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スキル名【すんごい、おっぱい】なんだけど、これってどうなの!?  作者: かわさきはっく
すんごい、おっぱいは世界を救う(?)編

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第54話 決戦とすんごい最終兵器

「ダメです、これだけでは倒せません! もっと、強い……決定的な、一撃が……!」


 シルヴィアさんの悲痛な叫びが地下空洞に響く。

 魔王は私たちの奇妙な戦法に順応し始め、私を直接見ないようにしながら的確に攻撃を繰り出してきた。

 じりじりと、しかし、確実に私たちは追い詰められていく。


「くそっ、このままじゃ……!」

 ユウキ様が歯噛みする。


 その時だった。

 魔王は、この滑稽な攻防を終わらせるべく、これまでで最大級の魔力を、その右手に集中させ始めた。

 空間そのものが歪むほどの、絶望的なまでの、『無』の力。


「異物よ、まずは、お前から消えろ」

 その攻撃は明確に、私をターゲットとしていた。


「させるか!」

 仲間たちが、私をかばうように前に出る。

 しかし、魔王の攻撃は、あまりに速く、そして強力すぎた。


「ルルナ、ごめんなさいっ!」


 シルヴィアさんが、叫んだ。

 彼女が放ったのは魔王への攻撃魔法ではなかった。

 一陣のカマイタチのような、鋭い風の刃。

 その刃は、私の服の肩紐と、胸に巻いていたサラシを正確に断ち切った。


「えっ?」


 次の瞬間。

 支えを失った私のドレスの前が、はらり、と、開いた。

 何重にも巻かれていたサラシが、するり、と、ほどけ落ちる。


 そして。

 これまで誰も見たことのなかった、私の〝すんごいおっぱい〟が、完全に、その姿を現した。

 それは、下品なものでは、決してない。

 まるで、神々が作り出した、芸術品のように。

 それ自体が、生命の神秘を体現したかのように、淡い、黄金の光を放っていた。


 私を消し去ろうとしていた、『無』の渦が、霧散する。


 魔王が凍りついた。

 その、宇宙を宿した瞳が、私の胸を直視してしまった。


「ぐ…がああああああああっ!」


 魔王が生まれて初めて、苦痛の絶叫を上げた。

 物理的なダメージではない。概念的な攻撃。

 絶対的な『無』である彼にとって、私の生命力の塊である胸は、その存在そのものが、致死量の〝情報〟だった。


「目が……! 情報が……! 余の『無』が、飽和する……!」


 魔王の体から、黒い煙が、シュウシュウと音を立てて噴き出す。

 その存在が、内側から焼き尽くされ、消滅しかけているのだ。


「きゃあああああ! な、何するんですかシルヴィアさん!」

 私は何が起きたのかもわからず、ただ真っ赤になって、自分の胸を手で隠す。


「……やはり、私の仮説は正しかったようですね……」

 シルヴィアさんが、青い顔で震える声で言った。


 魔王は、よろめき、後ずさる。

 その体は先程までとは比較にならないほど弱体化していた。

 何千年も、誰にも傷つけられたことのなかった、絶対的な存在が、初めて、明確なダメージを負ったのだ。


「今だ!」

 ユウキ様が叫んだ。

「一気に決めるぞ!」


 武器は、まだ使えない。

 しかし、好機は今、この一瞬しかない。

 私たちは弱体化した魔王に向かって最後の力を振り絞り、突進した。


 私のすんごいおっぱいは、ついに、最終兵器として、そのベールを脱いでしまったのだった。

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