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龍神さまのいるところ  作者: 岡智みみか
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第10章 第1話

 翌日、俺は舞香から空き教室に呼び出されていた。


ロック解除の仕方をマスターしたらしいハクは、鍵のかかっていたドアを開ける。


「入って」


 ムッとした熱気がその視聴覚室には籠もっていて、だからってここでエアコンをつけたら、学校にバレたりしないのかなーなんて、思ってみたりなんかして……。


「どういうこと」


「なにが?」


 舞香の体からハクが抜け出した。


真っ白なハクは、今日は透けていない。


なんで透けている時と、そうでない時があるんだろう。


そんなことをぼんやり考える。


「ハクが駆けつけた時には、もう気配が消えたってこと?」


「確かに現れたのだ。間違いない」


「で、そこにいたのは荒木先輩と圭吾だったと」


 一人と一匹の視線が集まる。


「だから、普通に撮影してただけだって」


「宝玉がそこに現れたってこと?」


「……。気配がしただけだから……。なんとも……」


 舞香の質問に対して、答えるハクの歯切れが悪い。


俺はコイツらの味方をする気はないが、邪魔をするつもりもない。


「宝玉って、自分で動くの?」


「……。そんなことはない」


「だったらその、現れたかもしれないって場所の近くを、探してみた方がいいんじゃないの? 学校の校舎の地下に、建設時に埋められちゃってるとか」


 それなら校舎を壊さない限り、探れないな。


あきらめるかな。


「だけど、こないだ荒木先輩と郷土資料館へ行ったとき、宝玉の話しが出たんでしょう?」


「そう、それ! なんでハクと荒木さんが一緒に出掛けてんだよ。どこでバレたの!」


 そのことの方に呆れている。


「二人で一緒に体育館裏でしゃべってたら……」


「ひょっこり現れて……」


「あっさりバレた」


「ねぇ、君たち。そんなガバガバで大丈夫なの?」


「で、なかなか資料館へ行く都合がつかなくて……」


「荒木先輩が場所知ってるっていうから……」


「姿を変えたうえで二人で出かけようとしたら、お前に会った」


 本気で大丈夫なのかな、この人たち。


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