主人公 姉妹
「兵士Aー。最近、魔物が凶暴になってるらしい」
「そうなのか?」と言うのは兵士Bである。
「入ってきた情報によるとだな……ゴブリンに殺られる冒険者が増えたんだとか……」
そうAが言ったら、Bは笑ってしまった。
「ゴブリンに殺られるとか…………初心者でもそんなに殺られることが少ない魔物だぞ? どうやったらそこまで殺られる奴らが増えるんだよ」
「さぁな。ただ、帰還してきた冒険者は、Cランクだったそうだ。それでも負けたらしいな」
「Cランクの奴らが負けたのか。それはゴブリンなのかねぇ~~。ゴブリンキングとかじゃねぇのか?」
「サイズを聞いてみたが、普通のゴブリンと同じくらいだったそうだ。ただ、色は赤だったみたいだ」
「赤?んなゴブリン聞いたことっ――ゴゴゴゴ…………!?」
謎の轟音が辺りを包んだ。そして音が止むと…………
そこには――――兵士の死体が二つ転がっていた。
◎ファルキス領
「ファルキス様。失礼します」
ノックをして入ってきたのは、ライト・アールス・ファルキス公爵の執事であるマスタだ。
「マスタなんだ?」
「また、兵士が死にました。また、見ていた兵士がいたらしく、その者は赤いゴブリンがいたと仰っておりました」
「またか……。最近魔物が、活発になっている気がするな…………。一度、陛下に相談しに行くとしよう。マスタ、話しは変わるがユウカはどうだね?」
「ユウカ様でしたら、まだ魔法は使えておりません…………」
「そうか……っち。あと二年、二年で使えるようにならなければ、捨てるしか方法はないな」
ファルキス公爵は声のトーンを下げた。そのせいか、少しマスタとの会話に間が空いたのだが、マスタは返事をしっかりとした。
「分かっております」
――――その声は、少し、震えているようにも見えたのだった。
◎ユウカ
私は才能がなかった。
私の名前はライト・アールス・ファルキス公爵の娘で、長女であるユウカ・アールス・ファルキス。
私には、二人の妹がいた。
一人は一歳年下のルミネ、もう一人は三歳年下のサリアである。
私は五歳になるまでは、貴族などの礼儀などを教えてもらった。
私が五歳になると、魔法の勉強を教えてもらった。ルミネは四歳だったのだが、ついでに教えてもらっていた。まずは、一通り初心者用魔法を覚えるところからだった。
「炎よ……衝撃を…………あれ、なんだっけ?」
「お姉ちゃん。炎よ、我が手に集まり、かの者に衝撃を与えよ、炎撃でしょ?」
「あ!そうだった。ルミネありがとね」
そこから私はちゃんとした詠唱言い、魔法を使おうとしたのだが、使えなかった。私は焦らずにまずは各魔法の詠唱などを覚えることにした。
あれから五年がたったのだが、魔法は使えなかった。一方、十歳のルミネは、初心者用魔法なら使えるようになっていた。
「炎よ、かの者に衝撃を、炎撃」
「おぉ、流石はルミネ様。詠唱省略をして魔法を出来るようになるとは……。私は感激ですぞ」
魔法教師はルミネを褒めちぎったあと、私のところに来た。
「では、次はユウカ様ですぞ」
「は、はい。では……いきます。炎よ、我が手に集まり、かの者に衝撃を与えよ、炎撃」
しかし、私の炎撃は不発に終わった。
「うむ…………。ユウカ様は魔力制御が苦手なのかも知れぬ。魔力制御の練習をしよう」
そして1ヶ月魔力制御の練習をこなし、炎撃を放ったが……出来なかった。
一方、ルミネは炎の初級魔法炎球を覚えて喜んでいた。
私は、どうやったら魔法が使えるのか考えたりしたが、わからなく、ただ焦りが積もった。
あるとき、父親とマスタの話しを、聞いてしまった。
そのとき魔法が使えないと私は捨てられることを知った。消されるのではないかと不安になり、更に焦りが募った。
そんな不安を落ち着かせてくれたのはいつもルミネだった。
「ルミネ。私、ルミネみたいに才能ないから魔法使えないよ。どうしたらいいのかな?」
「お姉ちゃんは凄いよ。だって毎日頑張ってるもん。だから……だから、そんな顔…………しないでよぉお」
ルミネは泣きながらそう言った。私もその場で一緒に泣いた。
そして、決心がついた。
――――絶対に魔法を使うという決心が。
そこから、今以上に努力した。まだ魔法を使えてはいないが、魔力を集めるところまで成長した。
ある日、いつものように魔力制御の練習をしていたら、久々に父親が来た。
「ユウカ、ルミネ。お前達にはアライン領に行き、剣聖に会いに行ってもらう」
「お父様。剣聖はいなくなったのでは?」
「実は……新たな剣聖が誕生日したとのことだ。そこで、お前達には、剣聖と仲良くなって来てほしいと考えている。陛下にも話しは通しているので、拒否はできん。よろしく頼むぞ」
「「分かりました」」
「では、よろしく頼むぞ」
用件だけを伝えると、父親はすぐ出ていった。私は乗り気ではなかったが、ルミネもいるので、いいと思ってしまった。
「ルミネ、頑張ろうね」
「うん。お姉ちゃん」
――――そして、この……剣聖との出会いにより、私の人生が大きく変わるとは、思わなかったのであった。
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