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19-4 魂に干渉する力とパジャマパーティ(1.4k)

 【中身】を直接叩くのか、【キャスリン@女神降臨】がジェット嬢の患者着をぎ取ろうとしたので、俺は席を外すことにした。


『ギニャァァァァァァァァァ!』


 【試作2号機】を壊しただけでなく、有人機の撃墜という殺人未遂なことをしたんだから罪は軽くは無いだろう。

 いやむしろ、キャスリンでなければ死んでただろうアレは。

 大概タフだなあの御方も。


『ギニャァァァァァァァァァァ!』


 外の空気が吸いたくなったので【魔王城】を出て、西側台地まで来てみた。

 外に出てもジェット嬢のよく通る声で悲鳴が聞こえる。

 なんとなくだが、西側台地のあちこちから何かが居るような気配を感じる。

 一つではない、多数だ。


『ギニャァァァァァァァァァァァ!』


 形が見えないが、何かを感じる。

 なんとなく分かる。

 【たましい】だ。おそらく死者の。

 かつてここに住んでいたであろう人間の【たましい】だ。俺の前世世界で言うところの【地縛霊じばくれい】のようなものだ。

 人が住めそうな場所だと思っていたが、やはりかつて人が住んでいた場所だったか。

 【魔王】と【魔物】に滅ぼされた村とかだろうか。


『ギニャァァァァァァァァァァァァ!』


 なんかこう、よくわからないが、今の俺なら、この【たましい】に話しかけたり連れ出したりもできそうな気がする。

 俺自身が【たましいの危機】を乗り越えたことで、他者の、死者の【たましい】に干渉する能力を手に入れたということか。

 これが【かがやたましいの力】の正体か。


『ギニャァァァァァァァァァァァァァ!』


 女とは、その身で身体と命を育む者。

 男とは、命の種を運び、身体に魂を載せる者。


 そう考えると、【たましいに干渉する力】が、男の持ち得る力の頂点である【かがやたましいの力】の正体であっても不自然ではないか。


『ギニャァァァァァァァァァァァァァァ!』


 だが、死者の【たましい】への干渉はルール違反だ。

 俺自身が【絶対的な別れ】を冒涜ぼうとくしている存在なのだから、この世界の秩序維持のためにもこれ以上のルール違反をすべきではないだろう。

 見なかったことにしよう。

 それを理解してか、俺に気付いたであろう【たましい】の方々もこちらには寄ってこない。


『ギニャァァァァァァァァァァァァァァァ!』


 それでいいんだ。

 如何いかなる理由があろうとも、死者と生者は交わってはいけない。

 それが全世界共通のルールだ。


『ギニャァァァァァァァァァァァァァァァァ!』


 もうそろそろいいんじゃないかな。

 ジェット嬢も反省していると思うよ。


…………


 ジェット嬢の悲鳴が止んだ頃に、【双発葉巻号】で【魔王城】メンバーが帰還した。

 あの悲鳴が聞こえていたのか、速やかに後片付けが行われた。


 居室から車輪付きストレッチャーに載せられたキャスリンがグリーンにより運び出されていった。

 キャスリンは【やり遂げた表情】を浮かべていた。


 居室から厨房廃棄物運搬用台車に載せられた【遺体収納袋】がアンとメイにより運び出されていった。

 袋の中からすすり泣く声が聞こえた。中身はジェット嬢だ。

 ちょっと扱いがひどくないかな。


 レッドとイエローにより居室に開いた大穴の応急修理。

 ブルーとブラックは崖側に落ちた【試作2号機】の残骸の片付けに行った。

 可能な限り回収して復元静態展示用として博物館に送るとか。


 重症だったキャスリンはグリーンの【回復魔法】による治療で完治。

 グリーンは度重なる【医者修行いしゃしゅぎょう】で腕を上げたらしい。


 その夜、ジェット嬢とキャスリンは女同士で話がしたいということで、二人で医務室に宿泊した。

 パジャマパーティというアレか。


 女の友情は命懸けなんだな。

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