表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍神さまのいるところ  作者: 岡智みみか
30/113

第10話

「お前、名前なんていうの」


 なんかヘンなものかと思ってたら、やっぱり悪い奴ではなさそうだ。


龍といえば悪いものでもないだろ。


腕を伸ばしたら、その手にガブリとかみつかれた。


「痛った!」


「気安く触れるでない!」


「何だよ、突然噛むなよ!」


「無礼者め、そこから動くな」


 そんなことを言われたって、どうしろってんだ。


噛まれた手を見る。


血は出てないし、甘噛みだ。


舞香はめちゃくちゃ驚いている。


「圭吾、本当に知ってたの?」


「う、うん……。池の上から降りてきて、すぐに取り憑くところを見ちゃった……」


 チビ龍と彼女は息を揃え、盛大にため息をつく。


「だから、そういうことはもっと早く言ってくんないと!」


「私も知らなかったのだ。仕方ないだろう」


「どうしてそんなにマヌケなの!」


「間抜けとはなんだ、舞香よりはるかにマシだ」


 一人と一匹はにらみ合っていたかと思うと、また同時にため息をつく。


「えぇっと……、いまはどういう状況?」


 三人はそれぞれに目を合わせた。


それを聞かないことには、俺だってどうしようもない。


夕闇に沈む公園で、またため息をつく。


彼女とチビ龍の出会いは知っている。


問題はそれ以降と、これからのことだ。


「あの池をね、作ったのはこの人なんだって」


「ヒト呼ばわりするな。お前たちとは生きている次元が違う」


 要約すると、宝玉を隠すために天界から地上に降り、地面に隠したのはいいんだけど、その後どこに行ったのか分からなくなったんだって。


「行方不明なのだ」


「なくしちゃったから、探してほしいんだって」


「それはいつごろ隠したの?」


「1,200年前」


 平然とそう言ってのけるチビ龍を俺は見つめた。


舞香もそれが当たり前のように突っ立っている。


「あぁ、そりゃ大変だな」


 なんだよそれ。


やっぱり関わるんじゃなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ