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やっぱり僕はモブだった。  作者: 白蛇ちゆき
第1章 ヒロインだからって出番があると思うなよ
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第17話 ダンジョンは出会いの場③

 1週間に亘るクランの遠征も今日が最終日。当初感じていた不安もどうやら杞憂だったみたい。寧ろ途中からは有意義な物にしようと積極的に行動しようと心掛けていた。やっぱり、皆凄いなあ。個々の能力の高さもさることながら、私が1番目を見張ったのはフォローの速さと正確さだった。短い言葉のやり取り、またはアイコンタクトだけで完璧な連係をしてみせた。これが本当の仲間なんだと感心したし憧れた。勿論皆はお互いに時間を積み重ねている。それに比べて、私はまだまだ浅い。上手くやれているのは皆にフォローされているからだというのは分かっている。1日でも早く、本当の仲間の一員になりたい思いが強く募るばかりね。このエリアを探索したら帰還する。皆に置いて行かれない為に訓練をより一層頑張らないと!


 「ねぇ~、今日で終わりなんだから、ちょっとくらい好きにさせてくれてもいいんじゃないの~。」

 「うむ。私達は軟弱になった勇人を鍛え直さねばならないのだ。委員長。」

 「最初に話した通りよ。予定の変更は認めないわ。」


 金髪に染めた見た目ギャルな八咲(やざき)さんと結った綺麗な黒髪が腰まで届く古風な(さかき)さんが(しき)さんと話し合い、というよりも交渉しているのが見えた。あっ、委員長ってのは愛称であって本当に委員長って訳じゃないんだけどね。キリッとしていて知的な女の子。眼鏡も良く似合っているもんだから雰囲気でそう呼ばれているみたい。識さんは交渉の余地なしとばかりに素気(すげ)無く切り捨てていた。


 ちなみに八咲さんと榊さんは違う流派の剣術道場の娘さんで、小さい頃から姉妹同然で育ったらしい。真逆というくらいタイプが違うのに仲がいいのはそういう理由がある。また、峰君も遊びついでに稽古に参加していたらしいし、八咲さんと榊さんは峰君のこと、もしかしなくても好きなのかな?でも、やっぱり今の峰君には思うところがあるみたいで、機会を窺っていたようね。そのチャンスも接触すら出来ずに終わりそうになっているから少し焦っているのを感じる。………恥ずかしながら、聞き耳を立てて分かった内容です。


 そう、この場に峰君はいない。遠征の計画を詰める会議があったんだけど、峰君の全員で行動して適当に狩りをすればいいだろ発言にはさすがの私でも頭を抱えたくなった。小学生の遠足じゃないんだから…。発案者が何も計画していないのはどうなんだろう?と思っているところで、深い溜息とともに識さんが舵取りをしてくれたのだった。


 『クラン総員で行動するのは初めてだし、効率も悪いわね。…では、こうしましょう。』


 行動の基本として男女で2班に分け、少し離れたところに配置する。その班でパーティーを組み、すぐにフォロー出来る位置取りをして移動すること。そして、男子班、女子班で連絡を取り合いながら危険を避け、どちらかに何かあれば、どちらかが救援に駆け付ける。


 識さんが提案するも峰君が激しく食い下がって来た。正直なところ、下心を隠せなくなっていて怖くなったわ。でも、識さんが全て論破して、更に多数決によって識さんの支持が盤石なものになった。峰君は歯を食いしばり、もう何も言えなくて悔しそうにしていた。それよりも識さん、出来る女って雰囲気が凄くて、カッコよかったなぁ~。


 私が快適にダンジョン探索に挑めているのは識さんのおかげと言っても過言じゃないわね。八咲さんと榊さんには悪いけど、あの時の峰君を思い出すとちょっと………ね。


 回想を終えた丁度その時。識さんが持つ通信デバイスに着信が入ったことを音で知らせてくれる。確か、定時連絡は識さんからしているので、デバイスが鳴るのは今回が初めてのはず。これは男子の方で何かあったのは、まず間違いないと察知するには十分ね。さすがの識さんも眉を寄せていた。小さく溜息を吐いてから通信に応じ、連絡を聞いた識さんは―――


 デバイスを操作して何かを確認した後、隣の山に体の正面を向けた。そして、眼鏡を外して目線を僅かに動かして探し物をしているみたいだった。


 「あなた達の峰君が問題を起こしたわ。迎えに行くから協力してもらうわよ。」


 眼鏡を掛け直した識さんが八咲さんと榊さんに告げた。それから手を一つ叩き意識を向けさせてから皆に状況を説明して、これからの指示を出し始めた。


 「どうやら峰君、他数名が休憩中に無断で行動してドラゴンと遭遇、逃走をしている最中よ。救援要請が来たけど冗談だと思ったみたいで、事態に気付くのが遅れたみたいね。日頃の行いかしら。それに山の反対側に逃げたため孤立している状況よ。男子班はドラゴンの棲家(すみか)が近い可能性があるから警戒態勢を取って、安全が確保出来たら合流する手筈になっているわ。私達は数名を彼らの回収に、残りは男子と同様に行動することとします。あとは頼んだわよ。」


 識さんが言う回収メンバーとして、八咲さんと榊さん以外にも何名か呼び寄せ、何か考える素振りをしてから私に目を向けた。


 「天園さんも一緒に来てくれるかしら?」

 「はい!わかりました!」


 まるで上司に言われたことに条件反射で答える部下のような返事をしちゃって、とても恥ずかしい…。識さんは珍しく目を丸くして、それから笑みをこぼした。


 「ふふっ。そんなに緊張しなくても大丈夫よ。」

 「ごめんなさい、つい…。えへへ。」


 よ~しっ!頑張るぞぉ、おーーー!

補足説明

 ダンジョンではスマホは使えません。

 通信デバイスは魔道具です。人数規模が大きくなった際の必需品。名前を後で付けるかも…。

 探索者リング。またはリングデバイスは個人特化とその延長線の機能。

 通信デバイスから探索者リングへの通信は出来るが、その逆は不可。



はい。新ヒロインが見切れました。ちなみに剣術娘2人の方です。なのに委員長の出番が多い。

名前はなんかしっくりこないので(仮)です。委員長は名前を出すつもりもなかったのに…。

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