プレゼント
十数分前
「ちわ〜っす」
(着信音)
「...って、こんな時に電話かよ」
あーい、何ですかぁ?今仕事中でーす。
えぇ?そうだよ仕事、しかも今終わろうとしてたのにお前が電話してきたから延びてんだよ。
おーい、楽しそうな声聞こえてんぞー。
あぁアイツらと一緒にいるのね。お前らがもっと仕事出来てりゃ、クリスマスの日にわざわざ仕事なんてしなかったのな。
あ?嫌味に決まってんだろ全く。
そっちも楽しそうって...w
言ってくれるなてめぇ、うるさすぎてお前の声聞こえなくなりそうだわww
ちょっと待ってろ。
(大きな音)
(耳鳴り)
........んでかけてきたんだ?
あ〜飲みにね、まぁ今日クリスマスだし直近だと正月か。でもさすがにそういうのは家族と居たいからぁ〜...まぁ、また今度って事で。
あ〜ウザイウザイお前らは男臭い部屋で盛りあってろ。あぁ、お似合い。
まぁ仕事もこれで一旦空くしな、1月の中旬とか行かね?
いやだから1月中旬...プッw
あ〜マジかぁお前ら仕事かぁwwwそうだっためっちゃダルいやつなw
まぁ早くて2月だなwほんじゃあ頑張れよwww
はぁ〜クソ面白いわマジでw良かったじゃん醒めて、お前電話越しでアルコール臭ってたぞ
もう逆にお前口臭いから酒飲んでアルコール消毒常時しててくれよ
あ〜w おん、そうだなw
まぁはい、じゃあそういう事で。そう、俺仕事終わってねぇから今から帰ってクリスマスパーティだからな?息子寝るってこの時間は。
あぁ、はい、じゃまた。あ〜い良いお年を〜。
いや早くね?
「アイツ切りやがったw」
「って事で俺もお前ぐらいの息子がいてな。プレゼント楽しみに待ってんだよ。こんな日にごめんな?」
(瞳孔の開いた父がこちらを見ている)
「まぁクリスマスパーティの続きはまぁ、あの世だか常世だか分かんねぇけどそっちでやっててくれ。お前のプレゼントも俺の息子が可愛がってくれるさ」
(血腥い空間に微かに火薬の臭いが混じる)
「メリークリスマス」
(銃声)
プレゼントも大切にされてるしパーティもやってるし、幸せそのものじゃないですか。ハッピーエンドですね。