獣への愛

　私の腹には獣が住んでいる。

　それは罪なる獣。

　忌まわしい咎を宿した獣。

　獣を殺せと叫ぶ声が聞こえる。

　喉笛を噛み切られることを恐れた男の声が響く。

　罪を与えられた獣よ。

　私の中で眠りなさい。

　いつか罪があなたを喰らうまで。

　私はあなたに愛を与えましょう。

　繋がりを求めるというのなら私に牙を立てなさい。

　私から糧を喰らいなさい。

　私はあなたを孕んで産み落とそう。

　貴方の罪は私が引き受けて。

　私の愛を貴方が引き受けて。

　貴方は獣の子。

　そして愛しい私の子。