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龍神さまのいるところ  作者: 岡智みみか
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第2話

 翌日の写真部部室には、舞香が来ていた。


撮影した本番の編集作業のためだ。


「ゴメンね。これが終わったら、ちゃんとモデルするから」


 正面で2台、舞台下からの撮影2台、計4台のカメラからの編集だ。


文字入れ等の必要がないとはいえ、台本と見比べながらの早送り鑑賞が続く。


 進んでは戻り、戻ってはまた進める。


台本で確認しながら、役者の見せ所では舞台下からの映像を使い、適宜全景と組み合わせながら編集していく。


彼女の作業を横目に見ながら、自分の現実もこうやって編集出来ればいいのにと、そんなことを思った。


「この場面、どっち使ったらいいと思う?」


「う~ん……。やっぱ左カメラかな」


「だよね。ありがと」


「俺も人生編集したいな」


 そう言うと、彼女は笑った。


「撮影より編集の方が大変だよ」


「そっか。じゃあ素直に撮られるだけにしとくか」


「うん。そっちだけの方が絶対楽しいし、楽だと思う」


 編集作業は進んでいく。


時々部室に誰かが入ってきては、また出て行った。


俺と彼女しかいない狭く薄暗い部室で、カチカチと動かすマウスの音が響く。


校庭から聞こえる声は、別世界からの音声のようで、パソコン画面の中で何度も何度も同じシーンの繰り返される、この変わらない芝居の方が俺たちには現実だった。


下校時間が近づく。


今日の作業はここまでだ。


「今日はハクは?」


「いつも一緒にいるわけじゃないの。自由気ままにあちこち行ってる。自分でもちゃんと探してるよ。ハクは」


 片付けをして、部室を出た。


山頂の学校からは、夕暮れの街が一望出来る。


通い飽きた坂道を並んで歩いた。


今日はいつもと同じように、彼女との距離は遠い。


「……。宝玉探し、手伝わなくていいんだ」


「だって、今は忙しいんだもん」


 だけど、それだとハクは困っているだろうなって、そんな言葉を飲み込む。


俺だって手伝っているわけじゃないし、手伝いたいとも思っていない。


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