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龍神さまのいるところ  作者: 岡智みみか
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第9話

「もちろんよ……。てゆーか、もっと早く教えて欲しかった……」


「の、希先輩……」


「舞香ちゃん……」


 次の瞬間、二人の手はぴったりと重なり合う。


「きゃー! うれしい! 私ずっと一人で寂しかったんですぅ! 誰にも相談する人がいなくって!」


「やだ、ホント? 私に出来ることだったら何だってするから、言って! 言って!」


 女の子が二人で大騒ぎしている。


とんでもないことだ。


俺がそこから視線を外すと、ふとハクと目が合った。


「ようやく舞香に仲間が出来たようだ」


「仲間って?」


「仲間だ」


「え……だって……」


 俺は? という言葉を、言いかけて飲み込む。


「ちょ、どいて!」


 俺を突き飛ばし、希先輩はハクの前を陣取った。


キラキラと見下ろす。


「は……初めまして。私、井川希っていいます」


「そうか」


「しゃべったぁ~! かわいー!」


 俺が見る時はいつも半透明なのに、今のハクは真っ白な体そのままに、鱗の一枚一枚まではっきりと見える。


希先輩が広げた手の上に、ハクはふわりと飛び乗った。


「舞香を頼む」


「はい!」


 希先輩は、そっとハクに手を伸ばす。


ハクはその指先に、自ら頭をこすりつけた。


「かわいー!」


 なんだよ。


俺の手は噛んだくせに。


すっかり意気投合した女子たちの間で、ハクまで楽しそうにぷかぷか浮かんでいる。

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