第6話 男なんて適当でいいんだよ
主人公(峰勇人)=ヒーロー
これからはヒロイン達のことをもっとよく知って行くぞぉー!……………って、思っていた時期が僕にもありましたっ!いや~、一時的なテンションって怖いね。何をしようとしてたんだろう、僕。無理無理。接点のないというか、既に別グループの女の子と仲良くなるとかハードル高すぎ。一方的に知りたがるとか、それは只のストーカーじゃないか!今時はどこからがストーカーの線引きか分からない…。気を付けよ。それに、天園さんにしてもそうだよ。まるで僕のことに気付いていない。助けたっていうと烏滸がましいけど、少しは気に掛けてくれてもいいんじゃないかな?もしかして、無視されてるの⁉
あっ、謎の力の原因が判明したよ。僕は左腕にあるリングに目を向ける。これはダンジョンで発見されて、解析、量産に成功した魔道具。入学した際に配られた物だ。その機能は自己分析。つまり、ステータスを表示してくれる。装着者の使える魔法やスキルが一覧になって見ることが出来るが、ここで勘違いしてはいけない。スキルがあるからその技能が使える訳ではない。技能がスキルの基準に達するとそのスキル名が表記されるのだ。
何でもかんでもスキルを得れば楽勝な世界とは違うのだよ!お前は相手と戦っているんじゃなくて、ステータスと戦っているのかと問いたい。圧倒的レベル差を覆すスキルなんて都合良すぎると思うんだよね。
閑話休題。
そして、僕のスキル欄には黒塗りのスキルがあったのだ。隠しスキル扱いで僕以外見ることが出来ない。入学初日、あの夢を見た次の日にはこれはあったが、この度変化が起きた。
<偽勇者>
ヒロインを救う為のみの力。危機的状況になる前に現場に召喚する。
うん、膝から崩れ落ちてもいいかな?きっかけは天園さんの事件というのは間違いないだろう。黒塗りだったスキルはこうして表示されている。それにシンプルな説明ありがとうございます。何、このピーキー過ぎる能力⁉
勿論この能力は僕が頑張って手に入れた物ではない。さっきの説明と矛盾するじゃないかと思うかもしれないけど、1つだけ例外がある。天授スキル<勇者>だ。まあ、噂レベルの眉唾物で誰も存在を確認したことがない。でも、僕は知っている。ヒーローが勇者スキル、―――の前段階の<勇者の卵>スキルを持っていることを。
僕は天授スキルを手に入れたんだ!と喜ぶことはしない。何故なら頭に余計な文字が付いているからだ。…ふむ、偽………ニセ?余計なお世話だよ!誰の嫌がらせだ!!せめて格好いいルビ振ってくれません⁉それともあれか?「あんたが本物の訳ないでしょ!勘違いしないでよ!」っていうメッセージかな?とんだツンデレなスキルさんだ。
そんな訳で、現状はこんな感じです。ヒロインに近付くのは無理。なら、僕が出来ることを取り敢えずはやって行こう。今日はこれからパーティーメンバーとダンジョンに行く予定だ。
「よお、主人公。皆はまだ来てないのか?」
「………」
「なんだ?今日は随分と嫌そうな顔してんな…。」
鬼ヶ島桃太郎
パーティーの盾役。大柄な見た目通り、屈強な体をしている。学年トップクラスの防御力とヘイト管理能力。だが、欠点がある。狂暴化するのだ。タンクのバーサーカーって何だよ!そのため、トップグループでは疎まれて、僕のところまで落ちて来たので拾った。
モモが僕のことを主人公と呼ぶのは偶に目元が見えないからとかふざけた理由だ。ギャルゲーのやり過ぎじゃないだろうか?元来、目すら描かれないのはモブの証のはずだ。はぁ~、やれやれ。もう手遅れかもしれないけど、眼科…じゃなくて、脳外科に行った方がいいと思うよ。嫌そうな顔をしたのはこれまでのことがあったからだし、本当の主人公は…。それを察しろってのは土台無理な話だしね。
「ああ、ごめん。僕にも色々あるのさ。気にしないで。」
「いや、なんか知らんが俺も悪かった。すまん。」
「ケンカでやんすか?これからダンジョンでやんすよ。」
「………」
「ケンカじゃねぇよ、ヤス。ジュアンは相変わらず無口だな。」
久世靖虎
パーティーの斥候。ひょろっとしていて、下っ端臭が半端ない。しかし、学年トップクラスの気配察知とスピードを持つ。だが、欠点がある。回避能力と防御力が圧倒的に低いのだ。ステータスが尖ってるぜ!そのため、トップグループでは疎まれて、以下略。
一式十案
パーティーの魔法使い。老け顔で寡黙な男。学年トップクラスの火力を誇る。だが、欠点がある。本人は如何にして敵をスタイリッシュに倒せるかを求めている。牽制の為に魔法を使うことは一切ない。よっ、燻し銀!ただの皮肉だよ!そのため、以下略。
どうだい?最高にイカしていて、イカれた仲間だろ?まあ、男共はどうでもいいか。…おっ、来た来た。
「おーい、華夜ちゃん!」
「あっ、ハル君。」
よくよく考えたら、スキル=技能なんだよね…。
本文で何言ってんだコイツと思わないで、ゲーム用語のスキルとして捉えて下さい。
『ももたろう』から『とうたろう』に変更。
愛称がモモ。




