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五十七話 さらに続く遺跡



 三つめの扉は緑に光る。つまり、武器解放遺跡だ。ラグナランカシャでも、数の少なかった遺跡だ。


(武器解放は攻撃力に直結してくる。今、ものすごくありがたい遺跡だ)


 扉に手をあてる。赤い光が点滅する。ここでも試練があるらしい。気のせいか、点滅の間隔がいつもより、ほんのちょっぴり早いような?


「ここにも試練があるから、気をつけて行こうね。それと、ソフィアラは武器、持ってる?」

「剣は兵舎のを借りてたけど、ナイフなら持ってるよ」


 大人になっても使うのなら剣のほうがよかったが、ただの木の根が立派な魔法杖になったくらいだ。ナイフなら土台は充分だろう。


「じゃあ、行こう」


 鍵をまわし、扉をあける。さっきまでいた何者かの気配はまったくない。たぶん、扉のつながっているさきの空間が異なるのだ。


「あれ? ここ?」


 なんだか、見おぼえがある。というか、ここの一つめの遺跡にそっくりだ。長い廊下が続いている。あまりにも遠くてよく見えないが、目をこらすと遠い奥の扉の前に黒いシルエットがある。


「ガーゴイルだ! ラビリン、走って! お願い」

「キュルル!」


 あわてて走りだす。奥の暗闇からガーゴイルも走ってくる。

 矢のように疾走しっそうするラビリン。

 ドタドタ重たいガーゴイル。


 今回は一つめの遺跡のときより近くで遭遇した。


「キュルッキュル〜。ピュルッピュル〜。キュルルルル〜。からの〜戦神の舞!」


 ところがだ。今回のガーゴイルはラビリンの攻撃をよけた。まるで、まわしげりが来るとわかっていたかのような挙動だ。


「ああーっ! ニャルニャ、行って! お願い!」

「ニャー!」


 ニャルニャも速い。ラビリンほどではないが、レルシャたちの倍のスピードは出ている。まもなくガーゴイルと遭遇し、ネコパンチ連打。


「なー! ななー! なななー!」


 コトン……ガーゴイルは倒れた。しかし、ラビリンが前回倒したときより、ふたまわり大きくなっていた。これ以上だとニャルニャでは厳しかったかもしれない。


「もしかして、ここの試練って、みんな、コレなのかな?」

「そうかもね」


 油断ならない。次はとにかく入ったら即行ダッシュだ。


 扉をあけると、やっぱり女神像の祭壇。ここも一つめの遺跡と同じだ。へたすると、同じ場所をグルグルしているのかと勘違いしてしまう。


 祭壇の前に魔法杖をさしだして祈る。ソフィアラはナイフを。二つの武器が緑色の光を放ち、やがておさまった。


「レル。なんか変わってるの? 見ため同じなんだけど」

「そんなはずないよ。きっと性能がよくなってるはずだよ」


 木の根が中級者でさえ贅沢な上質の杖になったのだ。今回はどれほどの効果を得たのかワクワクする。


 しかし、手にとってみても、たしかに外観上の変化はなかった。


「うーん。わかんない。けど、これを持ったら力が強くなったような気分になるね」

「それは言えてる。いつもより重いものが持てそう」


 きっと、なんらかの効能がついたのだろう。


 ここでも鍵が手に入った。そして、次の扉だ。赤い光は攻撃力解放だ。ドラゴンと戦うのに、もっとも必要な解放である。


「じゃあ、次もなかへ入ったらすぐ走るよ? いいね?」

「行きましょ」

「ニャ」

「ラジャです。キュルッピ」


 扉はくぐる形だが、入ると広くなった。思ったとおり、さっきと同じ造りだ。


「みんな、走れ!」


 廊下の奥にむかって走る。

 今回も先頭はラビリン。次いで、ニャルニャだ。レルシャとソフィアラはあとから、なんとかついていく。ラビリンとニャルニャがいてくれれば、自分まで順番がまわってくることはないだろうと、たかをくくっていたのだが……。


「キュルルルル〜。からの〜戦神の舞! あれっ?」


 まわしげりでよけられたから、今度はウサギパンチだったのに、ぬるっとよけられた。すぐあとを走っていたニャルニャのネコパンチラッシュ!


「なー! ななー! な、な? なな?」


 なぜか、それもヒョイヒョイかわされてしまう。ガーゴイルは勝ち誇ったようにドスドスと走り続け、どんどんふくらんでいく。


(ヤバイ! 魔法なら届くかも?)


 距離はまだあるが、攻撃範囲内だ。レルシャは呪文を連呼した。


「魔法持続の法則! 範囲集中の法則! ブリザード! ファイア! サンダー!」


 三種の魔法が宙をかけぬけ、ガーゴイルは倒れた。かなり大きくなっていたので、像がよこ倒しになると、ズンと廊下がゆれる。


「あ、あぶなかった……あれ以上大きくなってたら、また全滅してたかも」


 だが、やはり自分が強くなったとレルシャは感じた。生命力が倍になっているから、攻撃力も二倍だ。しかし、それだけではない威力だった。杖じたいに攻撃力の補正が入っているようだ。


「さっきの武器解放、たぶんだけど、装備中、攻撃力が上乗せされるんだよ」

「よかったね。これで遺跡はあと一つ?」

「うん」


 女神像に祈る。ここでは赤い玉が一つ増えた。


「この玉は生命力に対しての攻撃力比率が10%あがるんだよ。ぼく、比率35%になった」


 計算すると、レルシャの今の攻撃力はザッと2200だ。魔法杖の威力四倍効果で魔法攻撃力は約9000。さらに、さっきの解放で補正を得ているから、じっさいにはもっと強い。おそらく一万は超えている。


(一撃で一万攻撃なら、ドラゴンでも倒せるかも)


 希望がわいてきた。

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