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第一話 プロローグ
第一話 プロローグ
世界は消滅した。
でも。
わたしたちはこうして生きている。
前と同じに思考して息をしている。
世界は再構築されたのだ。
誰も知らないうちに。
消滅の記憶も無いままに。
それならそれで。
世界は続いていると思えばいいのだけれど。
……が尽きる時。
この世界は消える。
……がこの世界の心臓なのだと。
世界を滅ぼし、再構築した男は告げたと言う。
……が何であるかはわからない。
ただ。どこから生まれた噂なのか。
『少女の命』――
だと言われている。
日本の
名前も知らない
十六歳の少女だと。
それが事実なら。
この世界は。
残り七十年かそこらの時限世界だ。
25,555日の――
残り香か泡沫の夢のような世界。
それも少女が平均寿命まで生きた場合の話で。
もしかしたら。
明日にも虚無の地平に消えるかもしれない。
