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婚約

打ち切りEND的な。

俺たちの冒険はここからだ!的ENDです。

言い訳というか理由は後書きで……。


 右足に異常はでず、続けて左足の再生を終えてセレスの足は無事完治した。

 リハビリも順調で、庭先程度なら歩くことも可能だ。

 今日は快気祝いということで城館でパーティがある。

 

 もちろん俺も呼ばれている。

 一応薬の作成者だしなぁ。

 まだ身分もないしあまり目立ちたくはないのだが、仕方ないだろう。

 セレスのエスコート役という大任を任されてしまったので、ここ数日クリストファーさんに礼儀作法を仕込まれてる。

 彼女がまだ激しい動きが出来ないためダンスがないのだけが救いだろう。

 それでも着慣れない礼服は装飾過剰で動きにくいことこの上ないが。


 そしてそれ以外にも。

 パーティが始まるまえにセレスに結婚を前提に付き合ってほしいと申し込む予定だ。

 まだ爵位もないのに気が早いとは思うのだが、パーティ会場で打診してくる輩がいないとも限らない。

 領主さんには話が通してあるが、セレスにも言っておきたい。

 セレスが嫌がればそれはそれで領主さんに話を通さないと良縁を逃す可能性があるわけだし。

 ……ちょっとそれもいいかな、と思ったが。

 振られたからといって幸せを妨害するような人間にはなりたくないしな。



 肯の返事を期待しながら作成途中で投げ出しかけてたお守りの完成を急ぐ。

 今回は婚約出来た場合の贈り物なので指輪バージョンでがんばってる。

 最初に銀でごく薄いリングを作成。そこに、細い針で「物理攻撃無効」「魔法攻撃無効」「毒無効」を書き込み魔力を込める。

 そして上から銀で覆い文字を隠す。これで、シンプルな銀の指輪の完成。

 さすがにこのままではいくら何でも素っ気ないので、マードックさんに頼んで細かいモチーフを彫り込んでもらった。

 うっかり何度か文字を破損して効果がなくなったのだが、それはそれで。


 完成の確認の為、部屋に置いた甲冑に斬りかかったり攻撃魔法を使ったりしたのだが。

 部屋のセキュリティの万全さもついでに確認できてよかったと思う、うん。



 4回目でようやく完成したのだが、そのあとになって最初から装飾したリングを半分削いで、魔法を込めてからくっつければ良かったような気がした。

 ……俺の分もお揃いで作るので、そっちが出来てから気付くよりはマシだったと思う。






 パーティを明日に控えて。

 俺は今セレスと共に庭の散歩中。

 一応今は監視兼護衛の騎士もいないし、メイドさんは四阿で控えてる。

 セレスはまだ長時間歩くのは辛いので、早く告白しなきゃならないのだが……。


 実は告白なんて生まれて初めての経験だ。

 かなり緊張する。

 しかもこの年で結婚を前提に、ってのは難易度が高いよな。

 でも遊びで付き合おうってんじゃないから当たり前なんだが。


 俺の態度があんまり不審なのか、セレスも困惑している。

 まあ、何度も何度も話を切り出し掛けては「なんでもない」で逃げたからなぁ。

 ちょっと情けない。

 まだ嫌な顔をせずに付き合ってくれてるが、いい加減にしないと情けなさで告白するまえに振られそうだ。



「あのさ、セレス」


「はい、なんでしょう?」


 俺を見上げて控えめに微笑む仕草。3回目くらいだが、それでも付き合ってくれる。心の広さが半端ない。俺だったら2回目で問い詰めそうだ。


「……好きだ。俺と、結婚を前提に付き合ってくれないか?」


「えっ……」


 びっくりしたように目を見開いて固まってる。

 単刀直入すぎたか? いや、基本はそう言う話なんだが。


「急な話でごめん。俺はまだ身分もないし、年もそんなに違わないし頼りないとは思うけど。でも、セレスを守れるように強くなる。身分もそれなりに釣り合うように成り上がってみせる。だから、予約させてくれないか?」


 誠心誠意を込めていったつもりなんだが、セレスは俺の言葉を聞いて俯き、泣き出してしまう。

 泣くほど嫌われてたとは思わないのだが、それでも泣くほど喜んでくれたって可能性の方がないよな。一応顔と足の恩人だし断るに断れずに困って泣いた、という線か?


「ごめん、他に好きな相手がいるとかなら遠慮なく言ってくれて良いから……」


「ち、ちがいます。あの、ハヤト様はアナスタシアが好きなんだと……そう思ってたので、びっくりして……。で、でも、うれしい、です。私もハヤト様が……」


 最近はアナスタシアにはあんまり会ってないし、ここに来たらまっすぐセレスにだけ会ってたのにそんな誤解をされてるとは思わなかったな。


「俺はセレスが好きだよ」


 控えめなところや、優しいところ。穏やかな雰囲気が一番いい。癒されるというか。側にいて安心できるんだよな。

 確かに美貌というならアナスタシアだろうとは思うが、俺はセレスの方が好きだ。

 美人は3日で飽きるというがセレスの可愛さは全然飽きない。


「……ありがとうございます」


 うあ。涙目のまま、上目遣いに見上げて微笑まれた。

 やばいくらい可愛い。精神的にクリティカル攻撃を食らったくらいのダメージが。


 衝動が抑えられず、抱き寄せてキスをしたのは許させれるだろうか。

 誰にも見つからなかったようだし、大丈夫だよな?


「俺の故郷では婚約の印に指輪を贈るんだ。……着けててくれるか?」


 頷くセレスの左手を取り、薬指に指輪を通す。

 サイズはちょっと大きめに作ってあるのだが、それは填めた指にぴったり合うように魔力で微調整する。

 最初からぴったりに作った方がいいとは思ったのだが、細工の都合上難しかったので仕方ない。


「ありがとうございます。一生大事にします」


 嬉しそうに微笑むセレスを見て。

 俺も、彼女を一生大事にしよう。そう、思った。






 これからもいろいろあるだろう。

 明日のパーティもだが、叙勲を受けに行かなきゃならないし。

 まだまだ作りたいものや、あった方が生活が楽になるような品も作って普及させたいし。

 稀にとはいえモンスターの襲撃があるのだから、その対策もしたい。


 それらすべてをひっくるめて。

 セレスと一緒にこの世界で生きて行こう。


 ずっと異世界だと思ってたこの世界だが。

 ここに大切な人がいて、家が出来て。

 俺はこの世界に根を降ろせる。そう、思った。













言い訳コーナーです。


再登場予定だった骨斧の皆さんとか。

空気になってる戦闘とかモンスターとか。

ついでに番外編の別視点とか。

本当はまだまだ続く予定だったのですが、限界を感じました。


アイテム開発や道具を通した国の発展などをぬるく書きたいと思ってたのですが、

後ろ盾や権力のために中途半端に貴族などを出してしまったためでしょうか。

政争や主人公の立ち位置などにいろいろご指摘いただいたのですが、貴族社会のごたごたも兵器開発も

さらには国家間の戦争なども書くことが出来そうにありません。


当初の予定のまま書き進めようかとも思ったのですが、指摘を無視し続けるのは私の精神的に不可能と判断しました。


婚約の段階でかろうじて一区切りがつくので、無理に続けて途中で投げ出すよりは、ここで終わらせることにしました。

無理矢理な打ち切りENDっぽさが漂い、申し訳ありません。


また、感想は毎回とても楽しみにしていたのですが

辛く感じるようになってしまい、お返事を書ききれなくなっています。

申し訳ありませんが、ご了承ください。


落ち着いたら懲りずに何か投稿することもあるかもしれません。

そのときはどうぞ、よろしくお願いします。


今まで、読んでくださった皆様。

本当にありがとうございました。

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