闇の始まり
いつもより長いです。
入学から今日でちょうど一ヶ月。
ギルドマスターや王国の騎士隊長達が、作戦実行に移り始めた。
昨日、俺は父親のカイロに一週間以上帰らないことを伝えられた。
明日からアライン領の奪還作戦があり、父親は騎士団長なので現地に赴くことになった。
「アスト、学校頑張れよ」
「うん、父さんも」
いつもは父親を褒めることはしなかったが、今日は不思議とそんな言葉がでた。その後は無言が続いたが、不思議と嫌な気分はしなかった。
◎◎◎
父親がアライン領に向かってしまった翌日、俺はセルティナと学校に向かっていた。
「セルティナ、最近魔法の調子はどうだ?」
「うーんとね、あんまり調子が良くないんだよね」
「本当か? それでも、その威力がでるのは凄いなぁ」
本当だ。
私は魔法の調子が良くない。
しかも、右肩も一ヶ月前から未だに痛む。
最初はすぐに右肩の痛みが引くと思っていたのだが、その痛みのせいで魔法にも影響が出ているのだろう。
不安になったので友達や先生に相談してみたけれど、私は元々魔法が強かったので真には受け取って貰えず「調子が悪いだけだよ。その内良くなるって! 頑張れ!」 などと励まされただけだ。
そんなふうに悩んでいるともう学校に着いてしまい、アストとそのまま別れてしまった。
「ん? 手紙だ……」
私は教室に入り自分のボックスを確認してみたところ、謎の手紙が入っていた。
内容を確認してみた。
――放課後第二訓練場で待っている。
なんかしたのかな? 心辺りは特になかったので向かうことにはした。
「アスト、今日、訓練場にって呼び出されてるから一緒に帰れない。ごめん!」
「あぁ、分かった」
アストと帰りたかったが流石に手紙のことを無下には出来なかったので、アストに断りを入れ第二訓練場に向かった。
「ここかな……」
まだ中には入ってなかったが、妙に騒がしかった。
――ゆっくりと歩を進めた。
中に入ると案の定騒がしかったのだが、訓練場の人達ではなく、観客席にいた人達のだった。
「ようやく来たか」
その声を聞いた途端、私の心に黒いもやもやが走った。
「セルガ……なの?」
身長は前より20センチほど伸びており、髪は茶髪だったのが白髪になっているなど、劇的な変化を遂げていた。
「そうだ、お前が知っているセルガだ! 今日はお前を倒す! 理由は聞かなくても分かるだろう?」
私はこいつを投げ飛ばし恥を掻かせた。
「俺は強くなったんだ。お前より! 決闘だ!」
――決闘か……。
決闘ではダメージの代わりに、魔力が減っていく。ただし、追加効果は受けてしまう。
ここで断ったら余計に面倒になことになると分かっていたので了承した。
「ルールはシンプルに、敗北を宣言した方、又は魔力切れを起こした方の負けでいいな? 審判は公平に、お互いの担任ではなく関係のない先生にしよう。それでどうだ?」
「うん」
何かしらの細工がされてあると思ったら、そうではないみたい。
「よし、じゃあ今からだ。スタート」
出来るだけ早く終わらせたかったので、水の上級魔法である水の遊円の詠唱を始めた。
「水よ、聖なる水よ、遊び渦巻、円水とかせ、水の遊円」
これは水刃を円状にし、回転させる魔法だ。回転の速度はとてつもない速さなので、いろんなものを斬り刻んでしまう力を持つ。
上級魔法を使いたくはなかったけど、すぐに終わらせたかったので使った。
――だけど未だに、セルガは微動だにしない。
回避も魔法も使う仕草は見せていなく、このままだと当たる誰しもそう思っていた。
――――でも……当たらなかった……いや、違う。魔法を放ったが途中で消えたのだ。
「嘘…………」
「この程度か?」
いつもより冷静さが欠けていたのか、それとも痛みで我を忘れていたのか、易々とセルガの挑発に乗ってしまった。
慌てて呪文を唱え始めたのだが、相手は無詠唱で上級魔法を行使した。
そのせいで私は詠唱を中断させざる終えなかった。初級魔法を三発連続で撃ち込み、なんとか相殺させた。
普通は初級魔法三発程度より上級魔法の方が圧倒的に強いのだが、それはセルティナの強さだろう。
「やるなぁ~。じゃあ、これはどうだ? 雷雷」
攻守交代だ。
「っ!? 盾」
無詠唱の盾では上級魔法の雷雷を防げる訳もなく、貫通してしまう。
「なんだ、もう終わりか? 炎球×3」
雷雷で痺れ、麻痺していたところに、炎球三発同時に迫りくる。三発とも諸に受けてしまい、かなりの魔力が奪われた。
「はぁ……はぁ……」
「ん? まだ、動けるのか……痺れさせているはず何だがな。そこだけは流石だなぁ。だけど、もう終わりだァァッ! 炎獄悪」
また、無詠唱で上級魔法飛んでくる。
「氷土盾ッ!」
氷と土の複合魔法。その技術は、並みの魔術師では出来ない。
「複合魔法だと!?」
なんと、セルガの放った炎獄悪を相殺してしまった。初級の氷土盾でも、複合魔法だと格段に出力は上がる。
「でも、その体で動けるのかぁ?」
そう、複合魔法を使った反動はとても大きい。それが初級でもだ。
更に無詠唱で使ったことにより魔力をごっそりと削られ、セルティナは後初級魔法一発が限界だろう。
――後少しでセルティナ、タオ、せルゥゥ。
どんどん、狂気に満ちた目になっていくセルガ。
「もうイチど、イク、ぞぉ? 炎獄悪」
「…………盾ッ!」
しかし、セルティナの抵抗も空しく、あっさりと盾は破れて炎獄悪が迫りくる。
「――――ドゴォォォン」
その光景を見ていた観客達の中には「セルガがやり過ぎでは」などの声が出るほど、その威力は凄まじくもあり、恐ろしくもあった。
「セルティナァァァッ! どうシタ、戦いハ、まだまだ、ダロウ?」
話し方が少しずつ変わっていくセルガは、まだ、魔法を行使しようとした。
私は右肩の痛みもあり、気絶寸前だ。
もうセルティナの魔力は0に近く、これ以上の負荷は肉体にもダメージが及ぼす為、流石に審判の先生が介入した。
「セルガ、止めろ。セルガ対セルティナ、勝者セルガ!」
急に試合が終わり、セルガはセルティナと審判にとてつもない怒りを感じた。
――俺は、セルティナを、コロさナイト。そレヲ、阻ムモノ、コロさナイト。
セルガは試合が終わったのにも関わらず、セルティナに魔法を行使した。
その魔法を先生はいち早く察知して、防御魔法で防ぐ。
「何をしている、セルガ!」
「コロスノ」
「何言っているんだ! こうなったら、実力で君を排除するぞ?」
「ドウシテ、ワカッテクレナイ。オレハ、セルティナヲ、コロシタイ」
「いい加減にしろセルガ! 痛みから炎球×10」
闇魔法の痛みと炎球で、セルガの魔力のほとんどを削った。
闇魔法はデバフが殆どで、攻撃魔法は最上位魔法しかない。
「このまま気絶して貰うぞ、セルガ」
「ガァァァァァァァッッ! ドウシテ、ワカッテ、クレナイ、ン、ダァァァァァァッッッ!」
突如として、セルガの周りが黒い渦に覆われた。
かなり待ってくれたと思います。申し訳ございません。
今回もみてくれてありがとうございます!!
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