノカ堂の崩壊やニホンジカとの戦闘による被害を奇跡的に免れていた自分の自転車に乗り、学校へ。

(自転車、今度の時からは、もっと離れたトコに置こう……)



                 *



 学校の駐輪場に到着したのは、4時限目の最中だった。2時限目の途中で抜け出して、トイレにしては長すぎる。三室は、出来るだけ音をさせないよう気をつけながら自転車を停め、自分の自転車と隣に置かれている他の生徒の自転車の隙間に隠れるように座って、4時限目終了までの35分間を過ごした。昼休みになるのを待って、他の生徒たちが大勢、廊下を行き来するようになってから、紛れ込もうと考えたのだ。

 チャイムを合図に三室は立ち上がり、校舎内に入る。

「あら、三室さん」

入って早々に、突然、背後から声が掛かり、三室は少しビクッとしてしまいながら振り返った。そこには古文教師。

「お腹の調子は、いかが? 」

「あ、はい。もう大丈夫です」

三室は愛想笑いで返し、そそくさと古文教師の前から立ち去る。

(…はあ、ビックリした……)



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