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生まれ変わった剣聖の物語  作者: ぷるぷりくんた
第2の人生
36/37

ゴブリン退治

明日も投稿します。

 あれから1ヶ月がたった。その期間中は学園で授業や訓練を行い、休みにはギルドで簡単な依頼を受け、実践的な活動をしていた。


 ある日の帰りのホームルームに担任のベイル先生から、こんなことを言われた。


「急遽、1週間後に学園で毎年恒例の魔導剣舞祭が行われることになった。本当なら冬に行われるはずだったんだがな。最近、魔物の動きが活発になってきており、それに対抗するため優秀な人材を王都に確保したいそうだ。1ヶ月後にはクリムスペイン公爵領全体の大会が開かれ、秋の王国全土の大会の選抜メンバーが選ばれるそうだ。心してかかってほしい」


 周りの連中から聞こえるのは、歓喜よりも悲痛な叫びだった。

 普通は冬に行われる。冬であれば才能が開花した1年生にもチャンスが訪れるのだが、入学してからようやく実践訓練に慣れてきたこの時期では、1年生から選抜メンバーが選ばれる確率は限りなく0に近いからだ。


 ――――だからこそ、皆の意見は否定的なものだった。


「お前達の言いたいことはよく分かる。正直なところ、1年生の職員達は納得していない。だが、例年と違い何か大きな変化が訪れる予兆が幾つも起きている。それに対抗する為にな。だから、この決定が覆ることは無いだろう」


 そう言われてしまうと、何も言い返すことができない。結局は、権力者が物を言ってしまうからだ。


「以上で終わりとする。皆、頑張って取り組むように」


 ベイル先生が教室を出た後、クラスメイトからは不満の声が所々聞こえてきた。

 俺も正直、嬉しくは無い。準備する期間が減った訳だし、言いたいことがない訳では無いからだ。


 俺はとりあえず、ガイの所へと足を運んだ。


「ガイ、どう思う?」


「う〜ん……俺は嫌だな。上級生に独占される未来が見える」


「だよな……」


 正直、上級生がどのくらい強いのかは分からない。

 だが、仮に自分達の潜在能力が相手より高くても、実践を積んでいない連中はその力の半分も引き出すことが出来ないものだ。


 ――――それくらい、実践の差というものは大きい。


「ふ〜ん。アストくんならいけるんじゃない?」


「イ、イル? なんで抱きしめながら言うんだ?」


 後ろから抱きしめながら、耳元に囁いてきたイルに緊張してしまう。

 なんだか少し、むず痒いし恥ずかしいのだが…………。


「いいのいいの。そんなことよりどうなの? 勝てるの?」


「…………どこまでいけるかは分からないが、トーナメント形式だし1回戦は突破したいな……」


「なんで、弱気になってるの! 私が応援するから頑張ってね!」


 何故か俺より盛り上がっているイルを一旦、放置しておこう。

 今日はみんなでギルドに行く日だし、とりあえずセルティナとメイアを迎えに俺とガイは先に向かった。


「セルティナ、メイア! 行こうか」


「「うん」」


 そう言って先に行こうとしたが、後ろから猛ダッシュでイルに跳びつかれた。そのときにセルティナにジト目で見られたとさ…………はい。




「今回挑むクエストは、ゴブリンの討伐。最低でも10体だ。情報によると、近くの森の洞窟にゴブリンの群れがあるみたいで、奥にはかなりの数がいるみたいだ」


「アストさん、それって大丈夫なんですか? 危険とかって……」


 どうやら、メイアは不安みたいだ。メイアの実力なら1人でも出来ると思うんだけどな……。


「メイア大丈夫だ! 俺が守ってやるからな!」


「ガイくん……」


「「「うわぁ」」」


 俺達3人は若干引きつつも、2人の空間を無理矢理壊そうと、とりあえずガイの頬を思いっきりビンタしてクエストを開始させた。


「ここが目的の洞窟だ。気を引き締めていくぞ……って、ガイ! 落ち着きがないぞ」


「お前のせいだ! たくっ……」


 ガイだけ痛そうに頬を摩っていた……可哀想に…………。

 みんなで笑いを堪えながら、先へと進んでいく。道中で出てきたゴブリン4体を楽々倒し、証拠となる耳をセルティナの空間魔法でしまう。


 少しして通路の出口が見え、俺達は警戒を強めて慎重に動いた。


「みんな、察知魔法に魔物の反応があるよ。数は15体かな? 多分、ゴブリンだと思う」


 セルティナがいち早く気づいたおかげで、有利にことを進めることができる。

 さっきまでは1体ずつででてきたが、集団戦になると一定の距離を保って行動しないと、魔法使いのメイアとセルティナは分が悪い。


 セルティナは少しなら剣術が使えるが、魔法の方が得意だし、得意分野で戦うのは基本中の基本だ。


「とりあえず最初は、メイアの火炎球でなるべく遠くの敵に攻撃する。位置はセルティナが把握してるから、教えて貰ってくれ。次に俺とガイで近場のゴブリンを倒していくから、イルはセルティナとメイアを守りつつ、倒せそうなゴブリンに攻撃だ。いいか?」


「「「「うん(あぁ)」」」」


 俺が合図し、いよいよ戦闘開始だ。


 不意打ちもあってか、初手の火炎球でいきなり3体も葬ってくれた。


「ガイ、右を頼む!」


「任せろ!」


 右はガイが何とかしてくれるだろう。

 自分の方にゴブリン迫ってきた。ゴブリンは棍棒を振るおうとしたが、そんな隙は与えずに右斜め下から斬り裂いた。


 しかし、勢い余ってバランスを崩してしまった。


 ――そこを見逃さないと言わんばかりに、ゴブリン2体が俺に棍棒を振るった。


 右手に力を入れて、剣を横に構えた。思っていたよりもゴブリンの攻撃は軽いもので、そのまま受け止め、押し返し、棍棒を弾いてから2体とも首を斬った。

 自分のトレーニングの成果を身に染みて感じ、さらに気合いが入る。


 みんなも倒してくれており、残り4体となった。

 俺はガイのカバーに向かった。俺が棍棒を弾いてガイが斬ったり、魔法のサポートもあったりして、そのままの勢いで4体も倒しきった。


「よし、ひとまずはこれで終わりだ」


「ふぅ~。疲れたよ」


 一旦、休憩モードに入り、緊迫していた空気も消え去った。みんなが休んでいるうちに俺はゴブリンの耳を斬りとり、セルティナにしまって貰う


「これで、クエスト達成ですね! 早めに戻りたいです……」


「そうだな……って、大丈夫か? メイア」


 メイアの方を見ると、顔色があまり良くないみたいだ。

 ダンジョンや洞窟などは慣れてない人が行くと、時間感覚や平衡感覚が鈍ったり、体調が悪化したりする現象が起こる。


 ――メイアの場合、後者だろうか?


「大丈夫」と言っていたが、そうには見えない。ガイが面倒を見るということなので、俺達はガイとメイアを守りながら、元来た道を戻る。


「アストくん、私も気分悪いかも…………」


 今度はイルもか……。

 何か不吉な予感がしてくるな…………。


「セルティナは大丈夫か?」


「…………なんとかね」


 少し無理してるみたいだ。

 原因は恐らくこの空気だろう。先程から濃密な魔力が、この一帯に溢れ出ているのが伝わってくる。


 ――――こんなピリピリした魔力は、前世でもそうそうない。


 不安を感じながら苦しそうなイルをおんぶして、セルティナの手を握る。ガイは少し苦しそうだが、思っていたよりも元気で安心だ。

 みんなの体調が更に悪化する前に、足早に出口へ向かった。


 ようやく出口が見えてほっと一息…………と、思ったら、俺達5人は謎の空間に飛ばされたのだった。


今回も見てくれた方ありがとうございます。

キャラごとの特徴があんまり無かったので、メイアの口調とかを少し変えて見やすくしていこうと思います。

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