8-4 買い出しと内助の功(0.9k)
陸上突撃機【双発葉巻号】の離陸を見送った後、歩いて【魔王城】の入口広場に戻ったらアンが待っていた。
「買い出しは?」
「忘れてた!」
「コラー!」
アンに怒られて俺とジェット嬢は急いで飛んだ。
食材の【買い出し】は時間が大事だ。夕食の調理に使う材料なら、夕食の準備を始める前までに調理場に届けなければいけない。
それが遅れると調理の手順が変わってしまうため、調理担当者に迷惑をかけることになる。
お出かけついでにと【買い出し】を頼まれた【お父さん係】はそこのところよく考えよう。帰りが遅くなるならちゃんと連絡しよう。
子供がいるご家庭で夕食時間が遅くなると【お母さん係】はいろいろ大変なんだ。
マジで。
…………
ちょっと遅くなった夕食時。
臨死ブルーが欠席になっているものの、いつも通りの賑やかな食卓。そんな中、ジェット嬢が俺の隣で渋い顔をしてつぶやく。
「キャスリンは無事サロンフランクフルトに到着したようね」
「なんで分かるんだ?」
「微かにだけど、キャスリンの【あの悲鳴】が聞こえるわ」
「それは、無事、なのか?」
「あの飛行機は無事かしら」
「あの飛行機は、もういいんじゃないか?」
「いや、アレは欲しいわ」
◇◇◇◇◇
キャスリンと臨死ブルーが陸上突撃機【双発葉巻号】の回送と訓練飛行に飛び立った五日後の午後。俺とジェット嬢は【カッコ悪い飛び方】で日課の買い出しの帰り道。
臨死ブルーは帰ってこないが、【魔王城】周辺の整備が一段落したので今夜は【魔王城整備慰労会】を行う予定だ。
だから買い出しの荷物もちょっと多い。
「さすがにちょっと重いわね」
【カッコ悪い飛び方】で俺を背負って飛ぶジェット嬢がぼやく。
「確かに、慰労会するから仕方ないけど、今日の買い出しは量が多いな」
大きい買い物袋二個を抱えて背負われる俺が応える。
「お酒とか保存ができる物は昨日の買い出しで頼んでくれても良かったのに」
「そうだな。昨日は買い物少なかったからな。でも、楽しい慰労会のためだ。【魔王城】まであと少しだ。がんばれ」
「この私が重たいアンタを下から支えてがんばるなんて、コレが【内助の功】とかいうやつかしら」
「はっはっはっ。妻じゃねえだろ」
パキン
●次号予告(笑)●
「【魔王妃】として世界征服でもしてみるか?」
「これから二人で良い思い出を作っていこうぜ」
「俺達二人でここに住むんだろ」
「ジェット嬢の料理か、一度食べてみたいな」
「これから長い付き合いになるんだ。気長に頼む」
そして
「妻じゃねぇだろ」
常識的に考えて、この流れでただで済むとは思えない。
さらに言うと、軽食や弁当で既に何度か手料理食べてるよね。
まぁ、男の感覚なんてそんなもんだ。
世界の命運は如何に。
次号:クレイジーエンジニアと男の決断




