ギルドで……
2回投稿が厳しいので、週1回に変更します。
余裕があれば2回ということにさせていただきます。
ギルドか……かなり久しぶりだ。
「ギルドってこんなにデカイんだな」
ガイ以外のみんなは驚きのあまり声がでていない。
「ガイ。ちなみに、あそこの通路を通ると酒場に繋がってるぞ」
「そうなのか。詳しいんだなアスト。もしかして来たことあるのか?」
前世についてなんて話せないので、親に聞いたことにした。
中に入ると昔とは内装など、だいぶ変わっていた。
ならず者が多かった昔と比べて清潔感が溢れており、内心ではとてもびっくりしていた。
「まず、受付でギルド登録をして自分のギルドカードを作る。そしたら一旦、そこの空いているテーブルに集合しよう」
何ヵ所かに別れている窓口に、それぞれが向かっていった。
「次の方、どうぞ」
「あの、ギルド登録をしたいんですけど」
「分かりました。初めての方で登録させていただきますので、こちらの記入用紙に氏名と職業をお書きください」
職業? 前にはなかった制度に疑問を持ち、俺は質問をした。
「職業とは、前衛職か後衛職を書いていただければ結構です。その下の欄は、前衛職であれば自分が使う武器を、後衛職であれば自分の得意な魔法の属性を書くのですが、書かなくても問題はありません。ただ、依頼によっては書いてあると優先してくれる場合もあるので、書いて損することはあまりに無いと思います」
なるほど。俺は秘密にする必要など特にないので、剣士で登録をしてもらった。
「加護は大丈夫なんですか?」
「はい。個人情報ですので」
なるほどな…………昔のようにはならなくて、俺は安堵した。
「次にあちらの部屋でしばらくの間待機してください。5時頃から、軽い戦闘測定がありますので」
今の時間は4時30分で、まだ時間はあるようだ。
「分かりました」
一通り終わり、部屋で待機する前に俺は集合のテーブルに向かった。
イルとガイ以外は、すでにテーブルに集合して待っていた。
「セルティナ、早いな。それに、メイアさんも」
「アストさん、メイアでいいですよ」
「分かったよ、メイア。そっちもアストって呼んでもいいけど……」
「私はいいんです!」
「そ、そうなのか」
メイアは少し不思議な感じの子という印象が、これから俺の中で定着していくのだった。
「メイアちゃんはガイくんのことが好きなの?」
「セルティナちゃん!? そ、そ、そんなこと…………な、ないけど!?」
メイアちゃんは隠してるようだけど、バレバレ。
照れてる様子が可愛くて、私はちょっとからかっていた。
「セルティナちゃんはアストさんのこと……どう思っているの?」
今度はメイアちゃんからの質問。勿論、そんなの決まってる。
「アストのことは大好きだよ?」
当たり前のように私が言うと、メイアちゃんは慌てだしてたじろいだ。
からかい過ぎるのは駄目だとわかっていても、反応がやっぱり可愛いのだメイアちゃんは。
そんな少しの楽しい時間は、あっという間に過ぎていったのだった。
セルティナはメイアともう仲良くなっているようで、内緒話をしていおり俺もその光景を見て待っていた。
話しの内容は分からないけれど、とても楽しそうなのだけは伝わってくる。
10分程して、ガイとイルがこちらに向かっているのが見えた。
「すまん! ちょっと遅れちまった」
「大丈夫だ。じゃあ、受付の人に言われた部屋に向かおう…………イルもぼうっとしてないで行くぞ」
「うん……」
来たときよりも元気が無くなっているイルに対して、セルティナに耳打ちしてイルに優しくしてあげてくれと頼み、俺達は戦闘測定をしに向かった。
中は後ろ側に椅子が並べられていて前側は空きスペースになっている。
かなりの人数の人がおり、大人から俺達と年が近い人、同年代など様々だ。
時間になると、道具を持った職員の方5人が一番前に立ち、列を作り始めた。
「皆さん、どの列でもいいので並んでください。これから、戦闘測定を開始します」
そう宣言されると、皆が一斉に並びだした。
俺達5人は一緒に、真ん中の列に並んで待っていた。
他の列を見ると、何故か格差があった。
どの列でもいいと言っていたはずだが、左側から4列目だけ異常に列が長いのだ。
考えても何も思いつかないまま、俺達の番がやってきた。
「次の方どうぞ」
「俺、行ってくるぜ」
まずはガイ。後ろから見ていると水晶玉に手を触れて、何かを測っているみたいだ。
セルティナ、イル、メイアと順々にやっていき、遂に俺の番が来た。
「では、ここに手を触れてください」
「はい」
一言置き、水晶玉に手を触れた。すぐに自身の魔力が少し吸われているのが感じ取れた。
「これは何を測っているんですか?」
「すみません。それは、お伝えすることは出来ません」
「分かりました」
何か秘密があるようだ。少しすると水晶玉は反応を止め、ギルドカードが渡された。
・アスト 剣士
ギルドステータス C+ ギルドランク G
簡潔に書かれていたギルトカードは、昔とは変わっていないみたいだ。
「以上になります。次の方~――――」
俺はみんなのところに戻り、ステータスのことについて話し合った。
因みに、ギルド登録をした者は、皆等しくランクG固定だ。
まずはセルティナ。ステータスはCと中々高い。
一応、ステータスについて少し説明すると、クエスト達成難易度の目安となる。もちろん、ステータスを伸ばすことも出来る。
俺とセルティナはCランクならば、だいたいのクエストがクリアできるステータスを持っているということだ。
ガイはD+でメイアはC-。イルは最底辺のE-だ。
皆がその事を知り黙っていると、周りからある声が聞こえてきた。
「お前、Dなのかよ。俺はC-だったぜ。」
「クソッ。中々やるな。今度、俺に剣を教えてくれよ」
服装を見る限り、俺達と同年代なのは目に見えて分かった。おそらく、同じ学園の生徒だろう。
「まぁいいぜ。ちょっとは感謝しろよな」
「ありがてぇ。ありがてぇ。それはそうと、最底辺のE-にならなくて良かったぜ。親父の話では、E-なんてでるのはある意味奇跡らしいけどよ。だって、ここ10年は出てねぇらしいしな」
「そうだな。俺がE-なら死んだ方がマシだな。聞いた話によると、最底辺モンスターのリトルゴブリンですら狩れねぇらしいぜ」
「うわっ。逆にかわいそーだな。俺らの少し分けれやりてぇ位……いや、やっぱやだな。そんな無能にあげるのは、俺のステータスが可哀想だ。どうせあげたって無駄だしな」
「そりゃそうだ」
二人の男子の話が、俺達5人にも聞こえてきた。それは、俺達の心にとても刺さった。
少しすると、イルが突然こんなことを言い出した。
「やっぱり……私みたいなお荷物はいらないんだね。ごめん……ごめんね」
そうして、ギルドを走って行ったイル。
俺達はそんなイルをすぐに追いかけたのだが、
「もう……来ないで!」
そう言われた。
何か言わないと……そう思っていると、雨が降ってきた。
そうしていると、イルはまた走りだした。
その光景を見ているだけで追いかけることは何故か出来ず、俺達4人は立ち尽くしたまま、ただ足音が聞こえなくなるのを待っているのだった。
今回もありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。




