とある女性Aな彼女
これはコナンを見てて思い付いた展開です。
そういえば関係ないですが、コナンの映画延期になりましたね。残念です。赤井さ~ん、楽しみにしてたのに~(>_<)
自宅に帰ってきた彼女がこの記事を見付けたのは本当に偶然だった。
彼女は学校でも結構美形な方で男子にも人気があり、告白された回数も幾分かある。
男と付き合ったこともあるが、いつも何かがシックリ来なくて直ぐに別れてしまう。その繰り返し。
いつからか彼女は付き合うことさえ、面倒に思うようになった。
「私が誰かを好きなる事は一生無い」
それが彼女の口癖であり、心から思っていた事だった。
しかし、それが今とある記事によって塗り替えられようとしていた。
『コンビニに王子降臨!』
このタイトルを見た彼女は意味が分からなかった。それと同時に、失笑した。
「馬鹿馬鹿しい。イケメン程度でなに騒いでるの」
彼女が付き合ってきた中にもイケメンは居た。
それこそ学年一のイケメンとも付き合った事がある。
しかし、それでも彼女の心は微動だにしなかった。
確かにイケメンと呼ばれる部類の男子は格好いいと思っている。
それこそ、テレビ等に出演する人気の男性俳優等を見ても同様に格好良く感じる。
しかし、それだけ。
それ以上に何か感じることはない。
友達等には「可哀想だ」と言われるが、本人はそうは思っていないし、これからの出会いにも期待していなかった。
彼女がそのサイトを開いたのは本当に偶然で、暇潰し程度の認識しかなく、ただそのイケメンと思われる男の顔を見て何も思わない自分に、やっぱり自分はイケメンには心動かされないという自分の認識が正しいと改めて理解したかっただけだった。
ただ、それだけの筈だった。
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『コンビニに王子降臨!』
なんと、家の近くのコンビニで働いているイケメンを発見!
いつも通っていて最近見かけだしたから、多分新人さんだ。
でも彼が本当にイケメンで、お弁当を買った時に「コチラ暖めますか?」って聞かれた時にはもう既に恋に落ちてた。
テレビで見るイケメン以上だった。ついでに写真貼っとく。
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「ッ!!」
その写真を見たときに思わず息を飲んだ。
その写真に写る彼は今まで見てきたこともない部類だった。
テレビ俳優よりも整った容姿にそれを際立たせるオーラの様なモノ。
例えようもないそれは、彼女の動かなかった心臓を、押し動かした。
(なに、コレ……。心臓がバクバクして、押し潰されそう……)
彼女には初めての経験と言われるそれは理解されるのに時間は掛からなかった。
「コレが、恋……」
コレが初めての恋だった。
そして彼女の脳内はひとつの思考で埋まる。
それを解決するためにその記事を隅々まで読む。
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[コメント]
『ウッソ。マジにイケメンじゃん!?』
『王子さま降臨は間違いじゃない!』
『え、て言うか彼誰かに似てない?』
『あ~、喜原勇也でしょ? 社長息子の』
『そう。てか本物でしょ?』
『なわけ。社長息子がアルバイトなんてするわけないでしょ? 他人のそら似だよ』
『確かに』
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しかし、まだ彼女が求める情報は見つからない。
そして、サイトを開いてから十数分後。
夕御飯を食べるのをほったらかして見ていたら遂に求めていた情報を入手した。
『王子様の出現場所はここ』
そのコメントと共に位置情報が載せられていた。
「これで彼に会いに行ける」
彼女はこれに歓喜する。
初恋の相手は幸い近くに居るらしい。
彼女の初恋はまだ始まったばかり。
毎回「過去最高につまらない!」と感想で書かれそうな恐怖で更新するか迷う自分は間違っていないと思う。