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寝取りってよくやるよ勇者様…

作者: 飛露

あくまで寝取られを題材にした作品です。

好みが分かれる作品かと思います。御容赦下さい。

ついでにチート系なんで苦手な方はお控えどうぞ。


設定ガバガバだしいろいろ違和感を与えるかもしれません。未熟なもんで許してください。あ、でも違和感あるよってことは教えてくれると修正したり参考になったりするのでばしばし下さい!





違和感あるって人が多かったのでステータスの「コピー」のコピーを「上乗せ」に変えさせて頂きました。

またどこか違和感あると感じたら都度変えていただき、いい作品にしたいと思いますのでどうか御容赦のほどお願い致します。

俺の名前はレイ、辺境で村人をしてる。

やることと言えば狩りに出たり畑仕事を手伝ったりで裕福ではないが特に貧しさも感じずに暮らせている。


話は変わるが俺には同い年の幼馴染がいた。

いた。過去形だ。


彼女の名前はリーシャという。

彼女は去年一緒に受けた成人の為の儀式の中で、神からの信託が下され聖女になった。

聖女の役目云々で王都に行くことになったのだ。

勇者のパーティとして魔王を討伐するためらしい。


俺とリーシャは成人前から将来を約束した恋人だった。

成人の儀式が終わればすぐにでも村で結婚式をあげようと言う話にまでなった。


しかし話はそう上手くはいかった。


彼女は聖女だ。 神にその身を捧げる聖女は結婚式を挙げることがタブーとされていた。


だから俺達の結婚話は頓挫した。


明日には王都に出発すると言われた前夜、リーシャから抱いて欲しいと言われた。

結婚式はダメでもヤルのはセーフってんだから神様もわからない。


リーシャの希望通り俺はリーシャを抱いた。

離れても忘れることのないようにと願って愛し合った。


翌朝リーシャは寂しさを浮かばせる表情で村から去っていった。


それから1年だ。

勇者パーティが次の目的地の途中ということでこの村を通るという話を聞いた。


俺も歓喜した。リーシャにあえると。

しかしそんな気持ちも裏切られることになる。


なぜなら勇者であろう人物とリーシャがばんえい馬のようなでっかい馬の上で抱き合いながらイチャイチャしていたからだ。


俺は直ぐにリーシャに駆け寄った。


「リーシャ! その男は誰なんだよ! なんでそんな見せつけるようにイチャイチャしてんだ! 」


俺に気づいたリーシャは気まずそうに俯く。

代わりに男の方が俺に話しかけてくる。


「お前リーシャが言ってた恋人だったってやつか? 残念だがリーシャはもうお前の女じゃない。 この俺、勇者のもんだ。 気安く喋りかけてくんなよ」


俺は言葉を失った。

その言葉を聞いてじゃない、その言葉に反応してリーシャが勇者に対して照れたような仕草を見せていたから。

信じたくないと思っても現実を突きつけられてしまった。


「まぁ、気に病むなよ。 お前は平民で俺は勇者。 待遇も地位も違うんだ。リーシャが俺に惹かれちまうのなんて当然だろ? さっさと諦めて新しい女でも見つけるんだな。 もしその新しい女が可愛かったらまた俺が貰ってやるよ!」


勇者はゲスの様に笑う。

この勇者の他にもローブを着た魔法使いのような人や騎士のような人がいた。どちらも女だ。

わかりやすい。このゲス勇者はハーレム作ってウハウハしてるんだって。 リーシャもその一員なんだって。


「リーシャ! なんでだ! 俺達愛し合ってたじゃないか! 出発の前夜だって…」


リーシャは喋ろうとしない。

勇者の言葉には照れたようにはにかみ俺には沈黙を返す。


「おい、気安くリーシャって呼ぶなよ。 話しかけてんじゃねぇよ。 平民だろうが弁えろ。」


勇者は馬から降りて俺に近づいて俺の顔面を殴る。

裏切られ、注意力散漫だったレイは勇者の拳を避けることが出来なかった。


「察してやれよ。 もうお前とは話したくねぇんだよ。 でも勘違いすんじゃねぇぞ? リーシャは凄くおしゃべりなやつだよ。 特に夜なんて近所迷惑考えちまうくらいだからなぁ」


「レッド!」


リーシャが口を開いた。恥ずかしそうに、ちょっと怒ったように。

そして勇者の言葉。 間違いなく、リーシャと寝たんだろう。

俺はある言葉を思い出した。


これは、 【寝取られ】ってやつだって。


リーシャは俺を選ばなかった。

勇者を選んだ…

俺は裏切られたんだ…

愛していたのに…


心の中で折り合いがつくのを感じる。

リーシャへの気持ちが急速に冷めるような、いや、初めからそんなものはなかったかのように心のモヤは消えた。


…もうここに居るのは俺の知ってるリーシャじゃない。

リーシャは旅立ちの日に命を落としてしまったのだろう。


「はぁ、勇者も聖女もクソばっかりとか幻滅だ」


俺は立ち上がり勇者とリーシャを睨みつける。


「は? お前今俺とリーシャを侮辱しやがったか? 勇者侮辱するなんざ国に喧嘩売るようなもんだぜ。 リーシャの憂いを断つことも兼ねて、てめぇはここで処刑してやるよ」


勇者が剣を抜いた。俺はそんな勇者を棒立ちのまま見ていた。


「へ! 高々平民ごときが勇者を侮辱するなんて馬鹿な真似するから死ぬんだよ。 リーシャ、止めんじゃねぇぞ」


リーシャはコクリと頷く。


「ゲスをゲスと言うことが罪ならそんな法律無い方がいいな」


あえて挑発のように嘲笑しながら勇者を罵倒する。


「殺す!」


短気な勇者は俺に切りかかってくる。

俺は体を少し捻るだけで剣を避ける。


…うん、問題なくやれるな。


それから何度も何度も勇者が俺に切りかかってくるが1度だって当たらない。

躱して躱して躱して躱して、ずっと続けていると勇者が息切れしたようで剣が止まる。


「はぁ、はぁ、なんで俺の剣が当たんねぇんだ! 俺は勇者だぞ! 」


勇者は勿論リーシャやほかの2人の女も驚いているようだった。

当然だろう。今の今までずっと最強だと思って疑わなかったやつが子供扱いされているのだ。

だが当人の俺からすればこんなのは当然の結果を通り越して常識と言えるくらいの簡単なことだった。


「お前が俺を舐めてるから弱ぇんだよ。 いいや、俺が強ぇのか」


実は成人の儀式の時、俺にも神から授かったスキルがあった。というかスキルはみんな等しく貰える。 その中で聖女はなくてはならない存在ということで誰にでもわかる形で信託が降りるのだ。

神も国も勇者と聖女贔屓なんだ。どうしようもねぇ。


みんなリーシャの聖女に注目していたけど俺もその時スキルを貰っていた。


スキルの名前を【強肉弱食】


強いやつを肉として強くなるスキル。

ジャイアントキリングが近いだろうか。


効果は至ってシンプル。


俺を舐めているやつと敵対したとき、そのステータスを俺のステータスに上乗せできる能力


取り込んだステータスは消えたりせずステータスに上乗せされる。

だから1度発動してしまえば俺は勇者のステータスをも取り込んで勇者より強くなれるってことだ。


だが実の話、勇者のステータスがなくても俺は既に勇者より強かった。

しかしこのスキルは発動した。


あくまでも俺を見下した奴のステータスを取り込むって所が基本らしい。

故にジャイアントキリングもちょっと違う。


このスキルは強いやつが弱いやつに食われると言う意味だが俺の方が強くても俺が食われることは無かった。


だから本当に強いやつが食われるのではなく、自分の方が強いと思ってる奴を、自分は弱いと思っているやつが食えるというのが俺のイメージだ。


だから俺は常に、敵対した時は相手の方が自分より強いと警戒する。

その警戒を怯えと取るか経験の有無で取るかは相手次第だったが、大抵のやつは余裕の無い弱いやつという印象を受けたはずだ。


実際戦ってみての戦闘力は俺が上だとしても、戦闘を始める前にスキルを発動させてしまえばそんなものは関係なく俺のスキルは発動すると知った。


聖女として強くなっていくリーシャにとって相応しい人間になろうと俺は半年ほど旅に出た。

行き先は魔王城。


最初こそ何度も死にかけたしやばかったが、なんとか生き残って旅を続けた。

魔族と遭遇するようになってからは簡単にスキル発動まで行けたので楽だった。

それは魔族が人間を下と信じ切っていたからだ。 おかげで魔族のステータスの上乗せを繰り返し強くなることが出来た。


本気で命の危険を感じたのは魔王配下四天王の最後の一人だった。 その頃かなりの数のステータスを上乗せしており、実力もついてきていて、四天王を3人も撃退した俺のことをそいつは滅茶苦茶警戒していた。

侮っていなかった。最初から全力で殺す気できていたのだ。

ステータス的にそいつの方が少し上だったからかなりの確率で終わったと感じた。


…というか四天王のうち3人のステータスを上乗せしても最後の1人に負けんだから四天王いらねぇじゃんと思った。 しかし適材適所とか言うやつだったんだろう。


俺は必死に抵抗したが為す術なくそいつに倒された。

地面に這いつくばって動けない俺を見てそいつはやっと警戒心を解いてくれた。


「貴様は確かに強かったが俺の敵ではなかったな」


などといった。

舐めていたわけじゃなかったんだろう。

だが自分の方が上とわからせるような口調は相手を見下しているからこそ出てしまう発言だ。


そうなれば俺のスキルは発動する。

そいつのステータスを取り入れた俺は自己回復力も底上げされ、直ぐに立ち上がりそいつに斬りかかった。


そして一方的に押し切り勝利した。


それから俺は休憩も取らず魔王城の最奥へ辿りついた。

そこにはやはりというか勇者が倒すべき魔王が座っていたのだ。


「よくぞ来た人間よ。 そなたが勇者か? だがまったく問題はない。我からすれば全てのものは芥同然よ」


俺はその言葉だけ確認してから魔王城を去ることにした。

魔王は俺を舐めていたのだ。

もう魔王のステータスを俺は取り込んだ。 だからここにいる意味が無い。


さっさと村に帰ってリーシャを待とうと。

魔王は途端に帰り出す俺を素直に帰す訳もなく襲いかかってきたが軽く撃退してやった。


俺に害がなければ俺はお前達には手を出さないと約束してやったおかげで素直に帰してくれた。


ちなみに俺は魔王軍の誰も殺してない。

ステータスを取り込むことが目的だったからだ。

殺す気は無いしそもそも魔族殺すのは勇者の役目だからおれがそんなことする気にはならなかった。


そうして魔王軍のステータスを取り込みついでに勇者のステータスを取り込むことが出来たのだ。

そんな俺に今更成長途中、たとえ成熟したとしても勇者なんかの攻撃が当たるわけがない。


寧ろ俺が剣で切りかかったら聖剣ごと切ってしまうかもしれないから迂闊に剣も抜けない。

仕方ないので殴るしかない。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


雄叫びを上げて再度切りかかってくる勇者の剣を左手で逸らし右ストレートを決めてやった。

勇者が華麗に放物線を描き後ろに吹っ飛ばされた。


起き上がってこないが死んではいないだろう。多分。手加減したし。


さてと、勇者とっちめたしリーシャに興味も失せて待つ気も無くなった。 これからまた旅でもしようかな。

俺が頭の中でそんなことを考えているとリーシャが俺に近づいてくる。


「レイ!」


リーシャが泣きそうに顔を歪めている。

ような演技をしているなんて思っちまうくらいには信じられなくなっている俺。


「なんだよリーシャ、勇者のことなら正当防衛だぞ。 やつから襲ってきたんだからな」


「違うよ、勇者なんてどうでもいいの! 私レッド…勇者に脅されてただけなの! 自分のものにならなかったらレイの命はないって! だから私は!」


そんなことを必死に訴えかけてくる。

本当なら泣かせる話だろう。

本当の可能性があるかもしれない。


だけど俺は嘘だと感じてる。

だってそれを俺に伝える期間なら1年たっぷりあったはずだ。

常に勇者が隣にいた訳じゃないはずだ。

ならその旨を書いた手紙でもよこしてくれれば俺はすぐにでもリーシャを助けに行った。

なのにそんな連絡もよこさないで勇者が使えなくなったから媚を売ってくるような女にどんな感情を持てっていうんだ。軽蔑しかプレゼントしてやれねぇ。ごめんな?


それにさっきお前俺が殺されそうになるの止めなかったじゃねぇか。 今更どの口でそんなこと言うんだよ…。


「お前のそれが本当だったとしてもお前はもう俺の女じゃねぇ。 他人だよ」


「そんな! 嘘よ!さっきだってあんなに言いすがってくれたじゃない! それに結婚は出来なかったけど私を抱いてくれたじゃない! 」


「言いすがったのは信じたくない気持ちがあったから。 折り合いつけたら気持ちも冷めたよ」


リーシャは勘違いしている。

俺はリーシャを抱いたから言いすがったわけじゃないしリーシャを抱いたからリーシャを愛していたわけじゃない。

リーシャが好きだったから。

その一心で頑張ってきたんだ。それを裏切って別の男に言いよってそいつが使えないとなるとまた俺に…なんてやつにもう愛情なんて湧くわけがない。


「もうお前は他人だ。恋人でもなんでもないんだから俺に話しかけてくんな」


「嫌よ! 私はレイを愛しているわ! そんな悲しいこと言わないで! 貴方が望んでくれるなら今からでもまた一緒に…」


いい加減うんざりだ。リーシャはこんなクズみたいなやつだったのか。昔の俺は見る目がなかったと後悔してきた。


「生憎だが他の男に言い寄って他の男の上で喘いで1年間たっぷり精液まみれになった汚ぇお前なんか触りたくもねぇんだよ。 俺基本他人が触ったものって怖くなる小心者だからな。 俺が先に抱いてたのにも関わらずお前を抱いた勇者は懐が広いよ。 これから末永くお幸せにな」


この俺の一言でとうとうリーシャは何も言わなくなった。

魔法使いと騎士は勇者を介抱している。

俺はさっさとその場を離れ村を出た。



…はぁ、勇者を殴っちまったんだ。 これから人間の国では生きにくくなっちまうなぁ。


どうせなら魔王軍にでもいれてもらうかな?

魔族殺して回ったわけじゃないから恨まれてないだろうし俺ほどの戦力ならきっと即戦力だろう。


「よし! 次の目標は目指せ魔王軍幹部かな!」


とても晴れやかな気分で魔王城へと歩き出す。

人間のしがらみを1歩ずつ抜け出しながら。

今より快適に過ごせそうな場所へ。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーー






それから数年の月日が流れた。

俺は魔王の覚えもめでたくさっさと幹部になった。

四天王の4人目のあいつは俺の事をライバル視しててお互い高めあえるいい仲間になった。


ついでに言うと魔王はお年頃の女の子だった。

普段は相手を威嚇するために男のような姿に偽装していたらしく、俺はそれに気づく前に帰っちまったのでその事実に気づいたのはそれこそ幹部になったあたりだった。


魔王は正直滅茶苦茶好みだったから気づいた当初から即猛アプローチを掛けてみた。

最初こそ俺に怯えていたが徐々に心を許してくれて、今では子供3人できて仲のいい夫婦だ。


勇者パーティは幾度となく立ち塞がる魔王軍幹部(俺)のせいで魔王城にすら辿り着けなくなり、求心力を失い、今までの悪行を咎められお城から出られないらしい。


お城の中でどんな目にあっているのやら…。


まぁそんなことは関係ない。


俺はこれまでどおり、これからも魔王と、子供達と、そして仲間である魔王軍を守り抜いていくだけだから。

面白かったら嬉しいですね!

もし感想とか修正とか分かりにくいとか教えてくれれば今後の励みになります!

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― 新着の感想 ―
[一言] 勇者を再起不能になるまで殴った後に元カノ諸共空高くぶん投げてパラシュート無しスカイダイビングをさせるべきやったな
[一言] したんだ!?って驚きました 面白かったです!
[一言] 面白かったです。 これからも頑張ってください
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