その47
◇◇◇◇◇◇ その47
二人は翌日、地図上に示される正方形の残り二つの頂点の場所を訪れた。
一つ目は諏訪市と隣接する茅野市である。茅野市は白樺湖をはじめとした有数の観光地であり、夏は高原のすがすがしさを、冬はスキーにと大変な賑わいをみせる。地図で示されるその場所を探してみたが、現在は工場の高い塀の中にあり、近寄る事はできなかった。
二つ目は岡谷市にある。地図上に示されるその場所は諏訪湖を望む小高い丘の上にあり、現在は小坂観音が祭られている。諏訪湖の南の湊と呼ばれる地区からこの丘に向かって登ることができる。
「やっぱりな。」
健一と涼子は顔を見合わせた。小坂観音は信玄の側室だった女性を祭った神社であり、テレビ番組で放映された影響で湖衣姫という名前の方が今は有名である。
「御柱は四本一組でなにかの装置の一部分なんだ。四本で一組となり、さらに神社四つでひとつの巨大なシステムを構成しているんじゃないか。」
「その中心に信玄の棺があるのね。」
「地図で見ると四つの神社で諏訪湖を支えているみたい。」
「まさか、諏訪湖の底には巨大なパラボラアンテナが埋まっているんじゃないだろうな。」
「パラボラって、なあに。」
「ほら、衛星放送用のおわんのようなアンテナがあるだろう。あれだよ。」
「そんなでっかいアンテナを何に使ったのかしら。」
「そりゃあ、あのサイズならら銀河系の外とも通信できるんじないかな。それだけの技術があれば声だけじゃなくて物質が送れても不思議はないしね。」
「信玄の棺は見つからなかったんだよね。」
「そりゃそうだ、だって探した場所が少しずれててたんだよ。」
「昔の四つの神社を基準に考えなくてはだめなわけね。」
「こんな仮定はどうだい。大昔、遥か外宇宙と通信するために巨大なパラボラアンテナを作った人々がいた。」
「異星人?。」
「かもしれないし、我々の先祖かもしれない。」
「そのアンテナは四本一組の巨大な柱で支えられ、それぞれの柱からエネルギーを供給して動作していた。けれどもある日、大地震が起き倒壊してしまった。アンテナは地面にめり込み、やがて水が溜まり大きな湖ができました。それが今の諏訪湖だとさ。」
「すごい想像ね。もし、巨大な通信装置だったとして純一がいなくなったのとどういう関係があるのかしら。」




